毎ホール交換するプロもいるらしいけど… アマチュアはキズさえなければ同じボールを使い続けて問題ないの?

ゴルフボールはとても頑丈ですが、けっこうキズがつきやすいものです。どのくらいで交換すればいいのでしょうか?

ビギナーはあまりキズを気にしなくてもいい?

 ゴルフボールは基本的にゴムを主な材料としていますが、表面の「カバー」と呼ばれる部分にはウレタンなどの素材が用いられており、非常に硬く丈夫にできています。

こんなに汚れるまで使ってもいいの!? 写真:PIXTA

こんなに汚れるまで使ってもいいの!? 写真:PIXTA

しかし頑丈とはいえ、使っているとけっこうにキズがついてしまいます。では、どのくらいキズついたら交換するものなのでしょうか。クラフトマン兼レッスンプロの関浩太郎氏は以下のように話します。

「ボールにキズがつくと、バックスピンやサイドスピンのかかり方が変わりやすく、飛距離が短くなるなど多少はボールの性能が落ちます。しかし、たとえばスコアが100を大きく上回るレベルの人が打った場合、アイアンなら5ヤード前後、ドライバーであったとしても10ヤード前後しか変化しません」

「『まずは100切りを目指したい』と考えている人にとって、ボールのキズはスコアに対してそこまで大きく影響しないと思います。そのため、ビギナーは数ラウンドであれば同じボールを流用しても大丈夫です。80台や70台までスコアが良くなった際には、1ラウンド終わったごとに交換していった方がいいでしょう」

「うまくなっていくにつれてヘッドスピードが上がり、インパクトの際にボールにかかる負荷も大きくなります。最終的には一瞬の間だけですが、原形を留めないほど潰れることもあります。最高で1トンもの衝撃を受けるともいわれているので、上級者ほど頻繁にボールを替えた方が無難です」

「ただし、ビギナーでもカート道に落としたり、木に当ててしまった際は硬い地面に当たることで損傷を受けるため、その場合はすぐに新しいものを用意するようにしましょう」

「上級者はヘッドスピードが上がるだけでなく、バンカーショットでダウンブロー気味にスイングし、バックスピンを強くかけるような打ち方をすることでも、ボールにキズがつきやすいです。そのため、頻繁に交換すべきです」

「ちなみに、トーナメントに出場するプロは火曜日の「練習ラウンド」から水曜日の「プロアマトーナメント」、そして木曜日からの本戦では2〜3ホールごとに新しいボールに替えるため、1週間で2ダースぶんものボールを消費するそうです」

「また、一般的にゴルフボールの寿命は5年程度とされていますが、用品店で『ロストボール』として売られているものや、長い期間自宅で保管していたものには注意が必要です。製造から2年以上が経過しているボールは、使用していなくてもゴムが劣化し、性能も落ちてしまっているからです」

ボールの種類でもキズのつきやすさは変わる?

 では、ボールを安全に使用するうえでほかにはどのような点を理解しておけばいいのでしょうか。関氏は以下のように話します。

「練習場で使われている『レンジボール』は毎日何十回、何百回と打たれることを想定して作られているので、飛距離が出ない代わりに非常に頑丈な構造をしています。一方で、ラウンドで使うコースボールは性能を最大限に引き出しているぶん、レンジボールから見れば耐久性は少し劣ります」

「通常のアマチュアなら、たとえ同じボールを1年間使ってプレーしても特に大きな支障は出ませんが、ヘッドスピードが速かったり保管状況が悪かったりと、いくつかの条件が重なると、打った瞬間に突然割れてしまうケースもあります」

「また、主にコースボールは『スピン系』と『ディスタンス系』の2種類に分けられますが、前者の方が表面を軟らかくしている影響でキズがつきやすく、ウェッジで1回打っただけでも『ささくれ』ができてしまうことがあります。対して、後者は表面が硬く作られているので、スピン系よりキズはつきにくいです」 

「まだ見た目はきれいなボールなのに、捨ててしまうなんてもったいない」と思うかもしれません。そのような場合は、古くなったボールを何個かまとめてパターやアプローチの練習用にしたり、足つぼや背中のコリを癒すための「マッサージ器具」にするなど、違った活用方法を考えてみるのもいいでしょう。

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