最も集客したクラブは? Jリーグ観客数ランキング21~30位。J1~J3全60クラブの上位につけるのは【2023年】

【写真:Getty Images】

 明治安田生命Jリーグは2023シーズンの全日程を終えた。長いシーズンの中でそれぞれのクラブに紆余曲折があったが、シーズンを通して最も多くの観衆を動員したクラブはどこなのか。J1~J3の全60クラブのホームゲーム入場者数を集計してランキング形式で紹介する。
-----------------------------------

●30位:V・ファーレン長崎

ホームスタジアム:トランスコスモススタジアム長崎(収容可能人数:2万258人)
平均入場者数:7300人

 トランスコスモススタジアム長崎をホームスタジアムとするV・ファーレン長崎は、2023シーズンのJ2リーグで7位だった。平均入場者数は、Jリーグ全体で30位の7300人となっている。

 長崎は、1万1165人を動員した開幕戦のジェフユナイテッド千葉戦で0−1で敗れるなど、第4節まで白星なし。スタートダッシュに失敗して、第9節・ヴァンフォーレ甲府戦で今季最低となる3815人という入場者数を記録した。

 それでも、次第に調子を上げ、第12節には2位に浮上し、それ以降は上位を維持している。第36節・FC町田ゼルビア戦では、今季最多となる1万3893人の観客がスタジアムを訪れたが、この試合は27分に中村慶太が退場となり、今季最多失点で0-6の大敗を喫した。

 最終的には届かなかったものの、J1昇格プレーオフ出場を狙える順位に長くいたことでファンの応援にも熱が入ったのか、シーズン序盤以降は比較的安定した観客数だった。コロナ禍による入場制限がなかった2019シーズンの1試合平均入場者数が7737人で、今季は当時の水準に近づいたと言えるだろう。

 長崎は2024年秋、2万人収容のサッカー専用スタジアム、長崎スタジアムシティが完成予定だ。

<a href="https://www.footballchannel.jp/2023/12/05/post522971/" target="_blank" rel="noopener">最も集客したクラブは? Jリーグ観客数ランキング1~10位 全クラブ紹介</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2023/12/06/post523217/" target="_blank" rel="noopener">最も集客したクラブは? Jリーグ観客数ランキング11位〜20位 全クラブ紹介</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2023/12/11/post523648/" target="_blank" rel="noopener">最も集客したクラブは? Jリーグ観客数ランキング21位〜30位 全クラブ紹介</a>

●29位:FC町田ゼルビア

ホームスタジアム:町田GIONスタジアム(収容可能人数:1万5320人)
平均入場者数:7426人

 町田GIONスタジアムを本拠地とするFC町田ゼルビアは、2023シーズンのJ2リーグで1試合平均7426人の観客を集めた。クラブ記録を大きく更新する観客が、J1昇格というクラブの目標を後押しした形となっている。

 開幕戦のベガルタ仙台戦で、1万5320人収容のスタジアムに8055人の観客が訪れた町田。第2節からのホーム4試合はいずれも観客数が3000人台で、ファンの期待はそれほど高くなかったことがうかがえる。

 それでも、第4節から首位を維持してきたチームに対するJ1昇格への期待は、徐々に高まっていった様子。第30節以降の6試合は1万人超が2回、最低でも5577人(第34節・栃木SC戦)と、高い水準を維持した。クラブの平均入場者数過去最多記録は、2016シーズンの5123人。今季の7426人という数字は、クラブにとって大成功と言えるだろう。

 その歴史的なシーズンで最も多くの観客を集めたのは、国立競技場で開催された第25節・東京ヴェルディ戦で、3万8402人が集まった。これは町田にとってクラブ史上最多記録となっている。

●28位:ヴァンフォーレ甲府

ホームスタジアム:JITリサイクルインクスタジアム(収容可能人数:1万5853人)
平均入場者数:7485人

 JITリサイクルインクスタジアムをホームスタジアムとするヴァンフォーレ甲府は、2023シーズンに平均7485人を動員した。コロナ禍による入場制限が始まる前の2019シーズンの平均は8273人で、1試合平均800人弱の減少だ。さらに遡ると、2007年から2017年はJ1でもJ2でも安定して1万人を超えており、近年は減少傾向と言える。

 甲府は2019シーズンのJ2で5位になった。今季は8位でシーズンを終えており、J1昇格プレーオフに進出することはできていない。ただ、シーズンのほとんどをトップハーフで過ごし、そのチャンスはあったはず。2019シーズンとの成績の差だけで観客数が減ったとは考えにくそうだ。なお、10月以降に行われたAFCチャンピオンズリーグのグループステージでは、国立競技場で行われたホームゲーム3試合に、いずれも1万1000人以上を動員している。

 今季最多観客数は、第7節・清水エスパルス戦の1万1643人。J1昇格プレーオフ出場を争っていたシーズン終盤は、ジュビロ磐田戦とホーム最終戦のロアッソ熊本戦でそれぞれ1万人を超えたが、清水戦の観客数には届かなかった。

