人材支援の「アイドマ」子育ての悩みを解消する「cozreマガジン」傘下に 主婦向け求人拡充

営業支援や人材支援を手がけるアイドマ・ホールディングス<7373>は2024年9月末に、子育ての悩みを解決するメディア「cozreマガジン」を運営するコズレ(東京都千代田区)を子会社化した。

「cozreマガジン」は、子育て中の両親の心理や行動特性を探求し、子育ての不安や悩みを解消することを目的としており、世帯会員数は2024年1月時点で約110万に達する。

一方のアイドマは2015年に主婦のための求人サイト「ママワークス」の運営を始め、約50万人が会員登録している。

「ママワークス」と「cozreマガジン」の会員属性が近いため、両メディアの会員数の増加が見込まれることなどから子会社化に踏み切った。

アイドマは2017年に、オンラインコミュニケーションツールを手がける「meet in」を子会社化したあと、2021年の仮想デスクトップ(VDI)向けセキュリティサービスの「どこでもデスクトップ」事業の譲り受けや、2022年の経営層を対象とするビジネスマッチング事業の「CXOバンク」の子会社化など多くのM&A実績を持つ。

人材支援分野では2024年9月に、クラウドソーシング(不特定多数の人がオンライン上で仕事の受発注を行うこと)事業に乗り出しており、コズレの子会社化はこの事業の拡充にもつながる。同事業のさらなる発展に向け、コズレに続くM&Aの可能性もありそうだ。

アイドマ・ホールディングスの主なM&A

インターネットの成長とともに業容を拡大

コズレは「cozreマガジン」や、子育て世帯向けお出かけコミュニティの「cozreコミュニティ」の運営のほかに、企業向けに「cozreマガジン」に掲載する商品やサービスを紹介する広告記事の作成や、コズレ会員を対象にした商品やサービスの広告メールの配信、コズレ会員を対象としたマーケティングリサーチなどのサービスを展開している。

2013年の設立で、保育園環境に関する情報の発信から始まり、インターネット市場が成長する中で、市場調査や、調査レポートの発行、広告などに業容を拡大してきた。

東京商工リサーチによると2024年3月期の売上高は3億6100万円(前年度比35.2%増)で、当期損益は2600万円の赤字(前年度は1億1100万円の赤字)だった。

クラウドソーシングサービスに参入

アイドマが手がける人材支援事業には、ハイエンドなビジネス人材が多い「CXOワークス」、若手の消費者向けビジネス経験者が多い「リワーク」、大学生向けの「インターンワークス」と、今回の主婦層が中心の「ママワークス」の四つのサービスがある。

これらサービスによって得られたクラウドワーカーのスキルや経験、稼働実績などをもとに開発したシステム「タレントナビ」を用いて、顧客がクラウドワーカーの適性や実績をより正確に把握したうえで、業務を依頼することができるクラウドソーシングサービスの展開を始めた。

「ママワークス」は、出産や子育て、介護などを理由に、退職を余儀なくされた主婦が在宅で短時間からでも働ける環境を作るための求人サイトで、コズレの子会社によって会員増加を見込む。

アイドマでは月間約3000人のクラウドワーカーが稼働しており、「ママワークス」の会員の増加によってクラウドワーカーの稼働数が増加すれば「タレントナビ」の拡充にもつながる。

アイドマの2025年8月期は売上高130億円(前年度比22.4%増)、営業利益29億円(同17.5%増)と2ケタの増収営業増益を見込む。

コズレの業績が加わるとともに、「ママワークス」や新規事業であるクラウドソーシングサービスとの相乗効果が現れれば、上振れも考えられそうだ。

文:M&A Online記者 松本亮一


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