“ジープ最小”の新型「アベンジャー」リアシートの居住性が気になる “待望の上陸”を果たしたコンパクトSUVの後席は快適か?

ジープの最小モデルである新型「アベンジャー」がついに日本上陸を果たしました。その乗り味を中心にさまざまな情報がすでに発信されていますが、本記事ではSUVなら気になるリアシートの快適性についてチェックします。

コンパクトサイズの新型「アベンジャー」は居住性に難あり!?

 ジープのラインナップ中、最小のモデルであるコンパクトSUV新型「アベンジャー」が先ごろ上陸しました。本記事では実車をチェックする上で分かったリアシートの快適性についてレポートします。

ジープ新型「アベンジャー」

ジープ新型「アベンジャー」

 2022年10月の「パリ国際モーターショー」で世界初公開されたコンパクトSUVの新型「アベンジャー」は、2023年1月にヨーロッパで正式発表。そして先ごろ、日本に上陸を果たしました。

 ジープブランド初のBEV(電気自動車)としてデビューを飾った新型「アベンジャー」ですが、欧州仕様にはすでにマイルドハイブリッド仕様やガソリンエンジン車もラインナップ。現状、日本仕様はBEVのみの設定ですが、マイルドハイブリッド仕様の上陸にも期待が高まります。

 新型「アベンジャー」は、全長4105mm、全幅1775mm、全高1595mmという、コンパクトなボディサイズが印象的。ちなみに全長は、これまでジープのラインナップで最もコンパクトだった「レネゲード」より150mmも短くなっています。

 エクステリアデザインは、伝統の“7スロットグリル”や力強さを感じさせるフェンダーやスキッドプレートなど、ジープならではのディテールが散りばめられ、力強さを感じさせます。

 ジープのラインナップ中、最もコンパクトな新型「アベンジャー」ですが、インテリアはなかなか機能的。なかでも、ポケット類が充実したフロントシート回りは、優れた収納力を備えています。

 そんなインテリアは、シンプルかつセンスいいデザインが印象的。目にするたびに乗る人の気分を高揚させることを目指してデザインされたものだといいます。また、エクステリア、インテリアともに、各部にジープの隠しキャラがあしらわれているのもポイント。遊び心があふれています。

 コンパクトサイズなだけに気になる荷室容量は、リアシートの背もたれを立てた状態で355リッターを確保。さらに、リアバンパー下で足を動かすだけで開くハンズフリーパワーリフトゲートを備えるなど、利便性にも優れています。

 そんな新型「アベンジャー」のBEV仕様は、最高出力156馬力のモーターで前輪を駆動。バッテリー容量は54.06kWhで、1回の充電で486kmの走行距離(WLTC計測)をマークします。

 また、ジープ伝統の優れたオフロード性能も継承。走行モードを「マッド」、「スノー」、「サンド」などさまざまな路面状況に適した6種から選択できる“セレクトテレイン”システム”や、急な下り坂でもスピードを一定に保ったまま走行するヒルディセントコントロールなどを装備しています。

●コンパクトSUVでもリアシートは必要にして十分な広さ

 新型「アベンジャー」はコンパクトとはいえSUVだけに、仲間や家族とレジャードライブに出かけるといった使い方を想定している人も多いのでは? そこで気になるのがリアシートの居住性です。

 実際、リアドアを開けて乗り込んでみると、新型「アベンジャー」のリアシートは決して広くはありませんが、コンパクトなボディサイズにしては必要十分のスペースが確保されていることに気づきます。

 身長が約170cmのドライバーが適切なドライビングポジションをとると、その背後に座る後席乗員のヒザ前にはコブシひとつ分ほどのスペースが残ります。加えて、フロントシート下につま先が収まるので、しっかりとした着座姿勢をとれば、ある程度のロングドライブにも対応できそうです。

 そんな新型「アベンジャー」のリアシートで感心させられるのが、ヘッドクリアランスに余裕があること。リア後端まで水平に近い状態で伸びるルーフラインのおかげで、後席乗員の頭上にはコブシ1.5個以上のゆとりがあります。また、両サイドのウインドウが大きくとられているので、開放感も上々です。

 ただし、BEVのためかセンターコンソールが後方へと大きく張り出していて、リアシート中央の乗員は窮屈な思いを強いられます。リアシートは最大2名までのスペースと割り切った方がいいでしょう。

 ちなみに、リアシートの乗員向けの快適装備は、ひとつだけ備わるUSB-Cポートのみ。ドアポケットやセンターアームレスト、エアコンの吹き出し口は備わっていないため、あくまでフロントシートの乗員を重視したパッケージングであると考えた方がよさそうです。

* * *

 新型「アベンジャー」のリアシートは、コンパクトなボディサイズから想像する以上に心地よく過ごせる空間でした。街乗りがメインで、普段はフロントシートしか使わないという人にとっては、魅力的なモデルといえそうです。

ジャンルで探す