マンガ『源氏物語』10話【若紫】「恐ろしや」思いを遂げた源氏だが、そのために帝の妻・藤壺の宮は妊娠。執着し続けた幼い藤壺の姪もその手におさめて…

『源氏物語(上)―マンガ日本の古典』より
大石静さんの脚本で紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』。紫式部といえば『源氏物語』の作者としてあまりにも有名です。空蝉、六条御息所、夕顔、藤壺、末摘花、朧月夜、若紫――。たぐいまれなる美貌と才能で人々を魅了し、女性と逢瀬を重ねる光源氏の物語を漫画家・長谷川法世さんは『源氏物語―マンガ日本の古典』にて描きました。今回はそこから「若紫」をご紹介。伝統描法を大胆に取り入れた平成版源氏物語絵巻をここに!

* * * * * * *

<前話よりつづく

いよいよ藤壺と…

【1】

今夜のことは夢だったのか現だったのか

なんとおいたわしい

【2】

ああ…

気分がすぐれない藤壺

【3】

おめでたいことです

恐ろしや

【4】

帝に呼ばれて

なんと清らかな音であろう

【5】

恐ろしや恐ろしや

舞いの練習をしていると

【6】

あの尼君はお亡くなりに

幼い人はどんなに不安がっておいでだろう

【7】

姫君は父宮に引き取られることに

なぜ私にお任せにならないのです

【8】

どうぞこちらへ

このように幼い方なのです

【9】

眠いと訴える姫君を抱き…

私が宿直を務めよう

【10】

お二人で御帳に入られるとは…

まるで男女の逢瀬のよう

【11】

再び妻・葵の上の元へ

お逢いしとうない

【12】

源氏の君はいずこかへ

お迎えですよ

【13】

なんとされます

父宮にはなんと申し開きをすればよいのでしょう

【14】

姫君はもう私がいただいた

※本稿は、『源氏物語(上)―マンガ日本の古典 (3)』(著:長谷川法世/中公文庫)の一部を再編集したものです。

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