サッカー日本代表、予想スタメン全選手紹介&フォーメーション。中2日のイラン戦で変更するのは?【アジアカップ2023】

【写真:Getty Images】

●ゴールキーパー

サッカー日本代表は3日、AFCアジアカップカタール2023準々決勝でイラン代表と対戦する。前の試合で旗手怜央と板倉滉が負傷、伊東純也のチーム離脱が決まる中、前回大会準決勝と同じカードに日本代表はどのようなメンバーを起用するのか。予想スタメンとフォーメーションを紹介する。
---------------------------------------------------------------------------------

<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/03/post530045/6/" target="_blank" rel="noopener">【画像】日本代表、イラン戦の予想フォーメーション</a>

GK:鈴木彩艶(背番号23)
生年月日:2002年8月21日(21歳)
所属クラブ:シントトロイデン(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:16試合26失点
日本代表通算成績:8試合6失点

 大会前まではデビューから4試合連続無失点を記録していたが、今大会では失点に絡む試合が続いている。昨年最も多くの試合に出場した大迫敬介は昨年12月に右手舟状骨骨折の手術を受けており、今大会では大迫の不在が響いている。

 今大会のベスト8に残ったチームの中で、クリーンシートがないのは韓国代表と日本代表だけ。ただ、ベトナム代表戦やバーレーン代表戦などの失点のように、日本代表はセットプレーの守備に課題を抱えている。GKとフィールドプレーヤーとの連係に問題があり、鈴木個人の問題だけで失点数の多さを語ることは難しい。

 そういった点が考えると、ここでGKを替えることは難しいだろう。前川黛也は日本代表で先発出場した経験がなく、左手首の負傷を抱えたままカタールに乗り込んだ野澤大志ブランドンは出場ゼロ。3人の中では鈴木がベターの選択で、引き続き鈴木が起用される可能性が高い。

<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/03/post530045/" target="_blank" rel="noopener">日本代表、イラン戦予想スタメン全選手紹介</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/03/post530045/2/" target="_blank" rel="noopener">日本代表、イラン戦予想スタメン紹介【DF】</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/03/post530045/4/" target="_blank" rel="noopener">日本代表、イラン戦予想スタメン紹介【MF】</a>

DF:冨安健洋(背番号22)
生年月日:1998年11月5日(25歳)
所属クラブ:アーセナル(イングランド)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点1アシスト
日本代表通算成績:40試合1得点2アシスト

 冨安健洋がピッチでチームに与える影響は絶大だった。昨年12月に左ふくらはぎを負傷していた冨安は、実戦復帰となった31日のリーグ戦で足首を負傷し、年明けの日本代表合流後は別メニュー調整が続いていた。グループステージ第1節ではベンチから外れたが、第2節では後半開始からピッチに立ち、第3節、ラウンド16と2試合続けて先発出場している。

 プレミアリーグの強豪アーセナルでプレーする冨安は、日本代表に高い基準をもたらす。第3節の試合後には「やるべきことをやってないから内容も伴わない」と話すなど、チームへの要求も必然的に高くなる。久保建英も第3節の後に「冨安選手に行けと言われたら行かないといけない」と話しており、冨安がいることによる影響力の高さをうかがい知ることができる。

 メフディ・タレミは日本代表戦で出場停止となるが、サルダン・アズムンら強力なアタッカーを揃えるイラン代表を抑えるためには、冨安の力が必要だ。守備はもちろん、ラウンド16の先制ゴールにつながったような質の高いパス、そして今大会で冨安が「自分に課している」という得点に絡む活躍も含め、背番号22にかかる期待は大きい。

DF:町田浩樹(背番号15)
生年月日:1997年8月25日(26歳)
所属クラブ:ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:17試合0得点0アシスト
日本代表通算成績:8試合0得点0アシスト

 センターバックの一角には町田浩樹が起用されると予想している。というのも、ラウンド16のバーレーン代表戦終盤に板倉滉が相手選手との接触で左脚を負傷している。試合後には「打撲だと思う」、2日には「大丈夫」と話していたが、万全の状態でなければ起用を見送る可能性がある。今大会で森保一監督は選手のコンディションの見極めに慎重で、その姿勢を貫く可能性は高い。

