“スーパーバイク”日本車頂上対決! ホンダ「CBR1000RR-RファイヤーブレードSP」とヤマハ「YZF-R1M」をスペックで比較すると軍配はどちらに?【ライバル比較】
ホンダ「CBR1000RR-R SP」とヤマハ「YZF-R1M」はライバル関係かつ各モデルの上位グレードになります。両車をスペック面で比較してみましょう。
1000ccクラスに到達したのはヤマハが先
バイクのレースとしては「MotoGP」が世界で最も有名かつ頂点のレースです。
そしてMotoGPに次ぐ規模のバイクレースが「スーパーバイク世界選手権(SBK)」といえます。
実際にSBKは、MotoGPへの登竜門にもなっています。
SBKに使用されるバイクは、MotoGPのような専用のスペシャルマシンではなく市販車です。
厳密には市販車をベースとしたレース専用車を使用しますが、公道車検に通るか通らないかの違い、すなわち保安部品の有無の違いしかないと考えて差し支えありません。
いずれにせよ、二輪免許保持者が普通に買って乗れるバイクの完成度がレースの結果を左右するのです。
最高排気量は1000ccで、SBKに出場するメーカー各社はそのレギュレーションに沿ったSSマシンを市販しています。
日本メーカーももちろん1000ccのSSを市販しています。
中でもホンダ「CBR1000RR」は最も有名な国産SSでしょう。
CBR自体は1980年代から存在していますが、1000ccモデルの初代CBR1000RRが登場したのが2004年です。
現行型は4代目で、モデル名も「CBR1000RR-R」となりました。
CBRとライバル関係にあるのがヤマハ「YZF-R1」です。1998年に初代が登場し、現行型は9代目となっています。
1000ccクラスのSSとしては、R1のほうが先に発売されています。CBRのトップエンドは、それまでは900ccクラスでした。
それでは現行型のスペックを比較してみましょう。両モデルとも上級グレードの「CBR1000RR-R SP」、「YZF-R1M」を比較します。
ボディサイズは、R1のほうが全長と全幅、そしてホイールベースが小さくなっています。
対してCBRは、全高とシート高がR1よりも小さい値です。
R1のほうが全長およびホイールベースが短い分、コーナリング重視の設定といえそうです。
ヤマハには昔から“ハンドリングのヤマハ”という異名がありますが、最新・最高のSSでもそれが体現されていることが、車体まわりのスペックから読み取れます。
HONDA CBR1000RR-R FIREBLADE SP
車体サイズ:2105×750×1140mm
ホイールベース:1455mm
シート高:830mm
車両重量:201kg
YAMAHA YZF-R1M ABS
車体サイズ:2055×690×1165mm
ホイールベース:1405mm
シート高:860mm
車両重量:202kg
コーナリングかラストひと押しのパワーか
水冷直列4気筒DOHC4バルブという形式は共通しているものの、両車のエンジンは全く別物といえます。
最高出力はCBRのほうが18PSも上回っています。218PSという値は、世界の市販SSの中でもトップクラスです。
さらにその発生回転数もR1より500rpm高くなっています。
“限界まで追い込んでからもうひと伸びできる”というのがCBRのエンジンの特徴といえそうです。
数値としては小さいものですが、プロが扱う限界領域での差は違うはずです。
ハンドリングのヤマハに対して明確に違う狙い所ともいえます。
ただ、R1が負けているわけではありません。馬力に差があっても、最大トルクの値は両車同じなのです。
しかもその発生回転数はR1のほうが500回転下です。トルクは加速力です。
例えば低速コーナーからの立ち上がりで、R1のほうがワンテンポ早く加速ならびにシフトアップしていけるということになります。
ちなみにR1は、「クロスプレーン」というクランクシャフト形式を採用しています。
横から見ると十時の形状になっているのがクロスプレーンで、アクセルに対してリニアな駆動力を引き出すことができ、排気音も倍音豊かな独特の音色を奏でます。
HONDA CBR1000RR-R FIREBLADE SP
エンジン形式:水冷直列4気筒DOHC4バルブ
排気量:999cc
最高出力:160kW(218PS)/14000rpm
最大トルク:113Nm(11.5kgm)/12000rpm
トランスミッション:6速MT
YAMAHA YZF-R1M ABS
エンジン形式:水冷直列4気筒DOHC4バルブ
排気量:997cc
最高出力:147kW(200PS)/13500rpm
最大トルク:113Nm(11.5kgm)/11500rpm
トランスミッション:6速MT
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CBR1000RR-R SPとYZF-R1Mの価格差は34万1000円と小さくはない差があります。
6軸センサーを用いた車体の制御に加えて電子制御サスペンションを搭載するといった豪華装備は両車同レベルです。
しかしチタン製コンロッドまで採用してパワーアップを果たしたCBRが300万円を下回るプライスで販売されていることはバリューが高いといえそうです。
ただ、R1はドライカーボンを用いたカウルを採用するなどスーパーバイクらしい高品質感を備えています。
価格差はあるものの、実際に購入するとなるとどちらを選ぶか大いに悩むのではないでしょうか。
HONDA CBR1000RR-R FIREBLADE SP
車両本体価格:284万9000円
YAMAHA YZF-R1M ABS
車両本体価格:319万円
10/16 14:10
VAGUE