ようやく出たジャッジのワールドシリーズ初本塁打! 初回にWS5戦目、19打席目で初アーチ…ヤ軍初の先取点

◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース―ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、3勝1敗で王手をかけて迎えたワールドシリーズ第5戦の敵地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、初回先頭の1打席目は中飛に倒れた。

 ようやく出た。初回。1死からソトが四球を選んで迎えたジャッジの第1打席。初球だった。フラーティーの甘く入った93・7マイル(約150・8キロ)の直球を完璧にとらえた。打球速度108・9マイル(約175・3キロ)の放物線が、飛距離403フィート(約123メートル)と伸びて、右翼席に吸い込まれた。その瞬間、本拠地のヤンキースタジアムは大歓声に包まれた。ジャッジは一塁を駆け抜けるとガッツポーツ。ナインがダグアウトの屋根を叩きながら、祝福する歓喜のトンネルを端から端まで通過した。

 ドジャースは、コールの前に大谷、ベッツ、フリーマンのMVPトリオが3者凡退。するとヤンキースは1死からソトがフラーティから四球を選んで出塁すると、ジャッジがワールドシリーズ5戦目、19打席目にしてようやく初本塁打を放った。ヤンキースは5戦目にして初めて先取点をたたき出した。さらに続くチザムもソロで続いて2者連続アーチを描いた。ヤンキースのワールドシリーズでの2者連続弾は1977年以来47年ぶり。ジャッジは第4戦終了時点でワールドシリーズは15打数2安打の打率1割3分3厘、ポストシーズン全体でも46打数7安打の打率1割5分2厘、2本塁打、7打点と沈黙していた。

 だが、前日の第4戦では1打席目に四球を選び、8回の第5打席では左前適時打を放ち、同シリーズ初打点を上げた。その回一挙5点の大量得点に貢献。試合後は「先はみない。まず明日の試合に勝つことだけを考えている」と、語っていたジャッジ。前夜からの集中力を途切れさせることなく、結果を出した。試合前のブーン監督は「状態が上がって、状況判断も良くなっている。誰よりもホットな絶好調まで、あと少しのところだ」と分析。主砲の完全復活を予想していた矢先の快音だった。

 キャプテンに続けとばかり、続くチザムは左翼へのソロで、打者連続アーチ。球場はもう耳をつんざく大音響だ。崖っぷちのヤンキース。エリミネーション第2戦は、最高の立ち上がりとなった。試合前には、ヤンキースが最後に世界一になった09年のワールドシリーズでMVPに輝いた松井秀喜氏(50)が始球式。過去初戦から3連敗したチームがワールドシリーズで2勝以上をした例はないが、伝統の常勝軍団が大逆転へ向けて好発進を切った。

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