 町田がこれまで日本代表で出場したのはわずか8試合だが、そのほとんどの試合で高いクオリティを見せており、出場した試合はこれまで負けなし。板倉や冨安の影に隠れることも多いが、ベルギーリーグで首位を独走するロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズで主力を務め、UEFAヨーロッパリーグというハイレベルな舞台も経験済みである。

 今大会ではグループステージ第3節で先発起用されて勝利に貢献し、ラウンド16では途中出場で3バックの一角に入り、クローザーとしてチームを勝利に導いた。対人守備能力の高さとカバーリング能力の高さは、板倉や冨安にも決して劣らない。出番が来ればこれまでのように活躍してくれるはずだ。

DF:毎熊晟矢(背番号16)
生年月日:1997年10月16日(26歳)
所属クラブ:セレッソ大阪
2023リーグ戦成績:31試合1得点2アシスト
日本代表通算成績:7試合0得点2アシスト

 2022年のFIFAワールドカップ以降に右サイドバックのファーストチョイスとして定着しつつあった菅原由勢は今大会で良さを発揮できずに苦しんでいる。その一方で、菅原に代わってグループステージ第3節から2試合続けて先発起用された毎熊晟矢は自信の持ち味を活かしている。

 ラウンド16では攻撃面での特徴がいかんなく発揮された。中央に絞った位置で遠藤航からパスを受けて右足を振り抜くと、シュートがポストに直撃して跳ね返りを堂安律が押し込んだ。さらに、上田綺世の動き出しに合わせて正確なパスをつけ、上田のゴールをアシスト。2得点に絡む活躍を見せたのだった。

 アジアではシンプルなフィジカル勝負を挑まれるケースも多いが、毎熊は先発した2試合のデュエルで21戦14勝(データサイト『Sofasocore』を参照)と大きく上回っている。攻撃面では久保建英や堂安律との相性も良く、今大会では今後もこのセットが中心となりそうだ。

DF:中山雄太(背番号19)
生年月日:1997年2月16日(26歳)
所属クラブ:ハダースフィールド(イングランド)
23/24リーグ戦成績:19試合0得点1アシスト
日本代表通算成績:22試合0得点2アシスト

 グループステージ第1節、第2節と伊藤洋輝が左サイドバックでプレーしたが、第3節、そしてラウンド16では中山雄太が先発起用されている。どちらも所属クラブでは主力の1人で、頼もしい活躍を見せているが、今大会では中山の方がいいパフォーマンスを見せていると言えるだろう。

 2022年11月にアキレス腱を断裂し、直後のFIFAワールドカップカタール2022出場を断念したが、昨夏に実戦復帰して10月に日本代表にも戻ってきた。クラブでは3バックの左を主戦場に、左ウイングバックや中盤でプレーすることもあり、持ち前のポリバレントさをいかんなく発揮して、タフなEFLチャンピオンシップを舞台に活躍している。

 中山の貢献は数字に表れにくい。それでも、相手の嫌がるプレーを探り当てて選ぶ能力が高く、味方の特徴を引き出すのがうまい。バーレーン代表戦の先制ゴールのシーンでも中山の絶妙なポジショニングから相手の守備ブロックを日本代表の左サイドに寄せた結果として、毎熊晟矢のミドルシュートから堂安律のゴールが生まれた。特徴を持った選手の多い日本代表というチームが輝くためにも、中山という潤滑油は必要不可欠になる。

MF:遠藤航(背番号6)
生年月日:1993年2月9日(30歳)
所属クラブ:リバプール(イングランド)
23/24リーグ戦成績:15試合1得点0アシスト
日本代表通算成績:59試合3得点4アシスト

 遠藤航はここまで日本代表のフィールドプレーヤーで唯一、今大会でフル出場している。それだけ信頼の厚さを感じさせるだけに、バーレーン代表戦以上に厳しい戦いが予想されるイラン代表戦の先発メンバーにも名を連ねるはずだ。

