最も集客したクラブは? Jリーグ観客数ランキング1~10位。J1~J3全60クラブの頂点に立つのは?【2023年】

【写真:Getty Images】

最も集客したクラブは? Jリーグ観客数ランキング1~10位。J1~J3全60クラブの頂点に立つのは?【2023年】

明治安田生命Jリーグは2023シーズンの全日程を終えた。長いシーズンの中でそれぞれのクラブに紆余曲折があったが、シーズンを通して最も多くの観衆を動員したクラブはどこなのか。J1~J3の全60クラブのホームゲーム入場者数を集計してランキング形式で紹介する。

10位:セレッソ大阪
ホームスタジアム:ヨドコウ桜スタジアム(収容可能人数:2万4481人)
平均入場者数:1万7074人

 平均入場者数10位だったのは、今季の明治安田生命J1リーグを9位という成績で終えたセレッソ大阪。リーグ戦全試合を収容可能人数が2万4481人のヨドコウ桜スタジアムで開催し、約70%となる1万7074人を動員している。

 アルビレックス新潟をホームに迎えた開幕節の入場者数は1万7928人とさほど多くはなく、4月9日の北海道コンサドーレ札幌戦(1万1952人)、柏レイソル戦(1万673人)など、前半戦は1万人強にとどまる試合も多かった。ただ、前半戦ラストとなる第17節のヴィッセル神戸戦では今季最多となる2万2542人を動員。関西勢同士の対決であり、首位と6位の上位対戦ということもあり、満員に近い観衆が集まった。この試合は北野颯太が相手のミスを見逃さずにゴールに流し込んで試合終了間際に勝ち越すという劇的な試合だった。

 後半戦は浦和レッズを迎えた第21節で2万1007人を動員した。ホームゲームラスト2試合はともに関西勢対決となり、第31節のガンバ大阪戦では2万1665人、第33節の京都サンガF.C.戦では2万323人を動員。後半戦はアビスパ福岡戦以外の16試合で1万8000人以上を動員している。

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9位:川崎フロンターレ
ホームスタジアム:等々力陸上競技場(収容可能人数:2万6827人)
平均入場者数:1万9840人

 複数回にわたる回収を経て2万6827人を収容できるスタジアムになった等々力陸上競技場をホームスタジアムとする川崎フロンターレは、今季のリーグ戦で平均1万9840人を動員している。ホームゲーム全17試合を等々力で開催しており、収容率は約74%となっている。

 その平均収容率の高さからもわかるように、毎試合のようにスタンドの大半が埋め尽くされる。横浜F・マリノスとの開幕戦では今季最多の2万2563人、第3節の湘南ベルマーレ戦では2万1171人と、序盤戦の神奈川ダービーはほぼ満員という結果になっている。ただ、マリノスには1-2で敗れ、湘南には1-1の引き分け、第5節ではセレッソ大阪とスコアレスドロー、第8節では名古屋グランパスに1-2で敗戦。リーグ戦における等々力初勝利は第12節まで待たなければならなかった。

 今季は早々に優勝争いから脱落し、2012シーズン以来となる8位という成績に終わったが、それでも入場者数が大きく落ちることはなかった。後半戦もアルビレックス新潟戦で1万7557人が最低だったが、これは金曜開催だったことが伸び悩んだ理由に挙げられるだろう。神奈川ダービーや浦和レッズ戦など、ほぼ満員の試合も多いだけに、現在予定されている改修により収容人数が拡大すれば、さらに動員数はアップするだろう。

8位:鹿島アントラーズ
ホームスタジアム:県立カシマサッカースタジアム(収容可能人数:3万8620人)
平均入場者数:2万2031人

 県立カシマサッカースタジアムをホームスタジアムにする鹿島アントラーズは、2023シーズンに平均2万2031人を動員した。新型コロナウイルスが流行する前の2019シーズンは2万569人で、今季はそれを約1500人上回る。リーグ戦では浮き沈みが大きく、結果的に5年連続の無冠となったが、動員数という点で見ると、2001年以来の2万2000人超えと大健闘となった。

 動員数を伸ばした大きな理由は、国立競技場開催だろう。5月14日に行われた名古屋グランパスとの一戦は「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」と銘打たれ、5万6020人が来場した。この国立開催には賛否の声が上がったが、カシマスタジアムでは動員できなかった人数という事実に変わりはない。

 一方で、その後の動員が伸び悩んだのも事実だ。対戦相手など様々な事情があるにせよ、国立開催から7試合連続で2万人割れとなり、第29節の浦和レッズ戦も直近のゲームで無冠が決まったことが影響したかのように、3万人を割っている。常勝軍団と呼ばれていた時代があっただけに、タイトルから遠ざかる近年はそれが動員数に影響しているのかもしれない。

