「築地銀だこ」のホットランド、焼き肉店運営のショウエイ買収で業容拡大

たこ焼「築地銀だこ」を主力とするホットランド<3196>が3年ぶりにM&Aに踏み切った。

同社はもつやき専門店「日本再生酒場」「もつやき処 い志井」などの事業を取得した2021年に続き、2024年7月に焼き肉店「昇家」などを運営するショウエイ(名古屋市)を子会社化した。

「和のファストフード」を拡充するとの事業戦略に沿った決断で、「銀だこハイボール酒場」などで培った酒場事業のノウハウや経営資源を、同じ酒場事業の「昇家」の運営に活かすことで、ショウエイの成長を加速する。

ホットランドは2018年には、お好み焼店「ごっつい」を運営するアイテムを子会社化しており、今後もM&Aによる業容の拡大は続きそうだ。

両社の酒場事業を融合

ショウエイは、「昇家」5店舗のほかに、「李昇 本館」「ホルモンショウヤ」の合わせて7店舗の焼き肉店を名古屋市内で運営している。

2024年3月期の売上高は11億4100万円(前年度比4.7%減)で、営業損益は2600万円の赤字(前年度は3100万円の赤字)だった。

ホットランド子会社で、銀だこハイボール酒場などを運営するオールウェイズ(東京都中央区)が、ショウエイの全株式を取得しており、両社の酒場事業を融合させることで、事業拡大を目指す。

3期連続の増収増益に

ホットランドは1988年に創業。当初から、たこ焼などさまざまな和風ファストフード商品の開拓に取り組んでおり、1997年に「築地銀だこ」1号店を、2007年に「銀のあん」1号店を、2009年に「銀だこハイボール酒場」1号店をそれぞれオープンし、事業の幅を広げていった。

主なM&Aについては、2010年にホットランド加盟店の京や産業(現・ホットランド大阪)を子会社化したあと、2013年におおがまやチェーンを運営するみんなひとつコーポレーション(現・大釜屋)を、2014年に米国のアイスクリーム専門店の日本国内でのマスターフランチャイズ権を保有するコールド・ストーン・クリーマリー・ジャパンを傘下に収めた。

ホットランドの沿革と主なM&A

業績は2020年12月期、2021年12月期に2期連続の営業減益となったものの、その後は回復。2024年12月期の売上高は450億円(前年度比16.2%増)、営業利益28億円(同25.3%増)と3期連続の増収増益を見込む。

2023年12月には、「カラオケまねきねこ」を展開するコシダカホールディングス<2157>との間で業務・資本提携携契約を締結。

「カラオケまねきねこ」でのホットランドの冷凍たこ焼の販売をはじめ、「カラオケまねきねこ」と「銀だこハイボール酒場」などの相互送客や共同展開、海外での共同出店などに取り組む計画で、事業の幅が一段と広がる見込み。

好業績と積極姿勢を背景に、次のM&Aに踏み切りそうだ。

ホットランドの業績推移

2024/12は予想

文:M&A Online記者 松本亮一

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