大人気クラブはどこだ! 欧州観客数ランキング11~20位。今季の快進撃で完売が続出しているクラブは?

【写真:Getty Images】

 欧州主要リーグの2023/24シーズンは間もなく折り返しを迎える。各クラブに紆余曲折がある中で、最も多くの観衆を動員しているクラブはどこなのか。UEFA(欧州サッカー連盟)に所属しているクラブのリーグ戦でのホームゲーム入場者数を集計してランキング形式で紹介する(データは『transfermarkt』を参照。12月12日現在)。

20位:ケルン(ドイツ)
ホームスタジアム:ラインエネルギーシュタディオン(収容可能人数:5万人)
平均入場者数:4万9729人

 20位にはラインエネルギーシュタディオンを本拠地に構えるケルンがランクインした。

 ケルンは第14節終了時点で、2部との入れ替えプレーオフ圏内である16位と下位に沈んでいるが、ホームゲームは毎試合のようにサポーターがスタンドを埋め尽くしている。その収容率は99.46%とほぼ満席に近い。

 今季ホームで行われた7試合のうち、第6節シュツットガルト戦、第8節ボルシア・メンヒェングラートバッハ戦、第12節バイエルン・ミュンヘン戦、第14節マインツ戦の4試合でチケットが完売している。これだけ多くのサポーターが応援に訪れている中で、ホームの成績は1勝2分4敗とリーグワースト3位の成績に留まっている。ホームでの成績が良くなれば自ずと順位は上がっていくため、サポーターとともに目標の残留に向けて一つでも多くの試合に勝っていきたいところだ。

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19位:ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)
ホームスタジアム:シュタディオン・イム・ボルシア・パルク(収容可能人数:5万4042人)
平均入場者数:5万823人

 19位には板倉滉が所属するボルシア・メンヒェングラートバッハがランクイン。今季のシュタディオン・イム・ボルシア・パルクの平均観客数はおよそ5万823人と、約94%の収容率を記録している。

 これは昨季の5万2438人と比較すると大幅なダウンで、1試合平均で約1600人の観客数が減少している。その理由の一つが開幕直後の深刻な不振だろう。ホーム開幕戦となった第2節レヴァークーゼン戦と第3節のバイエルン・ミュンヘン戦はいずれも完売したが、成す術なく完敗。するとホーム第5節のライプツィヒ戦は、完売した前の2試合と比較すると4000席も空席が生まれた。

 その後も観客数は減り続け、第11節ヴォルフスブルク戦は4万5308人を記録。およそ9000席が空席となる前代未聞の事態となった。だが、このあたりからチームの調子が上がり始めたこともあり、サポーターは戻って来つつある。第15節ブレーメン戦は3試合ぶりに5万人越えとなる5万660人が来場。この調子を続ければ、近いうちに再びスタンドを満員にすることができるかもしれない。

18位:アトレティコ・マドリード(スペイン)
ホームスタジアム:エスタディオ・シビタス・メトロポリターノ(収容可能人数:6万7829人)
平均入場者数:5万1129人

 18位にはエスタディオ・シビタス・メトロポリターノを本拠地に構えるアトレティコ・マドリードがランクインした。

 収容可能人数6万7829人に対しての平均入場者数が5万1129人ということからもわかるように、なかなかスタンドが埋まらないのが現状だ。その収容率は約75%とかなり低い数字になってしまった。昨季の平均入場者数(5万5800人)と比較をしても大幅な減少だ。

 その理由はアトレティコ・マドリードというよりも、スペイン国内の経済状況が大きく影響している。ラ・リーガのクラブの大半が、スタジアムが満員にならないという悩みを抱えており、シーズンを通しての収容率が90%を超えることは稀だ。その一方でビッグマッチとなれば多くのサポーターが訪れる。第6節レアル・マドリードのダービーではチケットが完売した。このことからもわかるように、強豪との試合では観光客を含めたファンが多く入るが、それ以外の試合では客が入らない。チケット収入はラ・リーガのクラブにおいて重要な財源となるため、収容率を上げたいところだが、国内の経済的に厳しいのが現状と言えるだろう。

17位:レアル・ベティス(スペイン)
ホームスタジアム:エスタディオ・ベニート・ビジャマリン(収容可能人数:6万721人)
平均入場者数:5万1634人

 17位には、17年夏に完了したエスタディオ・ベニート・ビジャマリンの改修工事に合わせて、バリアフリー化を進めるなど、「誰もがサッカー観戦を楽しめる環境づくり」に取り組むレアル・ベティスがランクインした。

 このバリアフリー化やチームが上位争いを演じるようになったことも相まって、ホームゲームに集まるサポーターの数は増え続けている。実際に平均入場者数を昨季と今季で比較をすると、4万9986人から5万1634人に増えている。

 レアル・ベティスは今年の2月に、名前と背番号を点字で表記したユニフォームを着用して障がいを持つ人々と入場するイベントを開催するなど、世界的にも注目を集める行事を定期的にエスタディオ・ベニート・ビジャマリンで行っている。ラ・リーガのクラブの観客数が年を重ねるごとに減少傾向にある中で、増えているのは、こうした取り組みの効果のおかげだろう。

16位:ニューカッスル(イングランド)
ホームスタジアム:セント・ジェームズ・パーク(収容可能人数:5万2338人)
平均入場者数:5万2135人

 16位には今季UEFAチャンピオンズリーグ(CL)にも出場したニューカッスルがランクインした。

 彼らの本拠地セント・ジェームズ・パークの雰囲気の良さはプレミアリーグでも屈指だ。サポーターからの「圧」に近い熱狂的な応援も相まってニューカッスルはホームで圧倒的な強さを誇る。昨季は11勝6分2敗、今季は7勝1敗と、強豪がひしめくプレミアリーグでもほとんど負けることがない。

