J2リーグ最高額は誰だ!? サッカー選手市場価値ランキング11〜20位。昇格の鍵を握るのは?【2024年最新版】

【写真:Getty Images】

 明治安田Jリーグの2024シーズンが開幕した。J2リーグで最も高い市場価値を持つのはどの選手なのか。今回フットボールチャンネル編集部は、データサイト『transfermarkt』が算出した市場価値ランキングを紹介する。※市場価値は2月27日時点。価格が並んだ場合の順位はサイトに準拠。
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●20位:アダイウトン(ヴァンフォーレ甲府)

生年月日:1990年12月6日
市場価値:60万ユーロ(約8400万円)
2023リーグ戦成績:29試合3得点6アシスト(FC東京)

 市場価値60万ユーロ(約8400万円)でJ2選手の市場価値ランキングの20位にランクインしたのは、今冬にFC東京からヴァンフォーレ甲府に移籍したブラジル人WGアダイウトンだ。

 Jリーグ屈指のスピードとフィジカルで圧倒的な存在感を発揮し続けてきたアダイウトンが市場価値の自己最高金額を記録したのは、ジュビロ磐田で2017シーズンを32試合出場8ゴール8アシストでフィニッシュした直後の2018年1月であった(市場価値100万ユーロ/約1億4000万円)。

 右膝前十字靭帯断裂の大怪我によって長期離脱を強いられた2018シーズン以降、その金額を上回ることはなかったが、持ち前のスピードは33歳になった現在も健在。2023シーズンは途中出場での起用が半数以上を占めるようになったが、29試合に出場して3ゴール6アシストを記録した。

 長谷川元希ら主力の退団によって甲府の攻撃力が不安視されていた中で、J1での経験が豊富なベテランの加入は心強い補強となった。アダイウトンは2024シーズン第1節・徳島ヴォルティス戦でコーナーキックを頭で折り返し、早速アシストを記録している。33歳という年齢もあり市場価値を再浮上させることは難しいかもしれないが、甲府でも活躍することが十分予想される。

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●19位:弓場将輝(大分トリニータ)

生年月日:2002年5月13日
市場価値:60万ユーロ(約8400万円)
2023リーグ戦成績:37試合4得点0アシスト

 大分トリニータのMF弓場将輝が市場価値60万ユーロ(約8400万円)で19位にランクインしている。大分の育成組織出身の弓場は2021年にトップチーム昇格を果たし、現在は主力として定位置を掴み価値を高め続けている。

 プロ1年目となる2021シーズンはリーグ戦で出場機会を得ることができず、市場価値も5万ユーロ(約700万円)で推移したが、翌2022シーズンは第12節・栃木SC戦でJリーグデビューを果たして以降スタメンとして出場するようになり、評価額も上昇に転じていくこととなる。

 弓場は優れたボール奪取能力を活かして相手の攻撃の芽を摘み、精度の高いパスを供給して味方の攻守をつなぐ役割を担う。2023シーズンは積極的な攻撃参加も見せ、37試合出場4ゴールでフィニッシュした。今やJ2を代表する若手注目株のボランチに成長している。

 昨季から右肩上がりに市場価値を上昇させている弓場はまだまだ金額を伸ばしていくことが予想される。J1昇格に向けて、21歳ながらクラブ最高額の市場価値を持つ生え抜き選手に対してクラブがかける期待は大きい。

●18位:林誠道(ジェフユナイテッド千葉)

生年月日:1996年4月4日
市場価値:60万ユーロ(約8400万円)
2023リーグ戦成績:35試合7得点2アシスト(ツエーゲン金沢)

 ツエーゲン金沢のJ3降格に伴いジェフユナイテッド千葉に移籍した林誠道が市場価値60万ユーロ(約8400万円)で18位にランクインしている。林は2015年に大阪産業大付属高校からガイナーレ鳥取に加入し、J3から着々と評価を高めていった選手である。

 鳥取で定位置を掴んだ2019シーズンに26試合の出場で11ゴールをマークし、翌シーズンに移籍したFC今治でも31試合出場8ゴールを記録する。この実績が評価され、モンテディオ山形へ加入して2021シーズンよりJ2の舞台で戦うこととなった。

 J2でも得点力を発揮し続け、2021シーズンに山形で36試合6ゴール、2022シーズンに金沢で42試合13ゴールをあげた。その間に市場価値を高めていくこととなり、2023年1月に自己最高金額となる65万ユーロ(約9100万円)の評価額がついた。

 2023シーズンは金沢の苦しいチーム状況の中で7得点を記録し、前線からプレスを仕掛けて守備でも奮闘した。得点数が2022シーズンより落ちたことも影響してか、現在の市場価値は自己最高額からやや落ちてしまったが、攻守にわたり金沢の主軸としてあり続けていた。