7位:ヴィッセル神戸
ホームスタジアム:ノエビアスタジアム神戸(収容可能人数:2万9913人)
平均入場者数:2万2553人

 クラブ悲願の初優勝を果たしたヴィッセル神戸は、入場者数でもクラブ記録を更新した。アンドレス・イニエスタがシーズン途中に加入した2018シーズンは2万1630人、翌シーズンは2万1491人だったが、それを上回る2万2553人が1試合平均で詰めかけたことになる。

 浦和レッズや横浜F・マリノスといった人気クラブとの試合を除けば、序盤戦は2万人を割る試合も多かった。それでも、イニエスタの神戸ラストマッチとなる第19節の北海道コンサドーレ札幌戦には2万7630人が入場。この試合を含めてイニエスタの今季のリーグ戦出場時間は95分に留まったが、その注目度の高さを改めて感じさせる一戦だった。

 優勝に向けて首位を走る中でも動員数はさほど伸びなかった。それでも、優勝が見えてきた第28節のセレッソ大阪戦では2万6959人を動員。さらに、国立競技場で行われた第30節では5万3444人を動員している。

 国立での一戦に勝利した神戸は第33節で優勝に大手をかける。名古屋グランパスとの一戦にはほぼ満員となる2万7898人がつめかけた。この一戦に勝利した神戸は初優勝を決めるとともに、クラブ史上最多動員記録も更新している。

6位:アルビレックス新潟
ホームスタジアム:デンカビッグスワンスタジアム(収容可能人数:4万1684人)
平均入場者数:2万3113人

 惜しくも総計40万人という大台には届かなかったものの、アルビレックス新潟は1試合平均で2万3113人を動員している。2013シーズン以来の2万3000人超えとなり、チームは見事にJ1残留というミッションを軽々超えている。

 ホーム開幕戦となる第3節の北海道コンサドーレ札幌戦ではいきなり2万5468人を動員している。続く川崎フロンターレ戦では2万7288人を記録。注目度の高さを実感させる大観衆だった。

 その2試合は、今季最多には遠く及ばない。最も多くの観衆を集めたのは、6月11日の京都サンガF.C.戦。今季最多の3万136人が見たかったのは、この試合を最後にベルギーへ旅立つ伊藤涼太郎の最後の雄姿だろう。新潟は伊藤のラストマッチを勝利で飾ることはできなかったが、新潟サポーターは伊藤のプレーをその目に焼き付けている。

 後半戦も湘南ベルマーレ戦(2万8329人)、浦和レッズ戦(2万7775人)をはじめ、コンスタントに多くの観衆を集めている。アウェイゲームではあるが、名古屋グランパス戦では5万7058人が国立競技場に詰めかけた。関東圏以外のチーム同士の対戦だったが、ゴール裏は多くの新潟サポーターで埋め尽くされていた。

5位:ガンバ大阪
ホームスタジアム:パナソニックスタジアム吹田(収容可能人数:3万9694人)
平均入場者数:2万3273人

 2015年に竣工されたパナソニックスタジアム吹田をホームスタジアムとするガンバ大阪は、今季、計39万5639人を集めた。リーグ5位の平均2万3273人を1試合平均で動員しているが、2019シーズン(2万7708人)に比べると4000人以上も減少している。

 サガン鳥栖との開幕節こそ2万5865人を動員したが、それ以降は2万人を割る試合がほとんどに。ゴールデンウィークに行われた第11節のセレッソ大阪戦こそ今季最多の3万4517人を記録したが、第9節の横浜FC戦では今季最少の1万4577人となってしまった。様々な理由が複合的に絡み合うが、やはり成績の低迷がその理由の1つになっていることは否めない。

 その後、チームは復調して、8月19日に行われた湘南ベルマーレ戦では3万2567人、浦和レッズ戦では3万135人を動員。しかし、終盤にチームは失速。ヴィッセル神戸との最終節では3万2397人を動員したものの、前の試合でJ1初優勝を決めた相手に0-1で敗れ、自身は7連敗という最悪の形でシーズンを終えている。

4位:名古屋グランパス
ホームスタジアム:豊田スタジアム(収容可能人数:4万3739人)
平均入場者数:2万7504人

 今季、名古屋グランパスはホームゲームで46万7575人を動員。1試合平均では2019シーズンに迫る2万7504人と、まずまずの結果になっている。静岡県にJ1クラブがない今季は地理的に隣県とのクラブと対戦する機会がリーグ戦ではないにもかかわらず、関東圏や関西圏のクラブを迎えた一戦では大観衆を集めている。

