最高額は誰だ! サッカー日本代表、最新市場価値ランキング11〜20位。アジアカップで屈辱を味わった男たち

【写真:Getty Images】

 サッカー日本代表は、AFCアジアカップカタール2023(アジア杯)の準々決勝でイラン代表に敗れて大会から姿を消した。今大会の日本代表メンバーで最も市場価値が高いのは誰なのか。今回は、データサイト『transfermarkt』が算出したデータをもとに、市場価値ランキングを紹介する。(※金額が並んだ場合はサイトに準拠。データは2月4日時点)
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●20位:谷口彰悟

生年月日:1991年7月15日(32歳)
最新市場価値:150万ユーロ(約2.1億円)
所属クラブ:アル・ラーヤン(カタール)
23/24リーグ戦成績:12試合0得点0アシスト

 谷口彰悟は川崎フロンターレで長く活躍したあと、2023年1月にカタールのアル・ラーヤンへ加入した。アジアカップを戦った日本代表では最年長の32歳だ。2019年に市場価値が250万ユーロ(約3.5億円)まで上昇した谷口は、その後年齢の影響もあって、現在は150万ユーロ(約2.1億円)まで下落している。

 アジアカップでは初戦のベトナム代表戦にフル出場し、第2戦のイラク代表戦は前半のみの出場だった。この試合の後半から出場した冨安健洋が復帰すると出番はなくなったが、経験値と安定感はチーム屈指で、頼れるベテランだ。

 冨安らヨーロッパのトップレベルで戦うほかのセンターバックと比べると突出した能力に欠ける印象だが、それでも対人能力、判断力、攻撃時の縦パスと、どれをとっても一定以上のレベルにあり、日本代表にとって重要な選手の1人であることは間違いないはずだ。

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●19位:細谷真大

生年月日:2001年9月7日(22歳)
最新市場価値:160万ユーロ(約2.2億円)
所属クラブ:柏レイソル
2023リーグ戦成績:34試合14得点0アシスト

 パリ五輪(パリ・オリンピック)世代の細谷真大は、アジアカップに臨んだ日本代表の国内組5人の中で最高額の160万ユーロ(約2.2億円)という市場価値が付いている。

 細谷は身長178cmで、センターフォワードとして決して大柄というわけではない。それでも、フィジカルの強さを活かして前線でボールを収めることができ、ゴール前の密集でも存在感を示す。また、自身で抜け出すスピードも抜群で、柏レイソルのエースとして様々な仕事をしてきた。

 アジアカップでは、グループリーグ初戦のベトナム代表戦で先発に抜擢された。その事実からも森保一監督の期待は高いことがうかがえるが、起用にパフォーマンスで応えることができず。全くといっていいほどボールを引き出す動きができず、ハーフタイムに交代を命じられた。その後は準々決勝のイラク代表戦の終盤に投入されたのみで、日本代表定着からは一歩後退したかもしれない。

●18位:浅野拓磨

生年月日:1994年11月10日(29歳)
最新市場価値:400万ユーロ(約5.6億円)
所属クラブ:ボーフム(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:16試合5得点1アシスト

 浅野拓磨は、アジアカップのグループリーグ第2戦・イラク代表戦に先発したものの、好印象を残せなかった。だが、クラブでは好調で、市場価値は自身最高額の400万ユーロ(約5.6億円)となっている。

 今季の浅野は、ブンデスリーガで16試合に出場して5得点を挙げている。ボーフムで過ごした過去2シーズンは、どちらもシーズン3得点どまりで、今季はすでにこの数字を超えた。

 その活躍も影響し、ボーフムと契約した2021年7月時点で300万ユーロ(約4.2億円)だった市場価値は400万ユーロまで上昇した。一般的に市場価値が下がり始める年齢で価値を高めているところだ。

 残留争いをしていた2022/23シーズンのブンデスリーガ最終節・レバークーゼン戦では、1得点1アシストの大活躍を見せて、ボーフムを自動残留に導いた。大一番で勝負強さを見せる浅野は、得点数以上のインパクトを残している選手と言えるかもしれない。

●17位:渡辺剛

生年月日:1997年2月5日(27歳)
最新市場価値:600万ユーロ(約8.4億円)
所属クラブ:ヘント(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:21試合2得点2アシスト

