原付二種を意識させない“フルサイズのスポーツバイク” スズキ「GSX-R125」は軽快なハンドリングが魅力のスーパースポーツ

日本のバイクメーカー各社が発売している現行モデルの中から、注目のバイクをピックアップ。その人気の秘密をひもときます。本記事ではスズキの“原付二種”スーパースポーツ「GSX-R125」にフォーカスします。

125ccクラスならではのスポーツ性能を味わえる

 スズキの「GSX-R」というシリーズ名は、“レーサーレプリカ”と呼ばれていた時代から同社のスポーツバイクの代名詞的存在です。

 その名を受け継ぐ「GSX-R125」は2016年に発表され、日本では2018年に発売されました。

スズキ「GSX-R125」

スズキ「GSX-R125」

“原付二種”ではあるものの、前後に17インチホイールを採用する“フルサイズ”と呼ばれるスポーツモデル。フルカウルをまとったエクステリアも「GSX-R」の血統を感じさせるレーシーなものです。

 搭載されるエンジンは、水冷のDOHC4バルブ。現行の125ccモデルは最高値(=欧州連合の“A1ライセンス”の上限)となる15psとハイスペックです。

 ライバルに相当するヤマハ「YZF-R125」のエンジンは、SOHCでVVA(可変バルブ)機構を採用するなど、低回転域でのトルクと高回転域での伸びを両立していますが、「GSX-R125」は思いっきり高回転に振った特性です。

 車体は125ccクラスらしく非常にスリムで、シート高もあまり高くないので足つき性も良好。車重も軽いので小柄な人やエントリーライダーにも馴染みやすいバイクといえます。

「GSX-R125」の足回りは、ライバルモデルが倒立式フォークを採用するのに対し、細身の正立式を採用。見た目の迫力こそ劣りますが、車体とのバランスを考えると十分。というよりも、こちらの方がバランス的に優れているかもしれません。

 実際に走らせてみると、このクラスらしい軽快なライディングを味わえます。

 スリムな車体は左右にヒラヒラとバンクさせることができ、峠道などを走るのは「楽しい」のひと言。高回転型エンジンの“おいしい回転域”をキープしながらワインディングを走る、スポーツライディングの真骨頂を味わえます。

 近年、125ccのフルサイズバイクは、豪華な装備などでひとクラス上の車格と見まごうモデルが増えていますが、「GSX-R125」は125ccらしい魅力にフォーカスしたバイクといえます。

 ちなみに、同じ車体とエンジンにアップタイプのハンドルを採用したストリートファイター的モデル「GSX-S125」もラインナップ。少し楽な乗車姿勢が好みならこちらを選ぶのもアリでしょう。

 スズキの「GSX-R125」は、エントリーライダーがテクニックを磨くためのバイクとしても、ベテランライダーのセカンドマシンとしても、ほかとはひと味違った魅力を味わえるに違いありません。

●製品仕様
・価格(消費税込):45万3200円
・サイズ:2000×700×1070mm
・ホイールベース:1300mm
・シート高:785mm
・車両重量:137kg
・エンジン:水冷単気筒DOHC4バルブ
・総排気量:124cc
・最高出力:15ps/1万500rpm
・最大トルク:11Nm/8500rpm

ジャンルで探す