マンガ『源氏物語』8話【若紫】僧坊を覗く源氏が「引き取りたい…」と願った可愛らしい娘の正体とは?「世話役に私ではいかがでしょう。通う者がいても独り身と同じなのです」
大石静さんの脚本で紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』。紫式部といえば『源氏物語』の作者としてあまりにも有名です。空蝉、六条御息所、夕顔、藤壺、末摘花、朧月夜、若紫――。たぐいまれなる美貌と才能で人々を魅了し、女性と逢瀬を重ねる光源氏の物語を漫画家・長谷川法世さんは『源氏物語―マンガ日本の古典』にて描きました。今回はそこから「若紫」をご紹介。伝統描法を大胆に取り入れた平成版源氏物語絵巻をここに!
* * * * * * *
「若紫」の巻
体調の優れない源氏は
噂に高い聖のもとへ
北山に向かった
源氏の身には…
気になる僧坊が
小綺麗な坊に住まうのは?
見事な眺望をうらやむ源氏
風光明媚な明石には…
良清は好き者だから
女たちの声が聞こえて
そこには可愛らしい子が
心惹かれる人を見た
僧都の庵へ招かれ
こちらにはどなたが?
近頃病がちな妹の尼君
夕刻の娘に心惹かれたわけ
愛らしい娘は、なんと藤壺の姪!
世話役に私では
藤壺の姪である若紫を引き取りたい源氏なのでした…次回へつづく
※本稿は、『源氏物語(上)―マンガ日本の古典 (3)』(著:長谷川法世/中公文庫)の一部を再編集したものです。
04/11 12:30
婦人公論.jp