●17位:増山朝陽(V・ファーレン長崎)

生年月日:1997年1月29日
市場価値:60万ユーロ(約8400万円)
2023リーグ戦成績:38試合3得点4アシスト

 市場価値60万ユーロ(約8400万円)で17位にランクインしたのは、V・ファーレン長崎に所属するMF増山朝陽だ。増山は2023年冬に加入した長崎での活躍によって、シーズン開幕前は35万ユーロ(約4900万円)だった市場価値を急上昇させた。

 長崎で定位置を掴み、現在も市場価値が上昇中の増山であるが、プロキャリアをスタートさせたヴィッセル神戸では6年の在籍期間でリーグ戦の出場が45試合とプレー機会に恵まれなかった。2020シーズンに期限付き移籍したアビスパ福岡でリーグ戦36試合出場5ゴール1アシストを記録して市場価値を30万ユーロ(4200万円)まで伸ばすが、以降は昨季の活躍まで金額に大きな変動は無かった。

 長崎では、両サイドバックに右サイドハーフと複数ポジションで起用されるユーティリティ性を発揮し、強靭なフィジカルとスタミナを活かしてハードワークを繰り返した。守備面のみならず縦への突破力や精度の高いキックも魅力で、長崎を攻守両面で支えるキーマンになっている。評価上昇中の苦労人は長崎を悲願のJ1昇格へ導き、今季も自らの価値を示すことができるか。

●16位:佐藤亮(ザスパクサツ群馬)

生年月日:1997年11月24日
市場価値:60万ユーロ(約8400万円)
2023リーグ戦成績:42試合6得点9アシスト

 16位にランクインしたのは、ザスパクサツ群馬で10番を背負うFW佐藤亮だ。クラブ最高額となる市場価値60万ユーロ(約8400万円)と評価されている。

 佐藤は明治大学を経て2020年にギラヴァンツ北九州に加入し、途中出場での起用が多かったものの初年度から26試合出場3得点1アシストの成績を残した。2022シーズンはJ3で33試合に出場し、チームトップとなる8ゴールをあげる活躍を見せる。2023シーズンに活躍の場を群馬に移して以降、市場価値が大きく上昇していくこととなった。

 精度の高いキックを特徴としている佐藤は群馬で主に右サイドハーフとしてプレーし、巧みなクロスやフリーキックからチャンスを幾度も創出した。昨季を42試合出場6得点9アシストの好成績でフィニッシュし、群馬加入時は22.5万ユーロ(約3150万円)だった市場価値を現在の金額まで倍以上増額させている。

 鹿児島ユナイテッドFCとの2024シーズン初戦でも、フリーキックからの見事なクロスで早速アシストを記録している。今季も正確無比な左足で群馬の勝利に貢献することができるか。

●15位:川井歩(モンテディオ山形)

生年月日:1999年8月12日
市場価値:60万ユーロ(約8400万円)
2023リーグ戦成績:32試合1得点3アシスト

 15位にランクインしたのは、モンテディオ山形のDF川井歩だ。サンフレッチェ広島の育成組織で育った川井は、世代別日本代表にも選出された経験を持つなど将来を嘱望されていた選手だったが、2018年に昇格したトップチームではリーグ戦の出場機会に恵まれなかった。

 川井が評価を高めたのは2019年4月にレノファ山口へ期限付き移籍して以降である。山口での初年度は両サイドバックとして起用されて24試合出場1ゴール2アシストを記録。正確なクロスを武器に攻撃面で大きく貢献した川井は、山口加入前5万ユーロ(約700万円)だった市場価値を35万ユーロ(約4900万円)まで上昇させた。

 2022シーズンから加入した山形でも積極的な攻撃参加で存在感を発揮しており、イサカ・ゼインとの右サイドは相手の脅威となっている。市場価値も山形への移籍以降は下落せず、現在の60万ユーロ(約8400万円)まで金額を伸ばし続けている。川井の年齢はまだ24歳と若く、今後の活躍次第では市場価値をさらに上昇させていく可能性もある。

●14位:藤村慶太(鹿児島ユナイテッドFC)

生年月日:1993年9月2日
市場価値:60万ユーロ(約8400万円)
2023リーグ戦成績:39試合2得点3アシスト

 2019シーズン以来のJ2挑戦となる鹿児島ユナイテッドFCに移籍したMF藤村慶太がランキングの14位につけている。今冬の目玉補強選手である藤村の市場価値は60万ユーロ(約8400万円)で、鹿児島に所属する選手の中では最高金額となっている。

 2012年にベガルタ仙台でプロキャリアをスタートさせた藤村は同クラブで出場機会を得ることができずに6シーズンを通してリーグ戦の出場が33試合にとどまったが、2018シーズンにツエーゲン金沢へ期限付き移籍するとチームの心臓として中盤で躍動し続け、自らの価値を高めていくこととなった。

