船井電機株を仮差押えしたサイバー・バズって、どんな会社?
船井電機・ホールディングス(大阪府大東市)の子会社で中堅AV(音響・映像)家電メーカー船井電機の株式が東京地裁から仮差押え処分を受けた。申請したのはネット広告のサイバー・バズ<7069>だ。同社はどんな会社なのか?
SNSを活用した広告ビジネスを手がけるサイバー・バズ
サイバー・バズは2006年に設立、人気ブロガーが商品を紹介する「CyberBuzz」(現 Ripre)を立ち上げた。2012年にSNSキャンペーンサービスの「ポチカム」(同)、2017年にインフルエンサーネットワークサービス「NINARY」、SNSを利用したインフルエンサーコマースメディア「to buy」など、SNSマーケティングサービスを次々と立ち上げた。2019年には東証マザーズ市場(現 グロース市場)に上場している。
現在はインフルエンサーサービスやSNSアカウント運用、インターネット広告販売、そしてデジタルマーケティング人材に特化した転職支援やコーチングサービスソーシャルメディアマーケティング事業とヒューマンリソース(HR)事業を展開している。さらにライブ配信プラットフォーム事業なども手がけている。
同社のビジネスモデルは、ソーシャルメディアを通じて企業と消費者をつなぐこと。インフルエンサーサービスではNINARYやRipreといった自社メディアを活用し、SNSアカウント運用では「Owgi(オウギ)」というSNS運用管理ツールを提供。インターネット広告販売ではSNS広告の運用やUGC(ユーザー生成コンテンツ)の制作を手がけている。
ソーシャルメディアマーケティング事業で成長を継続
同社の強みはデータドリブン(データ収集・分析の結果に基づいて意思決定する手法)で総合的なSNSソリューションを提供できること。
17年間にわたり蓄積してきたデータを活用し、インフルエンサーマーケティングからSNSアカウント運用まで一気通貫で対応できる体制を整えている。併せて幅広い分野のインフルエンサーとのネットワークを持ち、広告クライアントのニーズに合った施策を提案できるという。
同社は国内のソーシャルメディアマーケティング市場が、2023年の約1兆円から2027年には約1兆8000億円に成長すると予想している。そこでSMM(ソーシャルメディアマーケティング)事業の継続成長を目指し、新たなサービスの提供にも力を入れていく。
すでにNINARYやRipreに続く収益性の高い自社メディアの開発を進めており、新規事業部門を立ち上げてソーシャルメディア領域での新たな収益の柱を育てる計画だ。2024年9月期は売上高67億2000万円、営業利益が4億7000万円を見込んでいる。
2021年にスタイル・アーキテクト(東京都港区、2023年に売却)、2022年にはアーティストとファンとのLIVEトークアプリなどを展開するWithLIVE(東京都渋谷区)を買収するなど、近年はM&Aにも乗り出している。
文:糸永正行編集委員
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