サッカー日本代表、予想スタメン全選手紹介&フォーメーション。バーレーン代表戦、三笘薫の起用は…【アジアカップ2023】

【写真:Getty Images】

サッカー日本代表は31日、AFCアジアカップカタール2023ラウンド16でバーレーン代表と対戦する。冨安健洋や久保建英のようにコンディションを上げている選手たちがいる一方で、ここまで出場がない三笘薫の先発はあるのか。日本代表のスタメンとフォーメーションを予想する。
------------------------------------------------------------------------------------

<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/31/post529617/6/" target="_blank" rel="noopener">【画像】日本代表、バーレーン戦の予想フォーメーション</a>

●ゴールキーパー

GK:鈴木彩艶(背番号23)

生年月日:2002年8月21日(21歳)
所属クラブ:シントトロイデン(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:16試合26失点
日本代表通算成績:7試合5失点

 日本代表のゴールマウスを守る21歳に対する風向きは芳しくないが、鈴木彩艶はチームからの信頼を失っていない。鈴木と遜色ないパフォーマンスを見せられるGKがいれば話は別で、その意味では昨年12月に右手舟状骨骨折の手術を受けた大迫敬介の不在はこの起用に大きく影響しているはずだ。

 大会前までは4試合すべてを無失点で抑えたが、そのほとんどが一方的な試合で、シュートが枠内に飛んでくることがなかった。今大会は3試合で5失点。たしかに鈴木自身に落ち度がなかったと言えば嘘になるが、チームとして課題が露呈したシーンもあり、求められるレベルの高さを考慮する必要もあるだろう。

 今大会は5失点のうちセットプレーからの失点が3を占めている。これまでもセットプレーからの失点は多く、GK個人の問題というよりはチーム全体が問題を抱えているといった表現が正しいだろう。インドネシア代表戦から中6日で迎えるバーレーン代表戦は、クリーンシート(完封)を目指すことになるだろう。

<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/31/post529617/" target="_blank" rel="noopener">日本代表、バーレーン戦予想スタメン全選手紹介</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/31/post529617/2/" target="_blank" rel="noopener">日本代表、バーレーン戦予想スタメン紹介【DF】</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/31/post529617/4/" target="_blank" rel="noopener">日本代表、バーレーン戦予想スタメン紹介【MF】</a>

●センターバック

DF:板倉滉(背番号4)
生年月日:1997年1月27日(27歳)
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:7試合2得点0アシスト
日本代表通算成績:24試合1得点1アシスト

 昨年10月に足首の関節遊離体除去手術を受けた板倉滉は、この大会に照準を合わせて復帰している。ただ、ぶっつけ本番に近い状態だったこともあり、初戦、2戦目のパフォーマンスは、本来の能力からすると物足りないものだろう。ただ、決勝トーナメントに向けてコンディションは上がっているはずだ。

 24日のインドネシア代表戦はベンチ外だった。所属するボルシア・メンヒェングラートバッハは風邪としたが、本人曰くバーレーン代表戦の出場は問題ないようだ。冨安健洋も復帰した厚みを増すディフェンスラインを統率するリーダーシップが求められる。

 バーレーン代表には身長194cmのアブドゥラ・ユスフ・ヘラルと身長192cmのアブドッラー・アル・ハシャシという2人のセンターフォワードがおり、両者ともグループステージでゴールを決めている。空中戦の競り合いで負けないことはもちろんだが、板倉を中心にディフェンスラインをしっかりと押し上げる必要がある。イラク代表戦のように苦しい展開にならないためには、コンパクトな陣形を保ってセカンドボールを回収しなければならない。そういった意味でブンデスリーガでしのぎを削る板倉の力が必要になってくるはずだ。

DF:冨安健洋(背番号22)
生年月日:1998年11月5日(25歳)
所属クラブ:アーセナル(イングランド)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点1アシスト
日本代表通算成績:39試合1得点2アシスト

 キャプテンシーという言葉に集約できるかは分からないが、冨安健洋がピッチに立ったことで日本代表はギアが1段階上がった。イラク代表戦では後半開始からの出場だったが、インドネシア代表戦では先発起用された。世界基準の微に入り細を穿つラインコントロールを見せると同時に的確な配球力で日本代表を攻守に渡って支えた。

