なぜ獲った…。ACミラン、冬の大失敗補強5選。獲得は計画的に…。“パニックバイ”には要注意!?

【写真:Getty Images】

2023年1月のマーケットが動いている。各クラブがシーズン前半戦に起きた問題を解決するために新しい力を探す時期だ。好機とみれば、ビッグネーム獲得に動く場合もある。今回はイタリアの名門ミランが冬に獲得した選手のうち、うまくいかなかった補強を厳選して紹介する。(在籍期間や成績は『transfermarkt』参照)
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●FW:マルシオ・アモローゾ
生年月日:1974年7月5日
在籍期間:2006年1月~2006年8月
ミラン通算成績:5試合1得点0アシスト

 セリエA得点王の経験もある元ブラジル代表のマルシオ・アモローゾも、ミランでは全く輝けなかった。半年の在籍で公式戦出場はわずか5回だった。

 若手時代に東京ヴェルディに所属した経験もあるアモローゾは、その後各地で活躍。1998/99シーズンはウディネーゼでセリエAの得点王になると、2001/02シーズンはボルシア・ドルトムントに所属してドイツ・ブンデスリーガの得点王になった。

 だが、ミランにきたときはすでにピークを過ぎていた。アンドリー・シェフチェンコフィリッポ・インザーギアルベルト・ジラルディーノといった選手を擁したチームでアモローゾは4番手FWとなり、ベンチ入りできないことも多々あった。

 ミラン唯一のゴールは、最終節ローマ戦のPKでのゴールのみ。ないよりはマシだとしても、セリエAで全盛期を知られているだけに、ミランでのインパクトはあまり小さかった。

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●MF:マイケル・エッシェン
生年月日:1982年12月3日
在籍期間:2014年1月~2015年6月
ミラン通算成績:20試合0得点0アシスト</h3>

 元ガーナ代表のMFマイケル・エッシェンは、ミランで大きなインパクトを残せずに終わった選手の一人だ。

 ジョゼ・モウリーニョ監督率いるチェルシーで大活躍して様々なタイトルを獲得したエッシェン。2008年にひざ前十字じん帯を断裂したあとはかつての姿を見せられなかった。
 そんな中、ミランは2014年冬にチェルシーからエッシェンを獲得。事実上フリーという格安の取引でうれしいサプライズを期待したが、やはりエッシェンの復活は実現しなかった。

 所属した1年半で先発出場はわずか10回。ケガを繰り返したわけではなく、ピッチに立ったときに平凡なパフォーマンスに終始したため出番が増えなかった形だ。フィジカルが最大の武器であるエッシェンにとって、一度の大ケガは致命傷だった。ミランは「格安」に飛びついたことで失敗してしまった。

●MF:ルーカス・パケタ
生年月日:1997年8月27日
在籍期間:2019年1月~2020年9月
ミラン通算成績:37試合1得点2アシスト

 ウェスト・ハムのMFルーカス・パケタはブラジル代表にも呼ばれる世界的な選手だが、ミランでは大きく期待を裏切った。1年半の在籍で、セリエAでは37試合に出場。1得点2アシストに終わっている。

 ミランは2019年1月、フラメンゴに3840万ユーロ(約46億円)の移籍金を支払ってブラジルの新星を獲得した。ミランファンにとってトップ下のブラジル人といえばカカを思い出すもので、「新しいカカ」と期待を集めた。

 しかし、ブラジル人らしいスタイルはなかなかイタリアに適応せず。技術は高くてもカカのような推進力はみられず、攻撃を停滞させる一因になった。

 当時のミランといえば、次から次へと指揮官が代わる時期でもあった。適応のための時間があれば、プレースタイルに合った監督がいれば……。たらればを挙げればキリはないが、有望な若手を連れてくればいいというわけではないという意味では、良い教訓になったかもしれない。

●FW:マリオ・マンジュキッチ
生年月日:1986年5月21日
在籍期間:2021年1月~2021年6月
ミラン通算成績:10試合0得点0アシスト</h3>

 マリオ・マンジュキッチの人間性に疑いはない。それでも、ミランがマンジュキッチを獲得したのは失敗だった。

 ユベントスで活躍した実績があったマンジュキッチは、カタールのアル・ドゥハイルでプレー。2020年7月に退団したあとフリーになっていたところ、FWズラタン・イブラヒモビッチの負担を軽減できるアタッカーを探していたミランから声が掛かった。

 コンディション良好とされていたマンジュキッチはすぐにピッチに立ったが、2月中旬に負傷して約2カ月の離脱。結局先発での出場は1回のみで、ノーゴールに終わった。

 マンジュキッチは負傷離脱していた間の給料受け取りを辞退するなど、ミランに対して誠意を示した。若手主体のチームにとっては、良い模範だったかもしれない。それでも、戦力としてミランに貢献したかと言われればノーであり、期待外れだったことは間違いないだろう。

●FW:クシシュトフ・ピョンテク
生年月日:1995年7月1日
在籍期間:2019年1月~2020年1月
ミラン通算成績:36試合13得点1アシスト

 ポーランド代表のクシシュトフ・ピョンテクは、ミランで一定のゴール数を記録したが、やはり失敗だったと言わざるを得ない補強だ。

 ピョンテクは2018年夏にジェノアに加入してイタリアでの挑戦を始めると、開幕から7試合連続ゴールを記録。リーグ戦19試合で13ゴールと大暴れして、半年でミランにステップアップした。

 ミラン移籍後も好調で、2018/19シーズン後半戦は18試合で9ゴールを挙げている。しかし、翌シーズンに入ると急ブレーキ。このシーズンから指揮を執ることになったマルコ・ジャンパオロ監督の戦術に全くハマらなかった。結局ジャンパオロ監督は2カ月でクラブを去り、ピョンテクも冬に放出されている。

 ピョンテクは味方のお膳立てをゴール前で活かす生粋のセンターフォワード。キャリアを通じて2トップにトップ下を置く形をほぼ経験してこなかったという。勢いに乗ったときの研ぎ澄まされた嗅覚はあったが、ブレイク時に過大評価してしまった感は否めない。

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