 ボランチの藤村は攻守にわたり試合をコントロールすることに長けた選手だ。優れたパスセンスによって攻撃の起点になり、高いボール回収能力を発揮して相手の攻撃の芽を的確に摘んでいく。2021年6月に自己最高値となる市場価値60万ユーロと評価され、現在までその金額を維持し続けている。残留を目標とする鹿児島にとって、J2で長く主力としてプレーしてきた経験を持つ藤村の存在は心強いだろう。

●13位:イサカ・ゼイン(モンテディオ山形)

生年月日:1997年5月29日
市場価値:65万ユーロ(約9100万円)
2023リーグ戦成績:40試合6得点5アシスト

 市場価値65万ユーロ(約9100万円)で13位にランクインしたのは、モンテディオ山形に所属するイサカ・ゼインだ。イサカは桐蔭横浜大学を経て2020年から川崎フロンターレでプロキャリアをスタートさせたが、同クラブでは出場機会を得られずに市場価値も5万ユーロ(約700万円)から伸ばすことができなかった。

 イサカは川崎を離れて評価を上げることとなる。期限付き移籍で加入した横浜FCでは2022シーズンを29試合出場2ゴール7アシストで終え、35万ユーロ(約4900万円)まで市場価値を高めた。

 これまでイサカはSBやWBとしてプレーしてきたが、2023シーズンは完全移籍で加入した山形で右ウィンガーとして起用され、高い身体能力とスピード、突破力を武器に40試合出場6得点5アシストの成績を残してチームのJ1参入プレーオフ進出に大きく貢献した。

 現在市場価値が右肩上がりのイサカは、ジェフユナイテッド千葉との2024シーズン開幕戦で右サイドからのクロスでアシストを記録し、幸先の良いスタートをきった。今シーズンも継続して活躍を見せれば、ここからさらに市場価値を伸ばす可能性もあるだろう。

●12位:柳育崇(ファジアーノ岡山)

生年月日:1994年6月22日
市場価値:70万ユーロ(約9800万円)
2023リーグ戦成績:39試合4得点3アシスト

 ファジアーノ岡山に所属するDF柳育崇が、市場価値70万ユーロ(約9800万円)で12位にランクインしている。専修大学からアルビレックス新潟シンガポールに加入してクラブのタイトル獲得に貢献した柳は、2018年冬にアルビレックス新潟に移籍してJリーグに参戦した。

 しかし新潟では2シーズン合わせてリーグ戦の出場が4試合のみと思うように出場機会を得られず、新天地を求めて2020シーズンに期限付き移籍で栃木SCに加入することとなった。柳は栃木で頭角を現し、評価を高めていくこととなる。

 身長188cmの大型センターバックである柳は高い対人能力を持つ。空中戦やセットプレーでも強さを発揮し、DFながら2021シーズンはチームトップとなる8ゴールを記録している。2022シーズンから岡山でプレーすることになっても攻守両面で存在感を発揮し続け、栃木加入前は5万ユーロ(約700万円)であった市場価値も現在は70万ユーロと、右肩上がりに上昇し続けている。

 柳は2024シーズン第1節栃木SC戦でも試合終了間際に投入されてセットプレーからゴールを奪った。攻守の要である柳は、今季も昇格を悲願とする岡山のキーマンとなるだろう。

●11位:エドゥアルド(ジェフユナイテッド千葉)

生年月日:1997年2月1日
市場価値:70万ユーロ(約9800万円)
2023リーグ戦成績:39試合9得点4アシスト

 J2選手の市場価値ランキングで11位にランクインしたのは、ジェフユナイテッド千葉に所属するブラジル人MF、エドゥアルドだ。市場価値70万ユーロ(約9800万円)と評価されている。

 エドゥアルドは2022年冬にジュビロ磐田に移籍するも(当時の登録名はドゥドゥ)、加入初年度はJ1でのプレー時間が合計17分にとどまってしまう。これにより開幕前に70万ユーロだった市場価値は40万ユーロ(約5600万円)まで下落してしまった。しかし磐田がJ2降格となった2023シーズンは前年と打って変わり主力として定位置を掴むこととなる。

 これまで中盤でプレーしてきたエドゥアルドは左のサイドハーフとして起用されて高い攻撃力を発揮するようになった。最終的にチームトップタイとなる9得点を記録し、最終節の栃木SC戦でも値千金の同点ゴールをあげてJ1昇格に大きく貢献した。昨季の活躍によって市場価値も現在の金額まで再浮上させている。

 2023シーズンの千葉はリーグ終盤戦に調子を上げてプレーオフまで進出するも、J1昇格とはならなかった。磐田昇格の立役者であるエドゥアルドは、千葉を悲願達成まで導くことができるか。

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