 渡辺剛は、アジアカップの出場がグループリーグ第3戦・インドネシア代表戦の8分間のみだったが、ヨーロッパで着実に市場価値を高めているセンターバックだ。

 FC東京でプロデビューした渡辺は、2021年にベルギーのコルトレイクに加入し、すぐに定位置を獲得。ベルギーで評価を高めた。昨年夏にはヘントに移籍して、ベルギー国内でステップアップしている。ヨーロッパの屈強なFWにも屈しないフィジカルを武器に、新天地でもレギュラーに定着した渡辺は、最新の市場価値が600万ユーロ(約8.4億円)となっている。

 日本代表でなかなか出られないのは、冨安健洋板倉滉と比較してややスピードに欠けるところがあるからかもしれない。また、ビルドアップの精度が抜群ということでもないため、日本代表でポジションをつかむにはもう少しインパクトが求められそうだ。

●16位:町田浩樹

生年月日:1997年8月25日(26歳)
最新市場価値:600万ユーロ(約8.4億円)
所属クラブ:ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:17試合0得点0アシスト

 町田浩樹は、この半年間で市場価値を急激に高めた選手だ。昨年6月に200万ユーロ(約2.8億円)だったところから、3倍になっている。

 その大きな要因は、所属するユニオン・サン=ジロワーズで定位置を確保したことだろう。町田は2022年1月からベルギーでプレーしているが、負傷で出遅れた2022/23シーズンはリーグ戦7試合の出場にとどまっていた。それでも今季はレギュラーとしてピッチに立っており、市場価値も上昇している。

 身長190cmの町田は、対人守備に圧倒的な強さを見せるセンターバックで、屈強な外国人選手にも競り負けないフィジカルが特徴的だ。アジアカップではグループリーグ第3戦のインドネシア代表戦でフル出場し、ラウンド16のバーレーン代表戦でも終盤に投入された。

 これからさらに飛躍を目指す上で、攻撃時の貢献には課題があるかもしれない。日本代表でまだ得点がないことは出場試合数を考えると仕方ないとしても、ユニオン・サン=ジロワーズでも得点が少ないのは気になるところだ。攻撃のセットプレーでの存在感が増せば、クラブでも代表でもより相手にとって怖い選手になれるかもしれない。

●15位:前田大然

生年月日:1997年10月20日(26歳)
最新市場価値:650万ユーロ(約9.1億円)
所属クラブ:セルティック(スコットランド)
23/24リーグ戦成績:17試合3得点2アシスト

 前田大然はヨーロッパで市場価値を高め続けており、現在は650万ユーロ(約9.1億円となっている。

 前田は横浜F・マリノスに所属していた2021シーズンにJ1・36試合出場で23得点を記録し、2022年1月にセルティックへ移籍した。当時の市場価値は110万ユーロ(約1億5400万円)で、約2年で市場価値をほぼ6倍にしたことになる。

 2022/23シーズンのリーグ戦で前田は8得点を記録した。ある程度の結果を残しているとはいえ、横浜FM時代ほどのインパクトはない。それでも、コンスタントに起用されているのは、チームにとって有益な存在だからだろう。

 アジアカップ準々決勝のイラン代表戦でも、前田の貢献は光っていた。前田の先発起用には懐疑的な見方もあったが、いざ試合が始まると、抜群の存在感を放っている。特に攻撃から守備の切り替えが見事で、周囲が少しでも足を止めていると、前田がプレスバックしていた。現代サッカーにおいてトランジションは非常に重要な要素であり、それを高速でこなせる前田は、起用する監督にとって大事な選手だろう。

●14位:上田綺世

生年月日:1998年8月28日(25歳)
最新市場価値:900万ユーロ(約12.6億円)
所属クラブ:フェイエノールト(オランダ)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点0アシスト

 アジアカップで最も株を上げた日本代表選手の1人と言える上田綺世は、最新の市場価値が900万ユーロ(約12.6億円)だ。

 上田はグループリーグの第1戦と第2戦でベンチスタートだったが、第3戦以降の3試合は先発起用された。初戦のベトナム代表戦で後半から起用されて1得点を記録すると、第3戦のインドネシア代表戦では先発起用に応えて2得点。チーム3点目は記録上オウンゴールだが、ほとんど上田のゴールであり、実質ハットトリック達成と言える働きだった。さらにラウンド16のバーレーン代表戦でも1得点を決め、日本代表のエースとして十分な働きを見せた。