 身長194cmのアブドゥラ・ユスフ・ヘラルと身長192cmのアブドッラー・アル・ハシャシという2人のセンターフォワードを擁するバーレーン代表との対戦では、必然的にロングボール対策が勝負のポイントになるだろう。そういった意味ではディフェンスラインの積極的な押し上げができる冨安のリーダーシップが必要とされる。ここからは一発勝負で、選手にかかるプレッシャーは大きくなるが、アーセナルで日々世界最高峰の選手たちと対峙している冨安健洋が動じることはないだろう。

 なお、29日の練習では右サイドバックに入る場面もあった。バーレーン代表のようにカウンターアタックをデザインしてくる中東の強豪との対戦が想定される決勝トーナメントでは、状況によって右サイドバック起用も森保一監督の選択肢になるかもしれない。

●サイドバック

DF:毎熊晟矢(背番号16)
生年月日:1997年10月16日(26歳)
所属クラブ:セレッソ大阪
2023リーグ戦成績:31試合1得点2アシスト
日本代表通算成績:6試合0得点1アシスト

 毎熊晟矢今や日本代表の右サイドになくてはならない存在になりつつある。年代別の日本代表には縁がなく、J2でプロキャリアをスタートさせた男は、V・ファーレン長崎で右サイドバックに転向したことで生きる道を見出し、プロ4年目で日本代表にたどり着いている。

 初戦、第2戦で先発した菅原由勢は、カウンターの対応で後手に回るシーンが多く、なかなか攻撃でも良さを出せなかった。3戦目はチーム全体の修正や相手の力量の違いもあったが、毎熊の積極的な攻撃参加が活きる展開となり、堂安律や久保建英との連係からチャンスを作っていた。

 ラウンド16でも、インドネシア代表戦のユニットを踏襲するのではないだろうか。日本代表には全体を見ながらバランスを取れる選手が多く、毎熊の積極的なアクションを影で支える選手もいる。引いて守る相手を崩すには、能動的なアクションが必要で、それがまさにインドネシア代表戦における毎熊の獰猛なアクションだった。練習では冨安健洋を右サイドバックの位置に立たせるプランもあったが、スタート時は毎熊が入ると予想する。

DF:中山雄太(背番号19)
生年月日:1997年2月16日(26歳)
所属クラブ:ハダースフィールド(イングランド)
23/24リーグ戦成績:19試合0得点1アシスト
日本代表通算成績:21試合0得点2アシスト

 初戦と2戦目は伊藤洋輝が左サイドバックでプレーしたが、3戦目では中山雄太が起用された。中山は伊藤ほど積極的に攻め上がることはなかったが、センターバックやボランチとの関係性を俯瞰で感じながら、“いるべき場所”に居続けたことが日本代表の復調につながった。両者のパフォーマンスを比較すると、中山が2試合続けて先発するのではないだろうか。

 2022年11月にアキレス腱を断裂し、直後のFIFAワールドカップカタール2022出場を断念した経緯がある。ただ、その怪我を乗り越えて今夏に実戦復帰を果たし、日本代表にも帰ってきた。センターバックやボランチでもプレーできる能力の高さは魅力で、低い位置からのフィードや精度の高いクロスを備えており、空中戦でも地上戦でも強さを発揮する。デザインされたカウンターを武器にするバーレーン代表に対峙するうえで、中山の存在は必要になるはずだ。

 インドネシア代表戦から中6日で迎えるバーレーン代表戦は、「準備期間もありますし、3試合目よりいい試合ができると思っている。その自信もみんな持っている」と雄弁に話す。冷静に状況を見極めてチームに必要なプレーを導き出す能力の高さは、チームでも屈指のものがある。年代別代表でキャプテンも務めた中山は、影のリーダーとして日本代表の躍進を支える。

●ミッドフィルダー

MF:遠藤航(背番号6)
生年月日:1993年2月9日(30歳)
所属クラブ:リバプール(イングランド)
23/24リーグ戦成績:15試合1得点0アシスト
日本代表通算成績:58試合3得点4アシスト

