サッカー日本代表予想スタメン全選手紹介&フォーメーション。アジアカップ2023初戦ベトナム代表戦、冨安健洋らの起用は?

【写真:Getty Images】

サッカー日本代表は1月14日、AFCアジアカップカタール2023グループリーグ初戦でベトナム代表と対戦する。優勝という目標を掲げる日本代表は、決して落とすことのできない初戦にどのようなメンバーを起用するのか。先発メンバーとフォーメーションを予想して紹介する。
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GK:鈴木彩艶(背番号23)
生年月日:2002年8月21日(21歳)
所属クラブ:シントトロイデン(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:16試合26失点
日本代表通算成績:4試合0失点

 FIFAワールドカップカタール2022を終え、新たなスタートを切った日本代表は、2023年に4人のGKを起用している。ただ、最多の4試合に先発出場した大迫敬介が昨季終了後に右手舟状骨骨折の手術を行い、AFCアジアカップカタール2023出場を断念。今大会では鈴木彩艶が正GKに起用されると予想される。

 16歳で浦和レッズとプロ契約を結んだ鈴木は、各年代の日本代表でもプレーしてきた。18歳だった2021年には飛び級で東京五輪に臨むU-24日本代表にも選出されている。浦和では西川周作という高い壁を超えることはできず、J1リーグでの出場試合数はわずか8試合。ただ、桁外れのポテンシャルを評価したシントトロイデンが昨夏に期限付き移籍で鈴木を獲得している。

 加入から間もなくゴールマウスを任された鈴木は、190cmという恵まれた体躯を活かしたビッグセーブでチームを幾度となく救っている。鈴木の良さはセービング技術のみならず、攻撃の起点となる正確なパントキックやハーフウェイラインまで届くロングスローも魅力だ。ベトナム代表戦も、タイ代表戦のようにセーブを披露する機会は少ないかもしれないが、チームのピンチを救うワンプレーに期待が集まる。

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DF:板倉滉(背番号4)
生年月日:1997年1月27日(26歳)
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:7試合2得点0アシスト
日本代表通算成績:22試合1得点1アシスト

 大会前に負傷して出場が危ぶまれるも、大会直前に復帰する。一昨年のFIFAワールドカップカタール2022と似た状況で板倉滉はAFCアジアカップに臨む。昨年10月に足首を負傷して手術を受けたが、順調に復帰までのプロセスを踏んできた。元日のタイ代表戦は出場を見送ったが、ベトナム代表戦には間に合うとみられる。

 板倉は今や冨安健洋とともに日本代表の守備陣を統率するリーダー格で、昨年3月のコロンビア代表戦ではキャプテンマークを巻いている。正確なキックはもちろん、空中戦、ラインコントロール、ボールを奪い切る能力など、センターバックに求められる資質を、ブンデスリーガという厳しい環境で鍛え上げてきた。

 現在の日本代表は最終ラインが数的同数で対峙し、中盤より前に数的優位を生み出して相手を敵陣に押し込む戦いを好む。その分、日本代表の最終ラインは常にリスクと隣り合わせだ。冨安健洋の出場が不透明な中、板倉にかかる責任は大きい。

DF:谷口彰悟(背番号3)
生年月日:1991年7月15日(32歳)
所属クラブ:アル・ラーヤン(カタール)
23/24リーグ戦成績:12試合0得点0アシスト
日本代表通算成績:24試合1得点1アシスト

 国内外問わず日本代表を優勝候補と考える人は多いだろうが、何が起こるか分からないのがこういった大会の怖さだ。前回大会ではグループリーグ初戦と第3戦は先制を許す苦しい展開を逆転し、準々決勝までは1点差勝利が続いた。一昨年のFIFAワールドカップカタールではドイツ代表、スペイン代表を相手に下馬評を覆す結果を残した日本代表がそれをよく知っているはずだ。

 そういった面で考えると、谷口彰悟の経験値は貴重だ。昨年のワールドカップを知るメンバーもそう多くはないだけに、ワールドカップ後にアル・ラーヤンに移籍してカタールリーグでプレーする谷口の存在は頼もしいばかり。シーズン中であり、欧州や日本からくる他のメンバーと違って気候への順応の心配もないことを踏まえて考えても、大事な初戦を任される可能性は高い。

 昨年のミャンマー代表戦やタイ代表戦のように、ベトナム代表戦もハーフコートゲームの時間が長くなるだろう。カウンターでぶち抜かれる可能性は常に頭に入れておく必要があるが、最終ラインからチームを見渡し、パスを散らしながら正確なキックでチャンスを演出する谷口は良さを発揮できるに違いない。

DF:菅原由勢(背番号2)
生年月日:2000年6月28日(23歳)
所属クラブ:AZアルクマール(オランダ)
23/24リーグ戦成績:16試合0得点4アシスト
日本代表通算成績:9試合1得点1アシスト

