このレベルで優勝できない…。サッカー日本代表、最新市場価値ランキング1〜10位。アジアカップで早期敗退のスター軍団

【写真:Getty Images】

 サッカー日本代表は、AFCアジアカップカタール2023(アジア杯)の準々決勝でイラン代表に敗れて大会から姿を消した。今大会の日本代表メンバーで最も市場価値が高いのは誰なのか。今回は、データサイト『transfermarkt』が算出したデータをもとに、市場価値ランキングを紹介する。(※金額が並んだ場合はサイトに準拠。データは2月4日時点)
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●10位:守田英正

生年月日:1995年5月10日(28歳)
最新市場価値:1200万ユーロ(約16.8億円)
所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル)
23/24リーグ戦成績:14試合1得点3アシスト

 守田英正は2021年1月、市場価値が130万ユーロ(約1.8億円)だったときにポルトガルのサンタ・クララに加入して活躍すると、2022年夏に同国の強豪スポルティングCPに移籍し、さらに市場価値を高めた。最新の市場価値は、1200万ユーロ(約16.8億円)だ。

 日本代表で守備的な役割を担うことが多い守田だが、2022/23シーズンのポルトガル1部リーグでは、6得点3アシストを記録し、攻撃面でも結果を残している。優れた戦術眼を武器に良いタイミングで前線に飛び出していくことができ、攻撃に厚みをもたらすことができる選手だ。

 アジアカップ準々決勝のイラン代表戦では、その特長が出て、先制点をもぎ取った。その後逆転を許して敗退することになったものの、守田自身は十分な存在感を示したと言えるだろう。

 グループリーグでは、守田が欠場したインドネシア代表戦で旗手怜央が好印象を残していたが、守田はイラン代表戦で改めて自身の価値を示した格好だ。切磋琢磨する中で、さらなる進化に期待したい。

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●9位:南野拓実

生年月日:1995年1月16日(29歳)
最新市場価値:1200万ユーロ(約16.8億円)
所属クラブ:モナコ
23/24リーグ戦成績:16試合5得点4アシスト

 南野拓実の市場価値は、この半年でV字回復している。昨年6月に600万ユーロ(約8.4億円)だったところから1200万ユーロ(約16.8億円)になった。

 南野は、2020年1月にザルツブルクからリバプールに移籍したときの市場価値が1250万ユーロ(約17.5億円)だったが、イングランドの名門では出場機会に恵まれず、市場価値の横ばいが続いた。2022年夏にモナコへ移籍したあとも結果が出ず、市場価値を下げている。

 それでも、今季前半戦はかつての姿を取り戻して、リーグ戦16試合出場で5得点4アシストの大活躍をみせており、一気に市場価値を戻すことに成功した。

 アジアカップでは、初戦のベトナム代表戦で2得点を決めて見事なスタートを切ったが、ポジションを中央から左サイドに移した第2戦のイラク代表戦ではふるわず、グループリーグ第3戦以降はベンチスタートだった。初戦のときは南野の大会になってもおかしくない雰囲気があっただけに、不完全燃焼と言えるかもしれない。

●8位:遠藤航

生年月日:1993年2月9日(30歳)
最新市場価値:1300万ユーロ(約18.2億円)
所属クラブ:リバプール(イングランド)
23/24リーグ戦成績:15試合1得点0アシスト

 日本代表の主将を務める遠藤航は、もうすぐ31歳の誕生日を迎えるが、いまも進化を続けている。

 遠藤は昨年夏にシュトゥットガルトからリバプールへ移籍した。当時の市場価値は650万ユーロ(約9.1億円)だったが、リバプールは2000万ユーロ(約28億円)を投じて獲得している。リバプールは昨年夏のMF補強がことごとく失敗しており、急きょ遠藤を獲得した形だ。遠藤はバックアッパーの1人になるというのが大方の予想だったものの、チームメートの負傷もあって出場機会を増やし信頼を高めると、12月にはクラブの月間最優秀選手に選出されている。

 アジアカップでは、全試合にフル出場した。準々決勝イラン代表戦の後半はやや疲れていた様子だったものの、森保一監督が代わりのいない選手と考えているのは間違いない。

 現在の市場価値1300万ユーロ(約18.2億円)は、自身最高額である。一般的には市場価値が下がる年齢だが、遠藤はさらに市場価値を上げていけるだろうか。

●7位:菅原由勢

生年月日:2000年6月28日(23歳)
最新市場価値:1500万ユーロ(約21億円)
所属クラブ:AZ(オランダ)
23/24リーグ戦成績:16試合0得点4アシスト