 ここまで日本代表のフィールドプレーヤーで唯一、今大会でフル出場している遠藤航は、バーレーン代表戦でも先発起用されるだろう。リバプールでは元日までの29日間で9試合出場というハードな日程をこなしてきたが、そこから初戦まで10日以上は実戦から離れている。ここから決勝までは中2日、中3日が続く過密日程だが、コンディションは試合を経るごとに上がっており、決勝トーナメントもフル回転する準備は整っている。

 初戦、2戦目と全体が間延びしたこともあり、遠藤の対人守備の強度は影を潜めたが、ディフェンスラインの押し上げを徹底した第3戦では遠藤の良さが戻っていた。初戦では南野拓実のゴールをアシストし、2戦目では2点を追う状況でコーナーキックからゴールを決めた。リバプールの主力として活躍しているという実績を背負った遠藤は日本代表でも頼もしい活躍を見せている。

 ここまでフル出場しており、3戦目でイエローカードをもらっていることを考えると、早い時間にリードを広げて、遠藤を下げても問題ない試合展開にすることが、日本代表にとっては理想だ。

MF:旗手怜央(背番号17)
生年月日:1997年11月21日(26歳)
所属クラブ:セルティック(スコットランド)
23/24リーグ戦成績:8試合2得点2アシスト
日本代表通算成績:7試合0得点1アシスト

 中盤の一角には旗手怜央の起用が予想される。今大会で背負う17番は川崎フロンターレ時代にプレーした田中碧が日本代表でつけることの多かった番号であり、日本代表としては長谷部誠が長年背負った番号でもある。今大会においては旗手が日本代表の隠れたキーマンになりつつある。

 10月下旬に右ハムストリングを負傷して、約2ケ月に渡って戦線離脱していた。年明けのリーグ戦で復帰し、日本代表に合流。初戦は出場機会がなかったが、2戦目では途中出場し、コーナーキックから遠藤航のゴールをアシスト。3戦目では守田英正に代わって先発起用されている。

 そのインドネシア代表戦では旗手の機転の利いたプレーが光っていた。[4-2-3-1]の陣形でスタートする予定だったが、旗手が高い位置を取る[4-3-3]に修正したことで、トップ下の久保建英や前線の選手との距離感もよくなり、日本代表は試合の主導権を握ることができた。中盤からの飛び出しやミドルレンジからのシュート、精度の高いラストパスといった特徴を持つ旗手は、対アジアにおいてはかなり有効な選択肢になるだろう。

MF:久保建英(背番号20)
生年月日:2001年6月4日(22歳)
所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
23/24リーグ戦成績:18試合6得点3アシスト
日本代表通算成績:32試合3得点7アシスト

 レアル・ソシエダでも日本代表でも試合に出ずっぱりの久保建英だが、ここにきてコンディションは上がっているようだ。3戦目から中6日というスケジュールは、コンディションを整える意味ではプラスに働くはずだ。初戦では84分に出場してすぐさま上田綺世のゴールをアシストし、2戦目では61分、3戦目では82分までプレーしている。

 3戦目ではやや下がり目の「8番」的な役割を担い、広範囲に動きながらボールを動かしていた。試合後に「個人的に前半の出来には満足しています」と振り返ったように、優れたアタッカーが揃う日本代表においては、ソシエダとは違ってゲームメイカー的な振る舞いが有効だろう。それを示す数字として、今季のラ・リーガでは6得点3アシストとゴールが上回るのに対し、2023年以降の日本代表では2得点7アシストとチャンスメイクが際立つ。

 粘り気の強いアル・トゥマーマ・スタジアムの芝はボールタッチの多い久保にとっては扱いにくい環境だが、日本代表にとってバーレーン代表戦がこのスタジアムを使う3戦目ということでうまく順応できるはずだ。

●フォワード

FW:堂安律(背番号10)
生年月日:1998年6月16日(25歳)
所属クラブ:フライブルク(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:16試合1得点1アシスト
日本代表通算成績:45試合7得点7アシスト

 インドネシア代表戦と同じく、右ウイングには堂安律が入ると予想する。初戦、第2戦では伊東純也がこのポジションで起用されたが、これまでの活躍と比較すると物足りなさが否めなかった。第3戦で起用された堂安は久保建英や毎熊晟矢らと流動的にローテーションしながら攻撃の起点となっていた。4バックが予想されるバーレーン代表に対しては、堂安がプレーする右サイドから打開するチャンスは必然的に増えるだろう。