 チームに力を与えるサポーターの圧倒的な応援は、マイク・アシュリーによる“悪夢”とも言える長期政権から解放されたことによる影響が大きい。前オーナー体制では、シーズンの平均入場者数が5万人を割ることもあったが、現オーナーで開幕した初めてのシーズンとなった昨季からの収容率は99%以上を記録している。毎試合のように満員のサポーターが埋め尽くすセント・ジェームズ・パークは「要塞」の名にふさわしい、難攻不落の場所となっている。

15位:マンチェスター・シティ(イングランド)
ホームスタジアム:エティハド・スタジアム(収容可能人数:5万5017人)
平均入場者数:5万3331人

 15位には、昨季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)王者であるマンチェスター・シティがランクインした。

 エティハド・スタジアムは5万5017人というプレミアリーグでは4番目に多い収容人数を誇るが、その中で5万3331人の平均入場者数を記録するなど、約97%の収容率を叩き出している。15年夏に拡張工事を行って以降は、コロナ禍を除いて毎シーズンのように平均で5万3000人以上を動員しており、安定して多くのサポーターがスタンドを埋めている。

 今季にフォーカスすると、第14節トッテナム戦が最も多くの観客を動員した試合となり、5万3473人のサポーターの前で3-3の打ち合いを演じた。一方、最も少なかったフラム戦であっても5万2899人のサポーターがスタジアムに訪れており、他のクラブと比較をすると入場者数の並が少ないのが特徴だ。

14位:シュツットガルト(ドイツ)
ホームスタジアム:メルセデス・ベンツ・アレーナ(収容可能人数:6万449人)
平均入場者数:5万3813人

 14位には伊藤洋輝原口元気が所属するシュツットガルトがランクインした。

 第14節終了時点で3位と躍進を続けている古豪のサポーターは、チームの予想以上の快進撃に興奮している。それは本拠地メルセデス・ベンツ・アレーナで行われる試合での観客数に直結しており、直近のホームゲーム3試合が完売。それ以前の5試合で1度しか起きなかったソールドアウトが、直近の試合では連発している。

 シーズンごとの比較でも今季の平均入場者数5万3813人は快挙とも言える数字で、昨季の4万6430人から大幅なアップとなった。2部時代は4万人も切るなど、チームは長く低迷をしていたが、セバスティアン・ヘーネス監督のもとで完全復活を遂げており、このペースでサポーターがスタンドを埋め尽くせば、間違いなくクラブレコードの観客動員数を更新するだろう。

13位:フランクフルト(ドイツ)
ホームスタジアム:ドイチェ・バンク・パルク(収容可能人数:5万6500人)
平均入場者数:5万6179人

 13位には長谷部誠が所属するフランクフルトがランクインした。

 今季のフランクフルトはホームで行われた7試合のうち6試合で完売と、ほぼ毎試合のようにサポーターがスタンドを完全に埋め尽くしている。直近の第14節は、ホームの大声援の前にバイエルン・ミュンヘン戦は5-1の大勝を収めた。

 今季の平均入場者数5万6179人は、昨季の5万12人と比較をしても約6000人アップと大幅な入場者数増に成功している。昨季がクラブ史上初めて、平均入場者数が5万人を超えた中での、さらなる増加の勢いは留まることを知らない。稀に暴動を起こしてしまうフランクフルトサポーターだが、その熱量は本物で、彼らの声援は間違いなく選手たちを後押ししていることだろう。

12位:セルティック(スコットランド)
ホームスタジアム:セルティック・パーク(収容可能人数:6万832人)
平均入場者数:5万8541人

 12位には5人の日本人選手が所属するセルティックがランクインした。

 本拠地セルティック・パークはどの試合も熱狂的なサポーターで埋め尽くされており、今季の収容率は96.4%を記録。平均で5万8541人が試合に訪れており、スコティッシュ・プレミアシップ内での観客数ランキングで2位につけるレンジャーズとは約9000人を離してダントツのトップに立っている。

 この5万8541人という平均入場者数は、久々に5万8000人を超えた昨季の5万8828人に匹敵する数字だ。後半戦に向けての優勝争いやレンジャーズとのオールド・ファームが控えていることからも昨シーズンの記録を更新する可能性は十分にあり、直近の20年間では1位になってもおかしくない勢いだ。

11位:トッテナム(イングランド)
ホームスタジアム:トッテナム・ホットスパー・スタジアム(収容可能人数:6万2062人)
平均入場者数:6万26人

 11位には今季からアンジェ・ポステコグルー監督が率いるトッテナムがランクインした。

 マウリシオ・ポチェッティーノ監督以降、ジョゼ・モウリーニョアントニオ・コンテら世界的名将を招聘した同クラブだが、いずれの政権も最終盤は崩壊に近いほどチームとして機能をしていなかった。それはサポーターにも伝わり、一昨季の平均入場者数は5万6523人と伸び悩んでいる。

 それに対して今季は第16節終了時点で6万26人を記録。現状では昨季の数字をわずかに下回っているが、その攻撃的なサッカーに多くのサポーターが好印象を持っていることから、更新する可能性は十分にある。加えてトッテナム・ホットスパー・スタジアムは2019年に完成したばかりということもあり、スタンドからの見やすさやバリアフリーなど、多くの面で工夫が凝らされており、こうしたことも高い集客率に繋がっていると考えられる。

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