サッカー日本代表予想スタメン全選手紹介&フォーメーション。アジアカップ2023イラク戦。トップ下は久保建英か南野拓実か…

【写真:Getty Images】

 サッカー日本代表は19日、AFCアジアカップカタール2023グループリーグ第2節でイラク代表と対戦する。ともに初戦に勝利したチーム同士の対戦となるこの試合に臨む日本代表はどのようなメンバーを起用するのか。先発メンバーとフォーメーションを予想して紹介する。
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GK:鈴木彩艶(背番号23)

生年月日:2002年8月21日(21歳)
所属クラブ:シントトロイデン(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:16試合26失点
日本代表通算成績:5試合2失点

 昨年7月の代表デビューから4試合続けてクリーンシート(無失点)をマークしてきた鈴木彩艶だが、5試合目にして初失点を喫した。ベトナム代表戦で許した2つのゴールはいずれもセットプレーから。特に2失点目は鈴木にとって悔いの残るプレーになっただろうが、どちらもチーム全体のオーガナイズに課題を残すもので、その責任を鈴木1人に背負わせることはできないはずだ。

 練習で見せる能力の高さは、他の2人を大きく上回るものがある。これまではチームとして合わせる時間が限られていたこともあり、その綻びがベトナム代表戦のセットプレーで浮き彫りになってしまったが、それらをこの4日間の準備期間に解消できれば、イラク代表戦では本来の力を発揮することは可能だろう。

 前川黛也、野澤大志ブランドンも控えているが、グループステージ最大の強敵とみられるイラク代表戦は、鈴木にゴールマウスを任せることになるだろう。

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DF:板倉滉(背番号4)

生年月日:1997年1月27日(26歳)
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:7試合2得点0アシスト
日本代表通算成績:23試合1得点1アシスト

 昨年10月に足首を負傷して手術を受けた板倉滉だったが、順調に復帰までのプロセスを踏んできた。元日のタイ代表戦の出場は見送ったが、今大会には間に合っている。

 初戦のベトナム代表戦にフル出場し、冨安健洋不在のディフェンスラインを統率。前半だけで2失点したものの、前半のうちに逆転できたのは、最終ラインでチームをコントロールしていた板倉らの落ち着きと修正力の高さがあってこそだった。イラク代表戦で冨安を起用できるかは分からないが、板倉の存在は日本代表の最終ラインに安定感をもたらしてくれる。

 イラク代表のエース・モハナド・アリはインドネシア代表との初戦でもゴールを決めており、日本代表にとって最も警戒すべき選手の1人になる。高い位置からプレッシャーをかけて全体をコンパクトに保ちながら敵陣で主導権を握る日本代表のサッカーを体現するために、最終ラインで1対1に絶対的な自信を持つ板倉の存在は必要不可欠だ。

DF:冨安健洋(背番号22)

生年月日:1998年11月5日(25歳)
所属クラブ:アーセナル(イングランド)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点1アシスト
日本代表通算成績:37試合1得点2アシスト

 冨安健洋はイラク代表戦が今大会初出場となると予想する。12月2日の試合で左脚を負傷したが、元日の試合で復帰。ただ、この試合で足首を痛めたため、日本代表に合流後は別メニュー調整が続き、14日のベトナム代表戦はベンチ外となっていた。

 ただ、ベトナム代表戦前に全体練習には合流しており、イラク代表戦には出場できる見込み。イラク代表には初戦のインドネシア代表戦でゴールを決めたモハナド・アリをはじめとしてスピードやパワーに長けたアタッカーが多い。冨安のような身体能力と対人守備に長けたセンターバックのパフォーマンスが、日本代表の出来を左右することになるはずだ。

 17日には「ゴールだけじゃなくアシストなどへの貢献のところは、今大会で自分に課している部分でもある」と、得点に絡む意欲を語っていた。チームの大黒柱でもある冨安がイラク代表戦のキーマンになることは間違いない。

DF:毎熊晟矢(背番号16)

生年月日:1997年10月16日(26歳)
所属クラブ:セレッソ大阪
23/24リーグ戦成績:31試合1得点2アシスト
日本代表通算成績:5試合0得点1アシスト

 ベトナム代表戦には菅原由勢が先発したが、伊東純也らに効果的な配球ができず、日本代表の武器でもある右サイドからの攻撃は停滞した。突破を許しかけたシーンでファウルしてイエローカードをもらった菅原は、77分にピッチを後にしている。優勝まで残り6試合を残す長丁場と言うことを加味すると、早い段階で毎熊晟矢を試しておく可能性は低くない。

