ドジャースとヤンキースが“世界一胴上げ投手”と佐々木朗希の争奪でワールドシリーズの延長戦?!
ドジャースからFAとなっているワールドシリーズの胴上げ投手のウォーカー・ビューラー(30)のヤンキース移籍の可能性があることが22日(現地時間23日)、明らかになった。MLBネットワークの番組内でジョン・モロシ記者が伝えたもの。またヤンキースは、ドジャースとの密約説が話題となった佐々木朗希(23)の獲得にも乗り出す考えで、ワールドシリーズで世界一を争った両チームはオフのストーブリーグでも激しい延長戦に入った。
ヤンキースオーナーは佐々木を「とてつもない投手だ」
ドジャース生え抜きの球宴2度出場の右腕で、今季はポストシーズンで大活躍して世界一に貢献した先発右腕のビューラーがヤンキースに強奪される可能性が出てきた。敏腕記者で知られ、「プレミア12」の取材で来日中のモロシ記者が、MLBネットワークの番組内で注目の情報を伝えた。
「ビューラーとヤンキースは相互に何らかの関心を示していると聞いている。それは素晴らしいストーリー展開だ。前年のワールドシリーズで打ち負かしたチームに優勝チームから誰かが移籍することは前例のないことではない」
ビューラーはトミー・ジョン手術で2023年のシーズンは投げなかったが、今季から復帰。レギュラーシーズンは、16試合に先発し1勝6敗、防御率5.38の成績に終わったが、クレイトン・カーショー、タイラー・グラスノーらが故障で離脱したポストシーズンではフル回転。メッツとのリーグチャンピオンシップシリーズの第3戦で先発して4回無失点、ヤンキースとのワールドシリーズの第3戦では5回無失点で勝利投手となり、さらに第5戦では、7-6で迎えた9回に緊急ストッパーとして起用されて胴上げ投手となった。山本由伸に次ぐ第3の先発の立場に浮上したが、ドジャースはクオリファイング・オファーを提示せず、ESPNによるとFA史上では3年5200万ドル(約80億円)の契約での移籍が予想されているという。
ヤンキースは、すでにエースのゲリット・コールの残留が決まり、カルロス・ロドン、クラーク・シュミット、ネストル・コルテス、マーカス・ストローマン、そして新人王に輝いたルイス・ギルと6人のローテーション候補が固まっている。それでもモロシ記者は「ヤンキースはローテーの強化を求めている」という。
オフのストーブ情報に詳しい米サイト「トレード・ルーマーズ」によると、「ヤンキースは、ファン・ソトとの再契約を最優先事項にしている」ものの、投手陣の強化をオフの補強ポイントと考えており、コービン・バーンズ、マックス・フリード、ブレイク・スネル、ショーン・マネアらにも関心を寄せているという。
「もしビューラーをローテーに加えるとトレードが必要になる。コルテスやストローマンがトレードの有力候補と見られており、トレードで打線やブルペンの補強ニーズに対応する可能性がある」と、ビューラー獲得の背景にあるヤンキースの戦略を説明した。
ドジャースvsヤンキースのストーブリーグでの激突はこれだけではない。ドジャースは、7億ドル(約1080億円)の攻防とされるソトの交渉に乗り出し、ヤンキースの専門サイトは、同じくFAであるドジャースの守護神ブレーク・トレイネンの獲得を提案している。
そしてワールドシリーズの“延長戦”のもう一つの目玉は、千葉ロッテからポスティングによるメジャー挑戦を表明している佐々木だろう。
「ニューヨークデイリーニュース」によると、ハル・スタインブレイナーオーナーは、「佐々木のハイライト映像しか見たことがないが、とてつもない投手だ」と絶賛。「日本人選手(佐々木)のポスティングの可能性について、本当の議論はまだ全くしていない」としたものの、「でも他のクラブと同じように、きっとそうなる(交渉に乗り出す)だろう」との意向を示した。
「スポーティングニュース」は「ヤンキースは球速102マイル(約164キロ)の速球を持つ日本のエースと契約する候補に加わるだろう」との見出しを取った記事を掲載している。
佐々木の移籍先を巡っては、サイヤング賞投手で今季途中から千葉ロッテでプレーしたダラス・カイケルが「ニューヨークポスト」に「ドジャースと契約したという噂を聞いた」と語り、「ESPN」が球団幹部の話として「30球団中30球団が佐々木はドジャースに行くと信じている」と報じるなどドジャースとの密約説が流れた。
ロブ・マンフレッドコミッショナーが、それらの疑惑を打ち消すために、佐々木の契約が「25歳ルール」により、各球団に割り当ててられたボーナスプール金がリセットされる来年1月15日になる見通しを示し、タンパリングなどについて徹底的にチェックしていく意向を明かす事態にまで発展。
佐々木の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏は、米サイト「ジ・アスレチック」に疑惑を完全否定すると共に、情報をリークしている球団の幹部を「私が示してきた誠意を侮辱している。スポーツマンシップに欠ける行為だ」と批判している。
ワールドシリーズで1勝4敗という屈辱的な完敗を喫したヤンキースにしてみれば来年に向けて始まっている“オフの戦い”でドジャースに遅れを取りたくないのが本音だろう。ビューラー、佐々木、そして超大物ソトを巡って水面下で激しい争奪戦が続きそうだ。
11/24 07:02
RONSPO