 グループステージ第3節では警告を受けており、もう1枚イエローカードをもらうと出場停止となる。そのため、ラウンド16のバーレーン代表戦ではカードをもらわないように気をつけていたという。イラン代表戦でもカードをもらわないに越したことはないが、優勝候補でもあるイラン代表との一戦に遠藤を温存するという選択肢はないだろう。

 今大会では4試合連続で失点しているが、チームの連係は試合を経るごとに成熟してきており、アンカーでプレーする遠藤はそれを肌で感じている。ここからは中2日、中3日の過密日程となるが、2018年のヨーロッパ移籍後、長期離脱もほとんどなくピッチに立ち続けてきた遠藤に休養は不要だろう。

MF:守田英正(背番号5)
生年月日:1995年5月10日(28歳)
所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル)
23/24リーグ戦成績:14試合1得点3アシスト
日本代表通算成績:31試合2得点3アシスト

 グループステージ第3節では旗手怜央が先発で起用され、中盤で持ち味を見せていた。しかし、ラウンド16のバーレーン代表戦では先制直後に右ふくらはぎを負傷して後退を余儀なくされた。そのため、イラン代表戦ではラウンド16で旗手に代わって投入された守田が3試合ぶりに先発に復帰するだろう。

 なかなかチームが軌道に乗らなかった今大会最初の2試合では、守田自身もいいパフォーマンスを見せることができなかったが、その反省はすでに消化済み。ラウンド16では前半途中という難しい場面での投入だったが、違和感なくピッチに入ることができた。こういった戦術理解能力の高さがこそが守田の持ち味でもある。投入される前にも冨安健洋にアドバイスを送るなど、チームのために働く献身性もある。

 潤滑油的に動くのを得意とする一方で、自らアクションを起こしたときの迫力も魅力。バーレーン代表戦では機を見て攻め上がるシーンでチャンスを作るなど、攻撃面にも特徴を持っており、練習ではFW顔負けのミドルシュートを何度もたたきこんでいる。遠藤とともに中盤を支える頭脳は、イラン代表戦でどう機能するのだろうか。

MF:久保建英(背番号20)
生年月日:2001年6月4日(22歳)
所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
23/24リーグ戦成績:18試合6得点3アシスト
日本代表通算成績:33試合4得点7アシスト

 ラ・リーガ屈指のアタッカーに成長した22歳は、アジアカップでもその実力を証明している。チームはレアル・ソシエダでの過密日程も考慮しており、決勝に向けて徐々にコンディションが上がっていくように配慮しているようだ。初戦は途中出場で、徐々に出場時間を伸ばしており、パフォーマンスも試合ごとに向上している。初戦のベトナム代表戦では投入直後にアシスト、ラウンド16のバーレーン代表戦ではゴールと、結果もしっかりと残している。

 右ウイングを務めるソシエダとは役割が異なり、今大会ではトップ下で起用されることが多い。優れたウイングプレーヤーを多く擁する日本代表では様々なエリアに顔を出してボールを触ってチャンスを作っていくプレーが多い。2023年以降は3得点7アシストと、代表ではアシスト数が上回っているのはそうした役割の違いを表している。

 三笘薫がグループステージで不在、伊東純也も第3節から欠場して準々決勝以降は離脱する。久保へのマークは必然的に厳しいが、ラ・リーガで結果を残し続ける久保にとってはそれほど厳しいものではないのかもしれない。チームトップの6000万ユーロ(約84億円)の市場価値(データサイト『transfermarkt』を参照)を持つレフティーがイラン代表に襲い掛かる。

FW:堂安律(背番号10)
生年月日:1998年6月16日(25歳)
所属クラブ:フライブルク(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:16試合1得点1アシスト
日本代表通算成績:46試合8得点7アシスト

「ゴールを目指していますけど、それよりも優勝したい」。バーレーン代表に勝利して準々決勝進出を決めた試合後に先制ゴールを決めた堂安律はそう言う。背番号10が点を取ることについて「10番が取るというより、僕が取るとなる(盛り上がる)と思う」と笑った。