 日本代表の右サイドバックを務める菅原由勢は、1500万ユーロ(約21億円)の市場価値だ。

 菅原は2019年夏にオランダの名門AZに加入した。加入当初はなかなか出番がなかったものの、次第に出番を増やし、2021/22シーズン以降は不動のレギュラーになっている。22/23シーズンは3得点8アシストと、得点関与でも大きく貢献しており、市場価値はクラブで2位まで上昇した。

 今季のオランダ1部リーグでは、アジアカップの時期を除いて全試合で先発しており、代役のいない選手として活躍している。ただ、アジアカップではグループリーグで不安定な守備もあり、第3戦以降は毎熊晟矢にポジションを奪われた格好になった。

 クラブでも代表でも定位置を手にしていた菅原は、アジアカップで新たな競争に直面した。23歳と若く伸びしろは十分なだけに、この経験を今後の成長に活かしたいところだ。

●6位:板倉滉

生年月日:1997年1月27日(27歳)
最新市場価値:1500万ユーロ(約21億円)
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:7試合2得点0アシスト

 板倉滉は、日本代表で6番目に高い1500万ユーロ(約21億円)の市場価値が付いている。

 2022年夏に加入したボルシア・メンヒェングラートバッハで不動のレギュラーに定着している板倉は、この1年半で市場価値を500万ユーロ(約7億円)から急激に高めた。守備時の対人の強さに加えて、攻撃時には自分で持ち上がることもでき、ブンデスリーガで質の高いプレーを続けている。

 そのパフォーマンスは一流クラブにも注目されている様子だ。1月には、移籍情報に精通しているファブリツィオ・ロマーノ記者が、リバプールが板倉に関心を持っていると伝えていた。

 板倉は、アジアカップ準々決勝イラン代表戦で精細を欠き、PK献上などで敗戦の一因になってしまった。だが、チームに安定感をもたらしていたバーレーン代表戦のパフォーマンスが本来の姿のはず。悔しさをバネにさらに進化してもらいたいところだ。

●5位:堂安律

生年月日:1998年6月16日(25歳)
最新市場価値:1800万ユーロ(約25.2億円)
所属クラブ:フライブルク(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:16試合1得点1アシスト

 日本代表の10番を背負う堂安律は、1800万ユーロ(約25.2億円)の市場価値でチーム5位だ。

 堂安は2017年夏加入したオランダのフローニンゲンで注目を集め、2019年には市場価値が1000万ユーロ(約14億円)に到達した。しかし、同年夏にPSVへ移籍すると、2019/20シーズンはリーグ戦19試合出場で2得点1アシストと苦しみ、市場価値を落としている。

 それでも、2020/21シーズンのビーレフェルトへのレンタルを経て、PSVで活躍するようになって再び評価を高めると、2022年夏のフライブルク移籍でさらに飛躍した。右ウイングで定位置を手にした堂安の市場価値は再浮上し、現在は自身最高額だ。

 2022/23シーズンのブンデスリーガで5得点6アシストを記録した堂安は、今季ここまで1得点1アシストと、数字的なインパクトはない。それでも、13試合で先発起用されており、監督の信頼の厚さがうかがえる。チームメートも堂安の抜群のキープ力に期待してボールを預けるシーンが多く、得点関与に表れないところで評価されている様子だ。

 堂安はアジアカップで全試合に出場した。第3戦以降は先発でピッチに立ち、バーレーン代表戦ではゴールを決めている。25歳と若く、さらに市場価値を高める可能性があるはずだ。

●4位:伊藤洋輝

生年月日:1999年5月12日(24歳)
最新市場価値:2200万ユーロ(約30.8億円)
所属クラブ:シュツットガルト(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:12試合0得点2アシスト

 日本代表の左サイドバックを担当する伊藤洋輝は、近年の活躍で市場価値を2200万ユーロ(約30.8億円)まで高めている。

 2022/23シーズンにシュトゥットガルトで主に3バックの一角を務めた伊藤は、シーズン終盤の監督交代に伴って左サイドバックを担当するようになった。188cmの長身で競り合いに強く、もともと守備面に不安はない。さらに、得意の左足から繰り出されるロングフィードも魅力で、攻撃の起点としても期待できる。