 2017シーズンのJ1で16位になってJ2に降格した甲府は、2021シーズンにJ2で3位になったものの、翌2022シーズンは18位と低迷した。J1復帰から遠ざかっていることが、観客動員数減少に影響しているのかもしれない。

●27位:東京ヴェルディ

ホームスタジアム:味の素スタジアム(収容可能人数:4万7851人)
平均入場者数:7982人

 16年ぶりのJ1復帰を達成した東京ヴェルディは、観客入場者数でも大きな成果をあげた。新型コロナウイルス流行前の2019シーズンは1試合平均が5371人だったが、今季は7982人に急上昇している。

 東京Vの1シーズンの平均観客動員数は、7000人を超えること自体が快挙だ。コロナ禍で入場制限があった時期を除くと、近年は5000人台が続いていた。唯一の例外が2013シーズン(6343人)で、最後に7000人を超えたのは、J1で過ごした2008シーズン(1万4837人)である。

 ホームスタジアムの味の素スタジアムに今季最も多くの観客が訪れたのは、第29節・清水エスパルス戦で、1万7802人を動員した。ホームゲーム・ラスト2試合のジェフユナイテッド千葉戦と栃木SC戦はどちらも1万3000人台で、多くのファンの後押しを受けて勝利を収め、3位に入ってJ1昇格プレーオフに進んだ。

 この平均観客数にはカウントされていないが、J1昇格プレーオフでは味の素スタジアムで行われた準決勝・千葉戦の観客数は2万5150人。国立競技場での決勝・清水エスパルスには、5万3264人の観客が訪れた。

●26位:松本山雅FC

ホームスタジアム:サンプロアルウィン(収容可能人数:2万336人)
平均入場者数:8181人

 サンプロアルウィンをホームスタジアムとする松本山雅FCは、2023シーズンのJ3で1試合平均8181人の観客動員数を記録した。

 松本はJ3でダントツの集客力を誇るクラブ。2位・鹿児島ユナイテッドFCの1試合平均が5904人、リーグ全体の平均が3003人であることを考えると、松本はJ3で圧倒的な人気クラブと言えるだろう。

 ただ、過去と比較すると、あまり良い状況とは言えない。J1で過ごした2019シーズンは1万7416人という1試合平均だった。2020シーズンからは新型コロナウイルス感染拡大の影響で入場制限があったため除外するとして、2018年はJ2で1試合平均1万3283人を集めている。スタンドがほぼ埋まっていたのはわずか4年前のことで、カテゴリーがかわったとはいえ、近年は急激に減少していることになる。

 今季の松本は、J3で開幕から6試合無敗で、まずまずのスタートを切った。第5節・ガイナーレ鳥取戦と第7節・アスルクラロ沼津戦では8000人を超え、第9節・FC大阪戦では10994人がスタジアムを訪れている。

 だが、シーズンが進むにつれて順位は下がり、昇格の可能性が低くなると、客足にも影響した様子だ。第31節・AC長野パルセイロ戦で今季最多となる1万2457人が入ったが、これは「信州ダービー」という注目カードだったためだろう。ホームゲーム・ラスト3試合は全て8000人を割っており、ファンの期待に応えられないまま、9位でシーズンを終えた。

●25位:モンテディオ山形

ホームスタジアム:NFソフトスタジアム山形(収容可能人数:2万638人)
平均入場者数:8318人

 NFソフトスタジアム山形をホームスタジアムとするモンテディオ山形は、2023シーズンのJ2リーグで1試合平均8318人の観客を集めた。クラブにとって、J2で過ごしたシーズンとしては過去最多となっている。

 今季の山形は、シーズン序盤に低迷した。第10節から第13節にかけては21位まで順位を落としている。第14節・藤枝MYFC戦では、今季最低の5390人を記録。それでも、その後急激に順位を上げていくと、観客数も増えていき、第23節・ベガルタ仙台戦(1万2533人)、第30節・ジェフユナイテッド千葉戦(1万4618人)、最終節ヴァンフォーレ甲府戦(1万2881人)でそれぞれ動員数が1万人を超えた。

 2016シーズンから3年続けて観客動員数の平均が6000人台だった山形。2019シーズンの8289人も十分な成果だったが、そこからさらに数字を伸ばしたことになる。今季はJ2で5位。J1昇格プレーオフでは勝ち上がれなかったが、集客面では一定の成果をあげたと言えそうだ。

●24位:ファジアーノ岡山

ホームスタジアム:シティライトスタジアム(収容可能人数:1万5479人)
平均入場者数:8495人

 シティライトスタジアムをホームスタジアムとするファジアーノ岡山は、1試合平均で8495人を動員した。コロナ禍前の2019シーズンの9444人と比較して約1000人の減少であり、不本意な数字だろう。

 2022シーズンのJ2で3位になった岡山は、2023年元日にクラブ公式サイトで、「狙うは、ただひとつ。J2の頂へ」と、新年のあいさつを記していた。開幕戦でジュビロ磐田とのアウェイゲームに3-2で勝って好発進すると、ホーム開幕戦となった第2節・清水エスパルス戦で1万5695人の観客が入り、J1昇格への期待の大きさがうかがえるスタートとなっている。