 チームにおける堂安の重要性は大会が進むにつれて高まっている。グループステージ第1節、第2節と先発の座を伊東純也に譲ったが、第3節から2試合続けて先発している。第3節では上田綺世のゴールをアシスト、ラウンド16ではポストを叩いた毎熊晟矢のミドルシュートの跳ね返りを詰めてゴールネットを揺らした。伊東がチームを離脱したことで、堂安へかかる期待はより一層高くなるはずだ。

 相手に寄せられてもボールを失わないキープ力と、一発で状況を打開できる左足のキック、そして高い位置から相手を寄せて奪いきる守備力。日本代表が理想とするゲームを支配するサッカーを表現するうえで、堂安は不可欠になっている。準々決勝以降もそのビッグマウスで自身にプレッシャーをかけつつ、ピッチではプレーで実力を証明する。

FW:上田綺世(背番号9)
生年月日:1998年8月28日(25歳)
所属クラブ:フェイエノールト(オランダ)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点0アシスト
日本代表通算成績:22試合10得点0アシスト

 対戦相手となるイラン代表のサルダル・アズムンとメフディ・タレミはアジア最強のFWの1人だが、上田綺世もそれに匹敵する存在と言っていいだろう。

 昨季はサークル・ブルッヘで公式戦23得点をマーク。今季加入したフェイエノールトではリーグ戦19戦19得点と圧倒的な活躍を見せるサンティアゴ・ヒメネスの影に隠れ、ここまで1得点と結果を残すことができていないが、日本代表では直近6試合で9得点とゴールネットを揺らし続けており、今大会ラウンド16までにおける得点ランキングでは2位タイにつけている。

 豊富なフィニッシュパターンを持ち、どこからでもゴールを狙うことができる。バーレーン代表戦ではコーナーキックを頭で合わせてゴールを脅かすシーンもあり、ゴールシーンのように軽やかな身のこなしでゴールに迫ることもあれば、力強いポストプレーで攻撃の起点となることもできる。優勝候補に数えられるイラン代表との一戦はこれまでの相手より強力だが、上田の力と技をもってすればゴールネットを揺らすことができるはずだ。

FW:中村敬斗(背番号13)
生年月日:2000年7月28日(23歳)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:12試合2得点1アシスト
日本代表通算成績:8試合6得点0アシスト

 1月31日のラウンド16では三笘薫が68分から出場し、約6週間ぶりの実戦復帰を果たした。「次の試合に向けたいい準備になった」と振り返りつつ、状態については「まだまだ全然。上げないといけない」と述べており、徐々にパフォーマンスレベルは上がっていくことになりそうだ。その点も踏まえると、三笘をイラン代表戦で長時間プレーさせるのはリスキーで、中村敬斗が引き続き先発に名を連ねることになりそうだ。

 昨年3月の日本代表デビューから6戦6発とゴールを決め続け、今大会初戦のベトナム代表戦では観る者を驚かす美しいミドルシュートを決めた。直近2試合は不発だが、決して調子が悪いわけではない。先制ゴールに絡む場面もあり、左サイドで相手を引き付けることで周りを活かす場面もある。

 今大会では3試合に先発しているが、いずれも70分までに交代している。90分持たないことは決してネガティブなことではなく、立ち上がりからフルスロットルで相手に襲い掛かり、三笘ら控え選手にバトンタッチすることがミッション。イラン代表戦ではそのミッションの過程でゴールに絡むことができれば、日本代表にとっては理想的な展開になるだろう。

<a href="https://www.footballchannel.jp/japan-schedule-samurai-blue/" target="_blank" rel="noopener">日本代表、イラン戦のTV放送・配信予定・キックオフ時間は?</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/03/post530089/" target="_blank" rel="noopener">【サッカー日本代表スタメン案】イラン戦で三笘薫は先発? 伊東純也離脱の右サイドには?【アジアカップ2023】</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/01/post529837/" target="_blank" rel="noopener">英国人が見たサッカー日本代表「驚いた!」「鈴木彩艶はまた…」「浅野拓磨は少し…」</a>

ジャンルで探す