ACミラン史上最強! 伝説の英雄5人。 輝かしい歴史を作り上げた偉大なカリスマたち

【写真:Getty Images】

 ACミランはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝7回、セリエA優勝19回などを誇っている。輝かしい成績を残しているイタリアの名門では、これまで多くのレジェンドたちが活躍してきた。今回は、21世紀以降に在籍した選手の中から厳選した伝説のカリスマを紹介する。(在籍期間、通算成績は『transfermarkt』参照)

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●FW:アンドリー・シェフチェンコ(元ウクライナ代表)

生年月日:1976年9月29日
在籍期間:1999年7月~2006年7月、2008年8月~2009年6月
通算成績:322試合175得点46アシスト
主な獲得タイトル:セリエA(1回)、UEFAチャンピオンズリーグ(1回)、コッパ・イタリア(1回)、スーペルコッパ(1回)、UEFAスーパーカップ(1回)

 21世紀におけるミランで最も活躍したストライカーは間違いなくアンドリー・シェフチェンコだ。1999年にディナモ・キーウから加入すると、移籍初年度からチームにフィット。セリエA初挑戦ながら24ゴールを挙げ、得点王に輝くなど強烈なインパクトを残した。以降、このウクライナ人FWはミランの絶対的エースとなり、ゴールを量産。数々のタイトルをもたらし、2004年にはバロンドールを受賞するなど、ミランで「世界最高」の称号を手に入れている。

 スピード、テクニック、パワー、決定力とストライカーに必要なスキルを全て、それも高いレベルで備えていたのがシェフチェンコだった。とくにそのスピードは驚異的で、DFをあっという間に置き去りにしてゴールを奪うことができる。そのプレースタイルから「ウクライナの矢」という異名がついた。

 2006年にチェルシーへ移籍してからはキャリアが下降線をたどってしまったが、計8年在籍したミランでは公式戦322試合に出場し、なんと175得点を記録。このゴール数を上回るのは1950年代に活躍したスウェーデン人FWのグンナー・ノルダール氏のみ。レジェンドとして、アンドリー・シェフチェンコの名はミランと共に永遠に生き続けるだろう。

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●MF:カカ(元ブラジル代表)

生年月日:1982年4月22日
在籍期間:2003年8月~2009年7月、2013年9月~2014年7月
通算成績:307試合104得点81アシスト
主な獲得タイトル:セリエA(1回)、UEFAチャンピオンズリーグ(1回)、スーペルコッパ(1回)、UEFAスーパーカップ(1回)、FIFAクラブワールドカップ(1回)

 母国ブラジルの名門サンパウロでプロキャリアをスタートさせたカカは2003年にミランへ加入すると、瞬く間にミラニスタのアイドルとなった。移籍初年度でスタメンの座を確固たるものとし、セリエAでいきなり二桁得点を達成。そして、スクデット獲得とUEFAスーパーカップ制覇に貢献した。

 それ以降もカカはミランの中心人物として活躍。緩急を巧みに使った鋭くかつパワフルなドリブルで何度も相手を翻弄し、豪快にゴールネットを揺らしてはサポーターを沸かし続けた。2006/07シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で10得点をマークして得点王に輝き、クラブの7度目のビッグイヤー獲得に貢献。これらの活躍が高く評価され、2007年冬にバロンドールを受賞することになった。

 2009年にはレアル・マドリードへ移籍したが、2013年にミランへ復帰。そして1年間プレーし、オーランド・シティに旅立った。その甘いマスクとプレーで人々を魅了し、カカは現役時代も圧倒的な人気を誇った。現役を引退した今でもミラニスタの絶対的なアイドルだ。

●DF:アレッサンドロ・ネスタ(元イタリア代表)

生年月日:1976年3月19日
在籍期間:2002年8月~2012年7月
クラブ通算成績:326試合10得点2アシスト
主な獲得タイトル:セリエA(2回)、UEFAチャンピオンズリーグ(2回)、コッパ・イタリア(1回)、スーペルコッパ(2回)、UEFAスーパーカップ(2回)、FIFAクラブワールドカップ(1回)

 ラツィオのアカデミー出身であるアレッサンドロ・ネスタは、17歳でトップチームデビュー。その後、2002年にミランへ移籍となった。移籍金は3000万ユーロ(約42億円)。今でこそ安く思えるかもしれないが、当時ミランが獲得したDFの中では史上最高額だった。