 ヨーロッパでも市場価値を高めている上田だが、所属するオランダのフェイエノールトでは、難しい状況だ。ここまでリーグ戦13試合に出場しているものの、得点はわずか1となっている。先発起用がないのは、メキシコ代表FWのサンティアゴ・ヒメネスがいるためだ。こちらはリーグ戦20試合出場で19得点を挙げている大エースであり、ヨーロッパのビッグクラブが関心を持っていると言われる才能だ。

 それでも、上田はセンターフォワードの2番手として扱われており、チャンスがないわけではない。アジアカップでそうしたように、限られたチャンスで結果を出せば、ピッチに立つ時間が増えていくかもしれない。

●13位:中村敬斗

生年月日:2000年7月28日(23歳)
最新市場価値:1000万ユーロ(約14億円)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:12試合2得点1アシスト

 中村敬斗は1000万ユーロ(約14億円)の市場価値で、これからさらなる上昇が期待できる23歳の若手だ。

 中村は2018年にガンバ大阪でプロとしてのキャリアを始めると、1年半後の2019年夏にヨーロッパへ渡った。オランダのトゥエンテ、ベルギーのシント=トロイデンでのプレーを経て、2021年冬にオーストリアのLASKリンツに加入している。まずセカンドチームにあたるFCジュニアーズで経験を積むと、LASKに昇格して、2022/23シーズンは14得点7アシストとブレイクし、昨年夏に移籍金1200万ユーロ(約16.8億円)でスタッド・ランスに加わった。

 アジアカップでは、3試合に出場して、初戦のベトナム代表戦では華麗にゴールも決めた。ケガを抱えて合流した三笘薫が万全のコンディションでなかった影響で起用された形ではあるが、柔らかいボールタッチと抜群のフィニッシュワークで先発起用に応えるパフォーマンスをしていた。

 昨年3月にA代表デビューを果たした中村は、8試合で6得点と、日本代表で結果を残しており、今後のさらなる飛躍が期待できそうだ。

●12位:伊東純也

生年月日:1993年3月19日(30歳)
最新市場価値:1000万ユーロ(約14億円)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:17試合2得点4アシスト

 アジアカップの日本代表メンバーで12位の市場価値を誇るのは伊東純也だ。

 2019年冬にベルギーのヘンクに加入した伊東は、ベルギー1部リーグで2020/21シーズンに10得点13アシストを記録し、市場価値は800万ユーロ(約11.2億円)に上昇した。翌2021/22シーズンには8得点15アシストを記録し、2022年夏にフランスのスタッド・ランスに移籍している。

 フランス1部リーグ初挑戦となった2022/23シーズンに35試合に出て6得点5アシストを記録すると、市場価値は自身最高額の1000万ユーロ(約14億円)に到達した。一般的に市場価値が下がり出す年齢で上昇を続けているのは、高評価の表れと言えるだろう。

 アジアカップでは、一部メディアが性加害の疑惑を報じた影響で途中離脱となり、大きなインパクトを残すことはできなかった。それでも、昨年行われた日本代表の10試合中8試合に出場して4得点7アシストという驚異的な数字を残しており、選手としての能力に疑いの余地はない。

●11位:旗手怜央

生年月日:1997年11月21日(26歳)
最新市場価値:1100万ユーロ(約15.4億円)
所属クラブ:セルティック(スコットランド)
23/24リーグ戦成績:8試合2得点2アシスト

 日本代表で11位の市場価値となっているのは、旗手怜央だ。最新の市場価値は1100万ユーロ(約15.4億円)である。

 旗手は、2022年1月に川崎フロンターレからセルティックへ移籍した。当時の市場価値は80万ユーロ(約1.1億円)だったが、すぐに適応してコンスタントに起用されると、2022/23シーズンはリーグ戦27試合に出場している。5得点7アシストを記録しただけでなく、足元の技術が高く、運動量が豊富で、守備のハードワークも怠らないオールラウンダーは、ヨーロッパで評価を高め、1年半で市場価値は1100万ユーロまで上昇した。

 今季前半戦はケガの影響で欠場が続いたことも影響して、12月のアップデートでは変動なしだった。だが、アジアカップ・グループリーグ第3戦のインドネシア代表戦では見事な活躍を披露している。その活躍はチームメイトの守田英正が、「僕の代わりに出た怜央が相当いい動きをしてました」と絶賛していたほどで、日本代表にとっても重要な選手であることは間違いない。

 ラウンド16のバーレーン代表戦での負傷交代は残念だが、コンディションが戻ればさらに市場価値を高める可能性のある選手と言えるだろう。

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