 フライブルクではサイドに張った位置からの打開を求められ、ブンデスリーガでは1得点1アシストとゴールに絡む機会は少ない。ただ、大一番での勝負強さは堂安の魅力。FIFA U-20ワールドカップではU-20イタリア代表から、東京五輪ではU-24メキシコ代表から、FIFAワールドカップカタール2022ではドイツ代表とスペイン代表からゴールを奪った。5年前の前回大会でも2得点を挙げているだけに、今大会でも決定的な仕事に期待がかかる。

 決勝トーナメントを前に髪色を金から銀に変え、先頭モードを1段階上げた。負けたら終わりの一発勝負では、堂安も勝負強さを発揮してくれるはずだ。

FW:上田綺世(背番号9)
生年月日:1998年8月28日(25歳)
所属クラブ:フェイエノールト(オランダ)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点0アシスト
日本代表通算成績:22試合10得点0アシスト

 初戦では途中出場から得点を決め、今大会初先発となった3戦目では2得点を挙げた。この試合では3度ゴールネットを揺らしたが、3点目はオウンゴールとなりハットトリックとはならず。試合後に上田は「ちょっと厳しいっすよね」と苦笑しつつも、勝利できたことの重要性を強調していた。

 昨年11月のFIFAワールドカップ26アジア2次予選から対アジアは5試合で8得点の固め打ち。今季からプレーするフェイエノールトでは出場機会が限られるが、決して調子が悪いわけではない。鹿島アントラーズでもサークル・ブルッヘでもそうだったが、味方が上田の良さを理解していくとともに得点数が伸びていく。日本代表でも初ゴールまで15試合を要したが、そこからの8試合で10得点を挙げている。

 ゴール前の駆け引きに長け、巧妙な動き出しと豊富なフィニッシュパターンこそが上田の魅力だ。負けたら終わりの決勝トーナメントでは、ゴール前の攻防が勝敗を決めるだけに、上田の活躍がより一層重要になる。

FW:中村敬斗(背番号13)
生年月日:2000年7月28日(23歳)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:12試合2得点1アシスト
日本代表通算成績:7試合6得点0アシスト

 連続ゴールは5試合でストップしたが、だからと言って中村敬斗を先発から外すのは難しい。三笘薫はすでに全体練習に合流しており、実戦復帰にも近づいているが、90分プレーできるかどうかは怪しい。森保一監督は選手のコンディションを慎重に見極めているだけに、バーレーン代表戦ではベンチからのスタートになりそうだ。

 そこで期待がかかるのが中村だ。かみ合わせの問題として5バックの相手に対してサイドから崩すのは難しいが、4バックが予想されるバーレーン代表戦では中村にチャンスが回ってくる可能性は高まる。三笘のようにサイドから仕掛けるタイプではないが、ゴールに近い位置でフィニッシュに絡むプレーは三笘に勝る武器だ。右サイドからのクロスに飛び込む動きや、GKが弾いたところを詰める嗅覚も見事で、ベトナム代表戦で見せたようなミドルシュートも得意としている。

 三笘がベンチに控えていることを考えれば、中村には立ち上がりから積極的にゴールを狙うプレーが求められる。結果を残せば残すほど相手のマークは厳しくなるが、リーグ・アンというレベルの高いリーグを日常としている中村は、その包囲網を超える力を持っているはずだ。

<a href="https://www.footballchannel.jp/japan-schedule-samurai-blue/" target="_blank" rel="noopener">日本代表、バーレーン戦のTV放送・配信予定・キックオフ時間は?</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/31/post529674/" target="_blank" rel="noopener">【サッカー日本代表スタメン案】遠藤航は外すべき? バーレーン戦で久保建英をサイドに推す理由【アジアカップ2023】</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/24/post528976/" target="_blank" rel="noopener">英国人が見たサッカー日本代表「冨安健洋は間違いなく…」「プレミアで見たいのは…」「ゴールラッシュは夢?」</a>

ジャンルで探す