“原付二種”人気の牽引役! ホンダ「グロム」は見ても乗っても楽しい!! ライディング技術を磨くのにも好適

日本のバイクメーカー各社が発売する現行車種の中から、注目のモデルをピックアップ。その人気の秘密をひもときます。今回はホンダの“原付二種”が注目を集めるきっかけとなった「グロム」にフォーカスします。

レースでも活躍する素性のよさが魅力

 近年、“原付二種”クラスを席巻しているのがホンダのレジャーバイクシリーズ。その起点となったのが今回フォーカスする「グロム」です。

ホンダ「グロム」

ホンダ「グロム」

 初代「グロム」は2013年に誕生。その後、外観デザインの変更などマイナーチェンジを繰り返し、2021年にはエンジンを一新。2024年にもデザインが一部変更されています。

 搭載されるエンジンは、「スーパーカブ」シリーズなどにも積まれる”横型”と呼ばれるシリンダーが水平近くまで前傾したもの。このパワーユニットに前後12インチのホイールを組み合わせています。

 横型エンジンと小径ホイールの組み合わせは、その後「モンキー125」や「ダックス125」にも受け継がれることになりました。現在の“原付二種”レジャーバイクの隆盛も、この「グロム」があったからこそ、といえるでしょう。

 もうひとつ、「グロム」の魅力といえるのが、コンパクトな車体ながらライディングテクニックの基礎を身につけられること。車体や足回りの完成度も高いため、ミニバイクレースのベース車としても人気があります。

 ホンダのHRC(株式会社ホンダ・レーシング)からは、レース向けのベース車両もリリースされているほど。全国各地でおこなわれているシリーズ戦には多くライダーが参戦者しています。

 筆者(増谷茂樹)もこのレースベース車両でミニサーキットを走ったことがありますが、車体の動きが素直でコントロール性が高いため、テクニックを磨くのに最適なマシンだと感じました。

 特に、2021年にエンジンを一新して以降のモデルはトランスミッションも5速化されており、スポーツライディングを楽しむには最適。シートも、凹凸のない前後にフラットな形状のため着座位置の調整がしやすく、ライディングポジションの自由度が高くなっています。

 同じ横型エンジン搭載バイクの中で最もエンジン出力が高く、それでいて価格は40万円を切るなど買い得感が高い「グロム」。

 ホンダの“原付二種”モデルの中ではやや地味な存在ではありますが、ステップアップを考えているライダーや、久しぶりにバイクに乗るリターンライダーの1台目としておすすめできる1台です。

●製品仕様
・価格(消費税込):39万500円
・サイズ:1760×720×1015mm
・ホイールベース:1200mm
・シート高:761mm
・車両重量:103kg
・エンジン:空冷単気筒OHC
・総排気量:123cc
・最高出力:10ps/7250rpm
・最大トルク:11Nm/6000rpm

ジャンルで探す