マンガ『源氏物語』9話【若紫】帝の妻・藤壺の宮の幼い姪に執心する一方、妻・葵の上からは冷たくあしらわれる源氏。「私にはあの人しか」思いつめた源氏はついに藤壺邸へ!
大石静さんの脚本で紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』。紫式部といえば『源氏物語』の作者としてあまりにも有名です。空蝉、六条御息所、夕顔、藤壺、末摘花、朧月夜、若紫――。たぐいまれなる美貌と才能で人々を魅了し、女性と逢瀬を重ねる光源氏の物語を漫画家・長谷川法世さんは『源氏物語―マンガ日本の古典』にて描きました。今回はそこから「若紫」をご紹介。伝統描法を大胆に取り入れた平成版源氏物語絵巻をここに!
* * * * * * *
隣はまだ起きておいでのようだな
案内を乞う源氏
こうお伝えください
まだ幼い姫君に…
折り入ってお話し申し上げたいことがあるのです
「母君代わりに」と申し出るも断られる
見舞い人が訪れ
宮人に行きてかたらむ山桜 風よりさきに来ても見るべく
左大臣邸
病のために出かけていたことを伝えるも
冷たいもてなし
ひどいお言葉
溝は埋まらず
難しいお方だ……
源氏の君からお文が
どうなることやら
藤壺の宮がお里へ下がられたとか
それほどのご病気ではないようですが
私にはあの方しか…
恐ろしいことになってしまいそう…次回へつづく
※本稿は、『源氏物語(上)―マンガ日本の古典 (3)』(著:長谷川法世/中公文庫)の一部を再編集したものです。
04/25 12:30
婦人公論.jp