爆音で走る車が好きな人は「サイコパスかサディストの男」との研究結果

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近所から改造マフラーの騒音や、大型バイクのエンジン音が鳴り響いてうんざりした経験がある人は多いはず。このような車を所有したいという願望がある人は、人格にも難がある可能性が高いことが心理学的な研究で確かめられました。
A desire for a loud car with a modified muffler is predicted by being a man and higher scores on psychopathy and sadism
https://cipp.ug.edu.pl/A-desire-for-a-loud-car-with-a-modified-muffler-is-predicted-by-being-a-man-and-higher,162006,0,2.html
Who Wants a Loud Car? | Psychology Today Canada
https://www.psychologytoday.com/ca/blog/human-individual-differences/202305/who-wants-a-loud-car
Who likes loud cars? Ontario study suggests they skew young, male and score high on psychopathy and sadism | CBC News
https://www.cbc.ca/news/canada/london/loud-car-study-psychology-1.7177688
Study Links Preference For Loud Cars to Some Unsurprising Personality Traits : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/study-links-preference-for-loud-cars-to-some-unsurprising-personality-traits
カナダのウェスタン・オンタリオ大学の心理学者であるジュリー・エイトケン・シャーマー氏は今回の研究で、大学の経営学部の学生529人にうるさい車が欲しいかどうかを尋ねて、回答者の性格と比較しました。参加者の平均年齢は18.14歳で、性別は男性が289人、女性が234人、そのほかが6人でした。
この研究は、愛犬の散歩をしていたシャーマー氏がうるさい車に遭遇し、一体なぜそんなに音を立てたがるのか疑問に思ったのがきっかけとのこと。しかし、シャーマー氏が専門家として文献をあたっても、その疑問の答えは見つかりませんでした。「マフラーや排気システムを改造して音を大きくするカスタマイズをする人がいますが、こうした改造は人や動物に迷惑を与えるものであり、大抵は違法なので、どんな人が車から騒音を出したがるのか理解するのは興味深い研究テーマです」とシャーマー氏は語っています。

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研究を開始したシャーマー氏は、まず参加者にアンケートを実施して、「私の車は、私を私たらしめているものの延長線上にある」「うるさい車は本当にクールだと思う」「できることなら、マフラーを改造して自分の車をもっとうるさくしたい」という3つの文章を示して、どれくらい同意できるかを1~5で回答してもらいました。
参加者はさらに、本人の性格特性を評価する28項目の質問にも回答しました。心理学の分野では、マキャヴェリズム(権謀術数主義)、ナルシシズム(自己愛症)、サイコパス(精神病質)の3つの性格特性は、利己主義や他人の利用、共感の欠如といった後ろ暗い側面を反映することからダークトライアドと呼ばれますが、今回はさらにサディズム(加虐性欲)を加えた4つの性格特性を明らかにする「ショート・ダークテトラッド」というテストが採用されました。
なお、参加者が受けるテストではマキャベリズムは「ずる賢い」、ナルシシズムは「特別」、サイコパスは「ワイルド」、サディズムは「意地悪」と言い換えられたとのことです。
参加者の車の好みと性格を比較して分析した結果、サイコパスとサディズムの両方で高いスコアを獲得した男性はうるさい車を好む傾向があることがわかりました。具体的には、男性であることと、サディスティックでサイコパス的な性格特性を持っていることが、車に関する好みの差異の29%を占めていました。一方、マキャベリズムやナルシシズムと車の好みとの間に関連性はありませんでした。

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うるさい車が好きな人ほど性格が悪いという分析結果は、おおむねシャーマー氏が事前に立てた仮説の通りでしたが、ナルシシズムと車の騒音との間に関係がなかったのは意外だったとのこと。なぜなら、ナルシシストの人は大きな音を出すことで自分に関心を集めようとしている可能性があると予想されていたからです。
今回の研究は、参加者が全員同じ大学で同じ学部に在籍している若者という偏りがあるため、そうでないグループにも当てはめられるかどうかはわからない点に注意が必要です。
その上で、シャーマー氏は「大音量で車を走らせる人は、他人に迷惑をかけるためにわざとそうしており、またそれ自体が目的になっている可能性があることを示唆している点で、今回の研究は気がかりです。試験的な研究なので結論を出すにはさらなる研究による再現が必要ですが、大音量の排気装置を持つ車が増えているとの報道があることを踏まえると、この結果は特に憂慮すべきものです」と述べました。

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