「侮辱するな!」一部球団が佐々木朗希のドジャースとの密約の疑いをMLBコミッションに抗議…代理人は疑惑を全面否定して怒りのコメント!

 メジャー挑戦を表明している千葉ロッテの佐々木朗希(23)とドジャースの密約説について一部の球団がメジャーリーグのコミッショナーに抗議していることが明らかになり、代理人を務めるワッサーマンのジョエル・ウルフ氏は、その疑惑を否定すると共に怒りの声をあげた。米スポーツサイト「ジ・アスレチック」が伝えたもの。ロブ・マンフレッド・コミッショナーも、佐々木の密約については徹底的に取り締まる考えであることを明かした。まだ正式なポスティング申請はされていないが早くも佐々木の移籍先を巡る問題が大騒動となってきた。

 「疑いが出れば徹底的に捜査して真相を突き止める」

 日米にまたがる“佐々木狂騒曲”が新たな騒動に発展した。今季途中から千葉ロッテでプレーした元サイヤング賞受賞投手のダラス・カイケルがニューヨークポスト紙の取材に対して「ドジャースとの契約が成立したとの噂を聞いた」と明かし、ESPNが関係者の話として「30球団中30球団がドジャースに行くと信じている」と報じるなど、まことしやかにドジャース密約説が流れる中、一部の球団がMLBコミッションに疑惑を抗議していることが明らかになったのだ。
 米スポーツサイト「ジ・アスレチック」が「佐々木のポスティグによるメジャー挑戦が表明されたとき(複数の球団の)フロントの幹部たちは、すでに結果は背後で前もって決まっているとの憶測を続けてきた。関係者たちは、佐々木がロサンゼルス(・ドジャース)と密約のようなものを交わしていると疑った。関係者によると、幹部たちは少なくとも非公式にそうした噂をコミッショナーのオフィスへと持ち込み、ドジャース上層部も、そうした動きを耳にしてきた」と報じたもの。
 ロブ・マンフレッド・コミッショナーは20日(日本時間21日)に佐々木の契約問題に触れ、「25歳ルール」に対象選手である佐々木の契約が、各球団に割り当ててられているボーナスプール金がリセットされる来年1月15日以降となる見通しを明かしたが、それはドジャースとの疑惑の密約説に対する答えだったという。
 同サイトによると、ドジャースのボーナスプール金の金額についても問われたマンフレッド氏は、「メディア対応の研修で疑い深いことに関する質問には答えないようにと言われている。だからこれらのことに答えることを止めることができる。ただ、そういったものを振り払う形となるという意味であれば、契約はタイミングもあって新たなプール期間に起きるだろう。それが重要な事実となる。だが、何が起こるかは分からない。もし我々のルールのひとつに反することが起きたと考えられる何らかの理由があれば、我々は徹底的に調査して真相を探ろうとするだろう」と返答。タンパリングや密約について目を光らせ、徹底的に取り締まる考えであることを明かした。

 

 

 また同サイトは、「国際アマチュア選手との密約は禁じられているにもかかわらずラテン・アメリカから来る選手については常に発生してきている」とし、今年の3月にMLB機構が、中国、韓国、日本、メキシコの4か国のプロ野球球団と、メジャー球団の間による『非公式な労働協定』、つまり業務提携を禁じた理由には、これらを防止する目的であったことを説明した。
 横浜DeNAは、ダイヤモンドバックス、日ハムはレンジャーズと業務提携を結び、キャンプでのコーチの招聘などを行っていたが、今年3月に提携を解消していた。この業務提携禁止について、改めてマンフレッド氏は、「情報交換は完全に許されたものだ。こうした協定で出てくる懸念は、米国の球団が選手たちに優先的に接触でき、それが多くの選手にまで広がることだ。そして我々は常にそれを許さないように細心の注意を払ってきた」と説明している
 そして、このマンフレッド氏のメディアへの発言後に呼応するかのように怒りの声をあげたのが、佐々木の代理人のウルフ氏だ。
 同サイトによると「私を良く知り、私とビジネスを多くやってきた多くの(球団)幹部たちが、不正な合意のようなもの(ドジャースとの密約)に私が関わっていると、ほのめかすことで、私の誠実さを侮辱している。これは実にスポーツマンシップに欠いた行為だ」とコメントした。
 ウルフ氏は、ダルビッシュ有山本由伸らの代理人も務めている。
 同氏は、具体的に「どの球団の誰」とは、示さなかったが、ドジャースとの密約説をメディアにリークしている複数の球団関係者に怒りの声をあげると共に、密約疑惑を完全否定した。
 一方で元レッズナショナルズのGMでMLBアナリストのジム・ボウデン氏が、「85%の確率でドジャース以外の球団と契約するだろう」との見通しを伝えるなど、まだ佐々木が正式なポスティング申請を行っていないというのに、あらゆる情報が錯綜している。
 ポスティング申請の締め切りは12月15日で、各球団にそれが通知されてから45日間が交渉期間。マンフレッドコミッショナーが明かしたように、佐々木の正式なポスティング申請は、その締め切りの最終日になりそうだ。

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