 右サイドバックは菅原由勢と毎熊晟矢の2人が大会を通してプレータイムをシェアしていくことになりそうだ。9月、10月、11月の6試合で、両者は同一シリーズで1試合ずつ先発している。ただ、コンディションという点でオフ明け間もない毎熊は上げていく過程にあり、初戦は菅原になるだろうと予想する。

 オランダの強豪AZアルクマールに在籍する菅原は20日の国内カップ戦で延長戦を含む120分プレーし、一時帰国して国内合宿から参加。タイ代表戦では試合終盤の10分強プレーしている。唯一不安があるとすれば昨夏のシーズン開幕からフル稼働し続けていることで、AZでは今季すでに27試合、出場時間は2387分にも及ぶ。日本代表でも菅原の存在は不可欠になりつつあるだけに、コンディションには細心の注意を払う必要がありそうだ。

 ベトナム代表戦で苦戦する恐れがあるとすれば、相手が人数をかけて攻めあぐねたときだろう。厚みのある攻撃を展開してチャンスを作り続けるためには、右サイドバックの菅原のクオリティが重要になる。11月のシリア代表戦で決めたミドルシュートのように、フィニッシュワークに絡む活躍にも期待が膨らむ。

DF:伊藤洋輝(背番号16)
生年月日:1999年5月12日(24歳)
所属クラブ:シュトゥットガルト(ドイツ)
23/24リーグ戦成績:12試合0得点2アシスト
日本代表通算成績:13試合1得点1アシスト

 中山雄太の完全合流が遅れたこともあり、ベトナム代表戦の左サイドバックには伊藤洋輝が入ることが濃厚だ。このポジションは最大7試合が予定される中で両者を使い分けていくことになりそうだ。

 これまでシュトゥットガルトでは3バックの左に入ることが多かった伊藤だが、昨年4月に就任したセバスティアン・ヘーネス監督は4バックを指揮、伊藤を左サイドバックで起用している。日本代表と同じポジションで起用されていることは、伊藤のパフォーマンスを上げる一助になっているはずだ。1対1の守備の強さは言うまでもなく、攻め上がるタイミングやフィニッシュにつながるクロスの質は高い。リーグ3位と好調のシュトゥットガルトで先発し続けるに値するパフォーマンスを見せている。

 昨年11月25日のフライブルク戦で筋肉系の負傷をしたため、一足先にウィンターブレイクに入り、日本で治療に専念。年末の国内合宿にも参加したがタイ代表戦には出場せずにアジアカップに照準を合わせている。

MF:守田英正(背番号5)
生年月日:1995年5月10日(28歳)
所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル)
23/24リーグ戦成績:14試合1得点3アシスト
日本代表通算成績:28試合2得点3アシスト

 守田英正は昨年12月30日のリーグ戦を最後にチームを離れ、日本代表に合流している。直前にアクシデントでもない限り、ベトナム代表戦は中盤の一角に守田が入ることになるだろう。

 所属クラブは3バックを採用しており、その前のダブルボランチの一角に入る守田はチャンスに絡む動きが求められている。日本代表合流前最後の試合となったポルティモネンセ戦では左のポケットに走りこみ、ゴール前に折り返して決勝ゴールをアシストしている。攻撃にかかわる能力の高さはポルトガル移籍後に引き出された魅力だが、日本代表ではどちらかというと攻守のバランスを調整する役割が期待される。

 相棒が誰になるかによっても役割は変わるが、守田が入ることでチームの流動性が高まり、日本代表が主導権を握ることができるのは確か。大会初戦を確実にものにするためにも、守田の活躍が重要になることは間違いない。

MF:佐野海舟(背番号26)
生年月日:2000年12月30日(23歳)
所属クラブ:鹿島アントラーズ
2023リーグ戦成績:27試合1得点0アシスト
日本代表通算成績:2試合0得点0アシスト

 代表デビューからわずか2ケ月の23歳が、アジアの頂点を決める大会の大事な初戦に先発する可能性が高い。FC町田ゼルビアから鹿島アントラーズに移籍した昨季、負傷のため参加辞退となった伊藤敦樹の代役という形で11月に追加招集され、その直後のFIFAワールドカップ26アジア2次予選・ミャンマー代表戦でデビューしている。

 12月上旬のシーズン終了後はつかの間のオフを経て元日のタイ代表戦、そしてアジアカップに向けて調整してきた。コンディション調整は難しかったはずだが、鹿島のフィジカルコーチらのサポートを受け、この大会に照準を合わせる。

 遠藤航や守田英正が確固たる信頼を築き上げるポジションだが、最大7試合のこの大会を勝ち抜くためには、佐野がこの大会で起用できる目処を立てたいところだ。ミャンマー代表戦、タイ代表戦と東南アジア勢を相手にも臆することなくアグレッシブなプレーを見せた佐野が、その135分で感じた課題に向き合いながら大事な初戦に臨む。