 しかし、順位も観客数もここがピークで、その後は中位に落ち着いた。観客動員は1万人超えが6回あったものの、開幕戦を超えることはなく、10位でシーズンを終えている。

 2009年からJ2で戦い続けている岡山。昨季の好成績で高まった期待を長く維持することができなかったのかもしれない。

●23位:ジェフユナイテッド千葉

ホームスタジアム:フクダ電子アリーナ(収容可能人数:1万9470人)
平均入場者数:8523人

 フクダ電子アリーナをホームスタジアムとするジェフユナイテッド千葉は、2023シーズンのJ2を6位で終えた。1試合平均入場者数は、J2で5位の8523人だ。

 今季の千葉は、敵地での開幕戦でV・ファーレン長崎に勝利したものの、その後は第9節まで勝てず、一時は降格圏の21位まで順位を落とした。この時期は観客もあまり入らず、第6節・ファジアーノ岡山戦では今季最低の5317人という動員数。続く徳島ヴォルティス戦も5475人と振るわなかった。

 第10節で久々に白星を手にしたあとは少しずつ順位を上げ、シーズン終盤に昇格プレーオフ出場が狙える順位になると、ファンの応援にも熱が入った様子だ。第36節・ベガルタ仙台戦で今季初の1万人超(1万3686人)を達成すると、その後の4試合は全て1万人超。最終節の長崎戦で今季最多の1万5201人がスタジアムを訪れている。それでも、1万人を割る時期が長すぎたため、平均入場者数で十分に巻き返したとは言いにくい。

 新型コロナウイルスの影響による入場制限があった2020〜22シーズンを除くと、千葉にとって1試合平均が9000人を割るシーズンは2002年以来。本拠地がフクダ電子アリーナになった2005年以降では初のことで、集客という意味で千葉にとっては厳しいシーズンだった。

●22位:横浜FC

ホームスタジアム:ニッパツ三ツ沢球技場(収容可能人数:1万5444人)
平均入場者数:9128人

 2023シーズンのJ1で最下位となって降格が決まった横浜FCは、観客動員でもリーグ最低の1試合平均9128人だった。

 ニッパツ三ツ沢球技場をホームスタジアムとする横浜FCは、J2からの昇格組として2023シーズンを戦った。開幕戦・名古屋グランパス戦では1万1186人の観客がスタジアムを訪れ、第3節・鹿島アントラーズ戦でも1万人超となっている。

 しかし、第5節・京都サンガF.C.戦では、3401人というさみしい観客数に。悪天候という不運な要素があったとはいえ、平日開催でもないJ1のゲームとしては、記録的に少ない動員数だった。チームは1-4で大敗しており、散々な試合となっている。

 3月から4月にかけてホームゲームの観客数が1万人を割っていた横浜FCだが、第11節以降は11試合で1万人超が8試合。収容可能人数1万5444人のスタジアムで空席が目立つようなことはあまりなかった。

 横浜FCはシーズンの長い時間を最下位で過ごしたが、ホームゲーム・ラスト4試合は全て1万人超。残留争い直接対決となったホーム最終戦・湘南ベルマーレ戦では今季最多となる1万3624人がスタジアムを訪れ、残留を目指すチームに声援を送った。

●21位:大分トリニータ

ホームスタジアム:レゾナックドーム大分(収容可能人数:3万1997人)
平均入場者数:9202人

 2002年FIFAワールドカップの会場(当時の名称は大分スポーツ公園総合競技場)にもなったレゾナックドーム大分をホームスタジアムとする大分トリニータは、1試合平均9202人を動員し、J2で4番目に多くの観客を集めた。

 J1昇格を目指してスタートした大分は、2023シーズンのリーグ戦で好発進。ホーム開幕戦の第2節・東京ヴェルディ戦で1万5705人の大観衆がスタジアムに入ると、第3節・栃木SC戦と第7節・ジュビロ磐田戦でも1万人を超えた。第9節まで7勝1分け1敗という成績で、首位に立っていた。

 しかし、第10節から3連敗を喫するなどして、順位が下がると、客足にも影響した様子。その後は1万人を割ることがほとんどだった。第15節のロアッソ熊本戦は1万2096人が入ったものの、「九州ダービー」という地理的な影響が大きいとみるのが妥当だろう。

 新型コロナウイルスの影響が出る前の2019シーズンは、J1で1試合平均1万5347人の観客が入っていた大分。J1で9位だったシーズンとJ2で9位だったシーズンを比較するのは難しいとしても、6000人超の減少は大きな差と言えそうだ。

<a href="https://www.footballchannel.jp/2023/10/24/post518242/" target="_blank" rel="noopener">J1要チェック! J2で輝く若き逸材10人。Jリーグ“個人昇格”の候補者たちは…</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2023/12/04/post522795/" target="_blank" rel="noopener">最高額Jリーガーは誰だ!? Jリーグ市場価値ランキング1~10位【2023年最新版】</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2023/12/07/post523203/" target="_blank" rel="noopener">日本代表に推薦! J1リーグ全18クラブから1人ずつ選出!</a>

ジャンルで探す