「ドジャースと契約が成立したという噂を聞いた」佐々木朗希のロッテ同僚の元サイヤング賞左腕カイケルがNYポスト紙で注目発言…「ヤンキース、メッツは話の中心になかった」
千葉ロッテが佐々木朗希(23)のポスティングによるメジャー挑戦を認めたことで今オフのメジャーのフリーエージェント市場で最も注目される投手の一人となった。その中で今季途中から千葉ロッテでプレーした元サイヤング賞左腕のダラス・カイケル(36)がニューヨークポスト紙の電話取材に答え「ドジャースとの契約が成立したとの噂を聞いた。ヤンキース、メッツは話の中心になかった」との注目発言を行った。カイケルは佐々木がシーズン中から英語を勉強していたことを明かして「彼は史上最高の投手になれると思っているし本当にメジャーで活躍できると思う」とも証言した。ポスティング申請の締め切りは12月15日だ。
「メジャーで活躍できる。彼にできないことは何もない」
全米に衝撃を与えた“令和の怪物”のメジャー挑戦。米メディアのFA選手への関心は、本来契約条件と移籍先チームだが、今回佐々木は「25歳ルール」の対象選手で契約金に制限があるため、その焦点は「どこといつ決まるか」に絞られた。
大谷翔平(30)、山本由伸(26)が所属する“世界一”ドジャースが最有力との見立てが、ほとんどだが、その中で今季途中から千葉ロッテに入団し、佐々木と共にプレーしたメジャー通算103勝左腕のカイケルが、ニューヨークポスト紙上で「ROKI SASAKI」について語り尽くした。
「全体として信じられないほど素晴らしい。彼にできないことは何もない」
そう絶賛したカイケルは移籍先について注目発言を行った。
「(日本で)ヤンキースの帽子も何個か目にしたが、行くところすべてでシャツや帽子にドジャースの“D”が入っていたんだ。ドジャースとすでに契約が成立したという噂を聞いたことがある。(ドジャースが)彼のための計画を立てていると。もし私が(カジノのある)ラスベガスにいれば、間違いなくそこ(ドジャース)を最有力に入れる(賭ける)だろう。しかし、わからない。我々はそのことについてあまり話したことがなかった」
あくまでも噂レベルと言えど、元サイヤング賞投手の耳に「すでにドジャースに決定」とのニュースが入っていたのだ。ちなみにもし契約が成立していればタンパリングで大問題になるので、あり得ない話だが、それだけドジャースが大本命だということなのだろう。
一方で、そのドジャースとワールドシリーズで戦ったヤンキース、リーグチャンピオンシップで戦ったメッツという東海岸の資本力のある強豪2チームについての佐々木の興味の具合をこう話した。
「我々は東海岸の2チームについても話したことがある。ドジャースが優位に立っている理由は、(大谷)ショウヘイや山本、そして2017年のプレーオフでダルビッシュが投げたことのあるチームだからだと思う。日本のどこへ行ってもドジャースの試合は、朝にテレビ中継されているが、それは彼らの存在があるからだ。我々は、ピンストライプ(ヤンキース)やメッツについて簡単に話したが、その話の中でも中心になる球団ではまったくなかった」
カイケルの受け取った印象からすると、ヤンキース、メッツの2球団は、佐々木の意中の球団ではないということになる。
またカイケルは、佐々木を細かく分析してその能力を「60」から「80」という数値で表した。カイケル独自のスカウティングレポートによると投球術は「70」。
「ストレートが序盤に決まっていなかったことを何度が見た。だが、彼は、そこでスライダーやスプリットでもストライクを取ることができた」
ストレートのレベルは「70」以上。
「93(約150キロ)から94マイル(約151キロ)を投げることができて成功している」
カイケルは、ネット裏に陣取っていたメジャーのスカウトや関係者に「インパクトを残そう」として佐々木が時々100マイル(約161キロ)以上に球速をアップしていたことも明かした。ベストの変化球は、スプリッターで「65」から「70」。スライダーは「70」で「このボールは80にするチャンスがある。それこそが彼がどれだけ優れているかということだ。彼はディラン・シーズのようにできるし、球数の60%で投げることもできる」と、今季ノーヒットノーランをやってのけたスライダーの“申し子”であるパドレスのシースに重ねた。そして課題とされていたメンタルについても「プラスプラスだ」と高く評価した。
カイケルは「私は普段厳しい評価をするが、彼はまだ23歳だから寛大にした。私は24歳でデビューししっかりと成長するまでさらに2シーズンかかった。そして私は23歳の彼が、とても素晴らしい打者を打ち取っているのを目にした。MLBで活躍できるだろうと本当に思っている」と太鼓判を押した。
カイケルは今季千葉ロッテに途中で加入して8試合に登板、2勝4敗、防御率3.60の成績に終わったが、チームメートと親交を深めるために夕食会を開いた。そこで、佐々木の性格や英語を勉強していたことも知ったという。
「知性があり、情報を欲し、クラブハウスでも役立つ存在だった。彼は好奇心が強い若者だが、日本の文化の中では、とても寡黙だ。しかし彼は勝つことを望み、野球を愛している。だからそれを無視することはできない。彼は最高の投手になりたいと思っている。そして史上最高の投手の1人になれると彼が思っていると、私は本当に信じている」
佐々木は千葉ロッテの5年間で、一度も規定投球回数をクリアしたことがなく、今季も故障で長期にわたって戦列を離れるなど、中4日、中5日できっちりとローテーを回すメジャーで通用するのか?という疑念の声もある。だが、その才能を間近で見てきたカイケルは、将来性も含めて成功を信じて疑わない。
果たして佐々木は、どこのユニホームを着てメジャーデビューするのか。ポスティング申請の締め切りは12月15日。交渉期間は米球団への通知から45日間となっている。
11/11 06:39
RONSPO