MF:南野拓実(背番号8)
生年月日:1995年1月16日(28歳)
所属クラブ:ASモナコ(フランス)
23/24リーグ戦成績:16試合5得点4アシスト
日本代表通算成績:52試合18得点10アシスト

 優勝するためには7試合を戦わなければならず、最後の4試合をすべて勝たなければならない。約1ケ月の長丁場を乗り切るためには26人全員の力が必要になると同時に、コンディションにも細心の注意を払う必要がある。久保建英はトップ下のファーストチョイスだが、ベトナム代表戦では南野拓実が先発すると予想される。

 昨年のFIFAワールドカップカタール2023も含め、昨季は南野にとって不完全燃焼の1年だった。ただ、ASモナコ在籍2年目の今季は開幕から好調で、W杯以降外れていた日本代表にも10月に復帰を果たしている。背番号10は堂安律に譲る形になったが、日本代表で再び輝くための準備は整っている。

 南野は12月20日のリーグ戦を最後にチームを離れて国内合宿に合流し、元日のタイ代表戦でゴールを記録した。大会直前に合流する選手も多い中、比較的余裕を持って合流できた南野にはコンディション面でアドバンテージがある。初戦を託すに不足はない。

FW:伊東純也(背番号14)
生年月日:1993年3月9日(30歳)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:17試合2得点4アシスト
日本代表通算成績:51試合13得点17アシスト

 右サイドには堂安律を置くプランもあるが、初戦では伊東純也が先発する可能性が高い。今年3月には31歳になり、日本代表でも年長者の部類に入るが、年齢がただの数字でしかないことをピッチで示している。

 今季はリーグアンを1試合も休むことなく、前半戦全試合に先発している。日本代表でも昨年1年間で欠場したのは6月のエルサルバドル代表戦と11月のミャンマー代表戦の2試合のみ。出場した8試合のうち、得点に絡まなかったのは3月のコロンビア代表戦の1試合しかないという驚異的な活躍ぶりだった。

 元日のタイ代表戦ではキャプテンマークを巻いて70分弱プレー。得点やアシストこそつかなかったが、右サイドからの突破やゴールに迫るプレーを幾度となく見せている。アジアの頂点を決める大会の初戦で、伊東が世界レベルを知らしめることになりそうだ。

FW:中村敬斗(背番号13)
生年月日:2000年7月28日(23歳)
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
23/24リーグ戦成績:12試合2得点1アシスト
日本代表通算成績:5試合5得点0アシスト

 昨年12月21日に三笘薫が負傷し、アジアカップ出場が危ぶまれた。実績を考えれば三笘がいるかいないかは日本代表の浮沈にかかわるはずだが、中村敬斗の存在がその不安を幾分和らげてくれた。昨年10月のカナダ代表戦で負傷した中村は12月に実戦復帰を果たし、元日のタイ代表戦でも45分プレー。アジアカップ出場に万全を期す。

 タイ代表戦のゴールはシュートのこぼれ球に反応したものだったが、フィニッシュに絡める位置にいながらゴールを虎視眈々と狙うのが中村のスタイル。昨年3月の代表デビューから5戦5得点という素晴らしい結果は、その特徴を如実に表している。初戦のベトナム代表は人数をかけて守ってくる可能性があるだけに、左ウイングの中村が1トップに近い位置でフィニッシュに絡むプレーが効果的になりそうだ。

 ワールドカップ優勝という壮大な目標を掲げる日本代表にとって、選手層の厚さというのは今まさに取り組んでいる課題の1つでもある。中村が三笘に勝るとも劣らないパフォーマンスを見せることができれば、日本代表だけでなく中村のキャリアにもいい影響が及ぶに違いない。

FW:細谷真大(背番号11)
生年月日:2001年9月7日(22歳)
所属クラブ:柏レイソル
2023リーグ戦成績:34試合14得点0アシスト
日本代表通算成績:4試合1得点0アシスト

 久保建英と並んでフィールドプレーヤー最年少の細谷真大が、アジアカップメンバーに滑り込んだ。一昨年7月のEAFF E-1サッカー選手権でデビューし、フルメンバーの日本代表では昨年11月に初めてプレー。シリア代表戦でゴールを決め、元日のタイ代表戦ではフル出場している。

 昨季は所属する柏レイソルでキャリアハイの14得点を挙げ、ゴール前での脅威を見せつけた。執拗な裏抜けや相手を背負うプレーで相手のディフェンスラインを困難に陥れるのが真骨頂で、オフ・ザ・ボールで違いを作れる部分は日本代表の1トップに求める資質にマッチする。

 元日のタイ代表戦に向けた国内合宿では浅野拓磨と上田綺世の別メニュー調整が続いたこともあり、ベトナム代表戦では細谷が先発起用される可能性が高まる。A代表経由パリ五輪行きというパリ五輪世代(U-23日本代表)の合言葉を地で行く細谷は、アジアカップでどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

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