 前半戦で最も観衆を集めたのは、第11節のヴィッセル神戸戦だった。5月3日とゴールデンウィークに行われたことに加え、1位と3位という上位対決がこの試合を一層注目させた。新型コロナウイルス感染症によるパンデミック後、初のチケット完売となったこの一戦は、試合終了間際の藤井陽也のゴールで名古屋が2-2に追いつく劇的な展開となった。

 8月5日のアルビレックス新潟戦は、28年ぶりに国立競技場で開催され、5万7058人を動員している。続く第28節・鹿島アントラーズ戦(3万8642人)、第26節・横浜FC戦(3万3235人)、北海道コンサドーレ札幌戦(3万6950人)と3試合続けて3万人超えを記録。動員という面で惜しかったのは、ラスト2試合で豊田スタジアムが使えなかったことだ。さらに、パロマ瑞穂スタジアムは建て替え工事が行われており、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で2試合が開催された。

3位:横浜F・マリノス
ホームスタジアム:日産スタジアム(収容可能人数:7万1624人)
平均入場者数:2万7716人

 日産スタジアムをホームスタジアムとする横浜F・マリノスは、2019シーズンを上回る2万7716人を動員している。惜しくも連覇は達成できなかったが、集客面ではホームゲーム17試合で47万1164人を動員し、現行の試合数におけるクラブ最多入場者数記録を更新している。

 前半戦は第2節の浦和レッズ戦(3万4035人)、第10節の名古屋グランパス戦(3万3048人)など、多くの観衆を集めた試合も多かったが、天候に恵まれなかった第5節・鹿島アントラーズ戦(2万8478人)、金曜日にニッパツ三ツ沢競技場で開催された第3節・サンフレッチェ広島戦(1万854人)など動員が伸びなかった試合もあった。

 それでも、後半戦は9試合のうち6試合で3万人以上を動員している。第21節・川崎フロンターレ戦では今季最多の4万2772人を動員し、第29節・ヴィッセル神戸戦(3万800人)、第33節・アルビレックス新潟戦(3万4335人)は金曜開催にもかかわらず、3万人を超える観衆が詰めかけている。惜しくも優勝を逃すこととなったが、集客という意味ではマリノスの歴史を塗り替えたシーズンだった。

2位:FC東京
ホームスタジアム:味の素スタジアム(収容可能人数:4万7851人)
平均入場者数:2万9410人

 J1唯一の首都クラブだったFC東京は、リーグ2位の入場者数を記録している。アルベル監督の下で戦う2年目のシーズンはなかなか波に乗れず、6月にアルベル監督は解任された。新型コロナウイルスの流行から1試合平均の入場者数は大きく回復したが、最終節まで横浜F・マリノスと優勝を争った2019シーズン(3万1540人)から大きく下げることとなった。

 浦和レッズとの開幕節では3万8051人を動員したが、味の素スタジアムで行われた15試合ではこの試合の入場者数を超えることはなかった。ただ、「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」と題した第13節・川崎フロンターレ戦では5万6705人を動員。国立競技場で行われた多摩川クラシコでホーム最多入場者数記録を更新している。

 FC東京は第25節・ヴィッセル神戸戦も国立競技場で開催しており、こちらでも4万8634人を動員している。ただ、味の素スタジアム開催のゲームでは動員数が伸び悩み、2万人を割る試合がシーズンを通して2試合。国立開催がなければ入場者数はさらに落ちていたと推測できる。

1位:浦和レッズ
ホームスタジアム:埼玉スタジアム2002(収容可能人数:6万2010人)
平均入場者数:3万0509人

 AFCチャンピオンズリーグや天皇杯、YBCルヴァンカップでも勝ち残り、史上最高レベルの過密日程をこなす今季の浦和レッズだったが、入場者数は首位を守った。平均で3万人を超えたクラブは浦和レッズのみである。

 5月のAFCチャンピオンズリーグ決勝第2戦では5万3374人を動員しているが、リーグ戦で最も多くの観衆を集めたのは、第20節・FC東京戦(4万9108人)だった。優勝の望みをわずかに残していた第32節・ヴィッセル神戸戦はそれに次ぐ4万8144人を動員。4万人を超えたのは計4試合で、第16節・鹿島アントラーズ戦(4万5575人)、第22節・横浜F・マリノス戦(4万2664人)の2試合も4万人を超えている。

 トップをキープしたものの、2019シーズン(3万4184人)からは大きく落とす結果となった。優勝を争える状況ではなかったことも要因の一つかもしれないが、序盤戦の2試合が埼玉スタジアムの芝の張替えのため使用できず、2万1500人収容の浦和駒場スタジアムで開催したことも影響したのだろう。また、後半戦の4試合がAFCチャンピオンズリーグの影響で金曜開催となった影響も大きく、そのうち3試合が2万人台前半の入場者数に留まっている。

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