 強さ、高さ、賢さ、速さ、そして頼もしさのすべてを揃えたネスタは、ありとあらゆるFWを完封。パオロ・マルディーニやヤープ・スタムアレッサンドロ・コスタクルタら名手と共にチームの最終ラインを強固なものとし、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を筆頭に数々のタイトルをミランへもたらした。

 ラツィオから加入し10年をミランで過ごしたネスタは、最終的に公式戦326試合に出場。2000年から2010年にかけて表彰されていたセリエAディフェンダー・オブ・ザ・イヤーには史上最多4度も選出されるなど、個人としても輝かしい成績を残した。かつてミランのレジェンドであるフランコ・バレージからは「ネスタのいないミランは考えられないね」と評価されていたが、まさにこの世界的守備職人なくしてミランの栄光はなかった。

 2007年8月に代表引退を表明したネスタは、2015年8月にアメリカ・メジャーリーグ・サッカー(MLS)のインテル・マイアミの監督に就任。その後、ペルージャやフロジノーネを指揮した。

●MF:アンドレア・ピルロ(元イタリア代表)

生年月日:1979年5月19日
在籍期間:2001年7月~2011年7月
通算成績:401試合41得点71アシスト
主な獲得タイトル:セリエA(2回)、UEFAチャンピオンズリーグ(2回)、コッパ・イタリア(1回)、スーペルコッパ(1回)、UEFAスーパーカップ(2回)、FIFAクラブワールドカップ(1回)

 正確無比なキックを武器に世界最高のレジスタと評されたのがアンドレア・ピルロである。2001年、宿敵インテルからミランへ移籍すると、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)、セリエAなど数々のタイトル獲得に貢献した。

 加入当時はなかなか出番に恵まれず苦しんでいたピルロだったが、2001/02シーズン途中に就任したカルロ・アンチェロッティ監督との出会いによりその後の運命が変わる。当時絶対的存在だったマヌエル・ルイ・コスタが在籍していたため、それまで主戦場だったトップ下での出場が厳しかった。その後、アンチェロッティ監督にアンカーとして起用され、中盤の底で長短問わず正確無比なパスを繰り出し続け攻撃を司るなど躍動した。

 2011年5月、10年間在籍したミランを離れユベントスへ加入。同クラブでは4度のセリエA優勝に貢献した。2015年7月にアメリカ・メジャーリーグ・サッカー(MLS)のニューヨーク・シティへ移籍。2017年11月に現役引退を発表した。現役引退後はユベントスやトルコのファティ・カラギュムリュクSKの監督を歴任し、現在はサンプドリアで指揮を執っている。いつかミランへ監督として戻ってくることを願うサポーターも少なくはないはずだ。

●DF:パオロ・マルディーニ(元イタリア代表)

生年月日:1968年6月26日
在籍期間:1985年7月~2009年7月
通算成績:901試合33得点43アシスト
主な獲得タイトル:セリエA(7回)、UEFAチャンピオンズリーグ(5回)、コッパ・イタリア(1回)、スーペルコッパ(5回)、UEFAスーパーカップ(4回)、FIFAクラブワールドカップ(1回)

 パオロ・マルディーニはミランの下部組織で育つと、弱冠16歳でセリエAデビューを果たす。その後、24年にもわたり赤黒のユニフォームを身に纏い続けてきた。長年背負ってきた「3番」は自身の息子たちが引き継がない限りクラブの永久欠番となっているなど、ミランを語る上で欠かせない人物だ。

 左右の足を遜色なく使う技術力、対人戦の強さ、戦術理解力、判断力、そしてキャプテンシーと、この男にはすべてが備わっていた。その能力を駆使して数々の舞台で名だたるストライカーを無力化し続け、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を筆頭にミランでは26個ものタイトル獲得に貢献。この実績を超える人物はもう現れないだろう。

 現役引退後も、マルディーニはミランと共に歩みを続けている。2018年夏に戦略開発ディレクターとしてミランに戻り、翌年にはテクニカルディレクター(TD)に就任。そのカリスマ性と若手を見抜く慧眼を活かし、長く暗いトンネルの中にいたミランを現在は魅力あるチームへと磨き上げ、2021/22シーズンにはセリエA優勝を果たした。選手としてだけでなく、幹部としてもミランを成功に導いた存在だ。

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