 シュトゥットガルトは現在、ドイツ・ブンデスリーガで3位につけている。その強豪チームの不動のレギュラーである伊藤の市場価値が高くなるのは自然なことだろう。

 アジアカップでは、守備で軽い対応も散見されたが、果敢な攻撃参加から精度の高いクロスボールを入れるシーンもあった。左サイドバックは中山雄太も起用されており、伊藤は不動のレギュラーという状況ではないだけに、アピールしたい気持ちも強く持っているはずだ。

●3位:冨安健洋

生年月日:1998年11月5日(25歳)
最新市場価値:3000万ユーロ(約42億円)
所属クラブ:アーセナル(イングランド)
23/24リーグ戦成績:12試合1得点1アシスト

 冨安健洋は、日本代表のDFとして最高額の3000万ユーロ(約42億円)という市場価値が付いている。

 日本代表の守備の柱である冨安は、対人能力が高いだけでなく、全体をコントロールする統率力も高い。アジアカップ第2戦のイラク代表戦では後半スタートから投入されると、下がりがちになっていたディフェンスラインを一気に上げ、戦術面でもチームに大きな影響を与えている。さらに、足元も正確で、並のセンターバックであればおおざっぱに蹴り出してしまいたくなるボールを味方につなげることができる。

 冨安は所属するアーセナルで主にサイドバックを担当している。それも、左右どちらもこなすことが可能だ。センターバックでもサイドバックでも、そのときにチームが求めていることを把握するインテリジェンスと、それをこなせる能力がある。アジアカップ準々決勝のイラン代表戦は後半にかなり押し込まれたが、冨安がいなければもっと早く守備が決壊していても不思議ではなかった。

●2位:三笘薫

生年月日:1997年5月20日(26歳)
最新市場価値:5000万ユーロ(約70億円)
所属クラブ:ブライトン(イングランド)
23/24リーグ戦成績:17試合3得点5アシスト

 三笘薫ほど急激に市場価値を高めた選手は、世界的にみても稀だろう。2022年夏に250万ユーロ(約3.5億円)だった市場価値が、1年半で5000万ユーロ(約70億円)になっている。

 三笘はベルギーのユニオン・サン=ジロワーズで1シーズンを過ごしたあと、2022年夏にブライトンに加入した。プレミアリーグ1年目の22/23シーズンは、自慢の高速ドリブルで相手の守備を破壊し、7得点6アシストの大活躍で市場価値を一気に高めている。

 三笘は、23/24シーズンのプレミアリーグで9月24日のボーンマス戦以降得点がなかった。また、昨年末に足首を負傷して、アジアカップのグループリーグではベンチに入れず、不安要素もあった。だが、ラウンド16のバーレーン代表戦で復帰すると、いきなり切れ味抜群のドリブル突破を披露している。

 復帰後すぐにインパクトを残せることを考えると、三笘がアジア屈指のドリブラーであることは間違いない。今後のクラブでの活躍にも期待できそうだ。

●1位:久保建英

生年月日:2001年6月4日(22歳)
最新市場価値:6000万ユーロ(約84億円)
所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
23/24リーグ戦成績:18試合6得点3アシスト

 日本代表でトップの市場価値を誇るのは、22歳の久保建英だ。最新の市場価値は6000万ユーロ(約84億円)となっている。

 久保は2022年夏にレアル・マドリードを離れてレアル・ソシエダに加入し、2022/23シーズン後半戦にブレイクした。ラ・リーガでシーズン9得点7アシストを記録している。市場価値はソシエダ加入時が650万ユーロ(約9.1億円)で、2023年夏には2500万ユーロ(約35億円)となった。2023/24シーズンに入っても、ソシエダの核としての活躍を続けて一時的なブレイクではないことを証明し、12月のアップデートで6000万ユーロになっている。

 アジアカップではグループリーグ第2戦から先発で出場しており、あらゆるエリアに顔を出してプレーに絡み、ますます攻撃の中心らしくなってきた。また、セットプレーで質の高いボールを供給し続けていたことも重要なポイントと言えるだろう。

 22歳の久保は、まだ市場価値を高める可能性が十分にある。現在は韓国代表のキム・ミンジェと同じ市場価値だが、単独でアジア最高額の選手に上り詰めるポテンシャルを持った“日本の至宝”だ。

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