 プロ入り後に右サイドバックにコンバートされた経歴を持つ毎熊は攻撃センスに長けたサイドバックで。ウイングと連係しながら攻撃の起点になるプレーを得意としている。昨年のミャンマー代表戦や元日のタイ代表戦など、敵陣に押し込む時間が長い展開ではよさを発揮できる一方、カナダ代表戦のように身体能力に優れるウイングとのマッチアップには苦戦する場面も見受けられる。

 イラク代表もアリ・ジャシムという切れ味鋭い突破を武器にするウイングが左サイドで起用することが予想される。ここの1対1で分が悪くなると、日本代表はイラク代表の縦に速い攻撃に苦しむかもしれない。

DF:伊藤洋輝(背番号21)

生年月日:1999年5月12日(24歳)
所属クラブ:シュトゥットガルト(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:12試合0得点2アシスト
日本代表通算成績:14試合1得点1アシスト

 左サイドバックには伊藤洋輝の先発を予想する。中山雄太は13日に全体練習に合流したが、翌日のベトナム代表戦はベンチ外に。17日の練習後には「コンディションは大丈夫」と話していたが、先発起用は第3節以降にずれ込むのではないだろうか。

 Jリーグ時代も含めると、伊藤はこれまでボランチやセンターバックなど様々なポジションを務めてきたが、今季のシュトゥットガルトでは左サイドバックを主戦場としている。1対1の強さや正確なフィードといった本来の持ち味は失っておらず、そこに加えて攻撃参加のタイミングやクロスの精度が向上している。ブンデスリーガ3位のチームでレギュラーを張るにふさわしい活躍を今季は見せている。

 数自体は多くなかったものの、ベトナム代表戦では左サイドの崩しからいい攻撃の形が作れていた。中村敬斗と伊藤洋輝の呼吸も試合を経るごとに合ってきている。6戦6発と得点力の高さを存分に発揮している中村を後方から支援する重要な役割が伊藤には期待される。

MF:遠藤航(背番号6)

生年月日:1993年2月9日(30歳)
所属クラブ:リバプール(イングランド)
23/24リーグ戦成績:15試合1得点0アシスト
日本代表通算成績:56試合2得点4アシスト

 ベトナム代表戦に続いて、中盤には遠藤航が起用されるはずだ。リバプールでは元日までの29日間で9試合に出場するというハードな日程をこなしてドーハに乗り込んでいる。

 大会直前に行われたヨルダン代表とのテストマッチは出場を見送り、14日の初戦ではフル出場。ベトナム代表戦までは2週間弱空いたが、「コンディションはこれから上がっていく」と16日の練習後に話していたように、状態は徐々に上がっていくはずだ。最大7試合の長丁場となる今大会を戦い抜くためにも、遠藤はコンディションを終盤に向かってあげていくことになるだろう。

 ベトナム代表戦では2失点ともに関与してしまったが、個人の問題よりはチーム全体のオーガナイズの問題の方が大きいだろう。ディフェンスラインから最前線までをコンパクトに保ち、試合の主導権を握っていくためには中盤の底でかじを取る遠藤の存在が必要だ。ベトナム代表戦で南野拓実のゴールをアシストしたように、チャンスの起点となる鋭いパスにも期待が集まる。

MF:守田英正(背番号5)

生年月日:1995年5月10日(28歳)
所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル)
23/24リーグ戦成績:14試合1得点3アシスト
日本代表通算成績:29試合2得点3アシスト

 日本代表にとって、イラク代表戦はグループステージ最大の山場になるだろう。昨年のガルフカップ優勝国に油断は禁物で、前線と最終ラインのつなぎ目としてのバランス感覚に長ける守田英正は必要な存在になる。

 守田の強みは臨機応変に自身の役割を変化させられることだ。ダブルボランチの一角として最終ラインの前でパスを配球することも、アンカーとして全体をオーガナイズすることも、インサイドハーフとしてフィニッシュにかかわっていくこともできる。4バックと5バックを併用するイラク代表がどのような形で日本代表戦に臨むかは分からないが、守田がいれば柔軟に対応してくれるはずだ。

 17日のシュート練習ではミドルレンジから精度の高いシュートを何本も決めていた。昨季はポルトガルリーグで6得点を挙げているように、得点力の部分でもイラク代表戦では際立った活躍が見られるかもしれない。

MF:南野拓実(背番号8)

生年月日:1995年1月16日(28歳)
所属クラブ:ASモナコ(フランス)
23/24リーグ戦成績:16試合5得点4アシスト
日本代表通算成績:53試合20得点11アシスト

