「13本で十分なんだけど…」はもったいない! 悩みに合わせた「最後の1本」を入れればスコアアップが実現する!?

14本が上限になっているゴルフクラブ。しかし実際には13本以下で十分だと考え、14本未満でプレーしているゴルファーも数多くいます。そこで、悩み別に「最後の1本」を確実にスコアアップにつなげる選び方を聞きました。

苦手な距離・得意な距離をキッチリ打てるクラブが便利

 みなさんのキャディバッグにクラブは何本入っていますか? ルールの上限は14本ですが、それ未満という人も多いのではないでしょうか。

「13本でも別に困っていないんだよね」という人はもちろんそのままでも構わないのですが、増やす余地があるのであれば、「便利な1本」を足すことによってゴルフが楽になるかもしれません。

最後の1本を自分のプレースタイルに合わせることでスコアアップが望める 写真:PIXTA

最後の1本を自分のプレースタイルに合わせることでスコアアップが望める 写真:PIXTA

 ゴルフフィールズユニオンゴルフ店の小倉勇人店長に、「クラブを1本足せるなら、何を入れたらいいか」を聞いてみました。

「基本的には、各番手の距離のカバー域を考えて、番手間の距離のピッチがある程度整うようにクラブをそろえるのが第一の考え方です。アイアンとユーティリティー(UT)の間が20~30ヤードも空いてしまっていたり、ピッチングウェッジ(PW)とその下のウェッジの間の距離が開いているようなら、その間に1本足すことで、距離の打ち分けが容易になります。まずはここを見直すところからはじめましょう」(小倉店長)

 アマチュアの多くは自分のクラブそれぞれの距離を把握しているようで把握していない人も少なくありません。一度各番手とその距離を紙などに書き出してみると、意外な穴があったり、逆に番手間が詰まりすぎているところに気づくかもしれません。

 現在13本以下でプレーに困っていない、とくに番手間の距離にも不便がないのであれば、「特定の距離をうまく打てるクラブ」を足すというのもおすすめだと小倉店長はいいます。

「たとえば、自分のホームコースなどの特定のパー3のティーショットに便利なクラブです。『18ホールで必ず1回使うクラブ』と考えれば、3番ウッドや5番アイアンなどよりも年間の使用頻度は高いかもしれませんし、そこに得意なクラブを作れれば、スコアへの貢献度は高いはずです。長いパー3用に、ショートウッドなどで作るのがオススメですよ」(小倉店長)

 また、プレー頻度の多い人であれば『なぜかこの距離がよく残る』というイメージを持っている人も多いかもしれません。そういう距離は、「105ヤード」とか「145ヤード」など中途半端な距離のケースが多く悩ましいもの。パー5の3打目で「70ヤード」というケースもあるでしょう。

 思い当たる人はその距離ピッタリを打ちやすい番手を用意しておくと便利かもしれません。もちろん「100ヤード」「200ヤード」など区切りのいい距離でもOKです。

「そういう番手を作る場合は、前後の番手との距離の間隔は気にする必要はありません。100と110ヤード打てるクラブの間に105ヤード専用のクラブを作ったっていいんです。あくまで『専用』と割り切って考えるのがポイントですよ」(小倉店長)

意図した弾道を打ちやすいクラブがあるといい

 飛距離以外では、弾道を考えたクラブを増やすこともオススメだと小倉店長はいいます。

「たとえばティーショット用の低い球が打てるクラブ。低いライナー性の球は曲がりにくいので、狭いホールのティーショットでも役立ちますし、打ち下ろしのホールや風が強い日などにも使えます。ロフトの立ったUTやアイアン型UTなどをそういった場面用に1本入れておくと、不用意なOBなどを減らせるはずです」(小倉店長)

 同様に、180~200ヤードなどの長い距離を打つクラブに、高弾道用・低弾道用が両方そろうようにするのもオススメです。たとえばグリーンを狙う場合や打ち上げの状況では高弾道の球が打てるクラブ、安全に前に運ぶ場合や強風時、打ち下ろしなどでは低弾道用のクラブといった具合で使い分けます。

チッパーなどアプローチに特化したクラブを選ぶのもあり 写真:AC

チッパーなどアプローチに特化したクラブを選ぶのもあり 写真:AC

 この2本は、同じ距離を打てるクラブでもいいですし、5~10ヤードの距離差があっても意外と使い分けられます。

 いまバッグに入っているFWやUTと、距離がかぶってもいいので逆の弾道のクラブを増やすという考え方でいいでしょう。

 また、「必ず右か左どちらかにしか行かないクラブ」も実用的だと小倉店長はいいます。

「ドライバーや3番ウッド、ロフトの立ったUTなど、ティーショットで使えるクラブで有効なのですが、『この番手はフックする=絶対スライスしない』やその逆のクラブを持っていると、片側がOBのティーショットなどで安心して打てるんです。上級者であれば、『ドロー用ドライバー』『フェード用ドライバー』などのように、ドライバーを2本入れるなどでもOK。クラブを替えるだけで弾道が変えられれば、コースでの状況対応力はグンとアップするはずですよ」(小倉店長)

 もちろんアプローチ用のクラブを増やすことも有効です。

 60度のロブウェッジなどはプロや上級者専用のクラブというイメージがあるかもしれませんが、普通に打って高い球が打てるため、手前ピンを狙う場合やグリーン奥からのアプローチなどで、意外と使い道があるものです。

 プロのように自在に使いこなすことはできなくても、ピンチの状況での「お助けクラブ」と考えればいいのです。

「『カッコ悪い』と敬遠する方も多いんですが、チッパーもとても便利ですし、バンカーが苦手な方なら超ワイドソールのバンカー専用ウェッジなどを入れておくのは合理的だと思います。いま13本以下でプレーしているなら、とりあえずそういった『苦手をカバーしてくれるクラブ』を入れて損はありません」(小倉店長)

 プライベートのゴルフであれば、バッグにクラブが15本入っていてもとがめられることはまずありません。プロゴルファーにも、基本セットが15~16本で、その中からコースによって14本を選んでプレーする人も多いですので、14本という枠にとらわれず、こういった「プラス1」を普段から考えておくと、ゴルフの幅が広がること請け合いです。

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