 ベトナム代表戦では南野拓実が2得点1アシストと大車輪の活躍を見せた。途中出場した久保建英も投入直後に上田綺世のチーム4点目をアシスト。トップ下の起用は悩ましいところだが、イラク代表戦はベトナム代表戦と同じ形でスタートすると予想する。

 所属するASモナコで今季16試合6得点5アシストという素晴らしい結果を残して、南野はカタールに乗り込んだ。16日には29歳の誕生日を迎え、「今が一番いいと思っている」と好調ぶりを実感している。味方を活かすプレーの巧さは久保に分があるが、好調時にここ一番で決めてくれる期待感は南野が上回る。

 イラク代表は組織的にも整備されており、フィジカルでも他の2チームを上回る。リーグアンで身体能力に長けるディフェンダーと対峙してきたからこそ身に着けてきた活躍する術を、イラク代表戦で発揮することはできるだろうか。

FW:堂安律(背番号10)

生年月日:1998年6月16日(25歳)
所属クラブ:フライブルク(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:16試合1得点1アシスト
日本代表通算成績:43試合7得点6アシスト

 ベトナム代表戦では自慢の右サイドの攻撃が停滞し、右ウイングで先発した伊東純也の良さが出る場面は限定的だった。ただ、堂安律が投入された63分以降は右サイドも活性化されたこともあり、イラク代表戦では堂安の先発起用が有力視される。

 スピードを活かした突破力を武器に得点を量産する伊東とは異なり、左利きの堂安は豊富なプレーの選択肢から味方と活かし、活かされる関係性を築く。相手に囲まれてもボールを失わないキープ力でタメを作り、決定的なパスやシュートを差し込む。ミドルレンジからもゴールを狙えるパンチ力のある左足は、引いて守る時間が長くなると予想されるイラク代表に対して効果的だろう。

 前回大会では2得点を挙げたものの、チームを優勝に導くことはできなかった。背番号10をつけて臨む今大会は、文字通りチームを勝たせる活躍が期待される。

FW:上田綺世(背番号9)

生年月日:1998年8月28日(25歳)
所属クラブ:フェイエノールト(オランダ)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点0アシスト
日本代表通算成績:20試合8得点0アシスト

 ベトナム代表戦で先発起用された細谷真大は、良さを発揮できないままハーフタイムで退いた。細谷と交代で後半から出場した上田綺世は85分に久保建英のアシストを受けてダメ押しの4点目を決めている。出場した直近3試合で6得点をマークする上田が、グループステージ最大の山場と目されるイラク代表戦で起用されるはずだ。

 今季加入したフェイエノールトでは公式戦19試合に出場してわずか1得点と、未だ本領を発揮できていない。前半戦だけで公式戦21得点と大活躍のサンティアゴ・ヒメネスの控えに回る機会も多く、出場時間もなかなか伸ばせていないが、日本代表では結果を残している。11月はミャンマー代表戦でハットトリックを達成、シリア代表戦でも2得点を挙げている。

 最後に公式戦に出場したのは昨年12月20日の国内カップ戦で、昨年末の国内合宿では別メニュー調整が続いていた。実戦から遠ざかっていたものの、ベトナム代表戦で“試運転”は済ませた。グループステージ最大の山場となるイラク代表戦でもゴールに絡むことはできるだろうか。

FW:中村敬斗(背番号13)

生年月日:2000年7月28日(23歳)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:12試合2得点1アシスト
日本代表通算成績:6試合6得点0アシスト

 アレッサンドロ・デル・ピエロか、ティエリ・アンリか、フィリペ・コウチーニョか。観る者によって想起される選手は違うかもしれないが、中村敬斗はベトナム代表戦で度肝を抜く素晴らしいゴールを決めた。試合後には友人や家族から祝福のメッセージが届いたという。

 三笘薫はすでに全体練習にも参加しているが、イラク代表戦で先発できるまでコンディションは戻っていない。南野拓実や前田大然らの左サイド起用も選択肢としてはあるが、中村が2戦連続で先発起用されるだろう。5バックで守るベトナム代表戦ではスペースを埋められたこともあり、左サイドからチャンスを作るシーンは少なかったが、左サイドバックの伊藤洋輝との連係で突破するシーンはいくつかあった。連係面でも試合を経るごとに改善しており、より多彩なプレーを繰り出せるようになっている。

 サイドから個の能力で打開できる三笘とは異なり、ボックス近辺で味方に活かされながらゴールを狙う。日本代表では6戦6発とハイペースでゴールを量産しており、必然的にイラク代表戦でも7発目に期待がかかる。

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