自民総裁選告示 千葉県からは8人が「推薦人」に 斎藤経産相は小泉氏支援へ

12日に告示された自民党総裁選には9人が立候補し、千葉県からは小林鷹之前経済安全保障担当相(衆院千葉2区)が届け出た。当初は斎藤健経済産業相(同7区)も意欲を見せたが、立候補に必要な推薦人20人を得られず、断念した。9候補の推薦人には千葉選出の衆参国会議員15人中8人が名前を連ねた。自民県連は選挙人となる県内の党員・党友計3万1523人に対し、投票用紙の往復はがきを一斉に発送した。

「天下を狙う9人の強い思いが伝わってきた。皆、演説がうまい。自民は人材の宝庫だと改めて感じた」

千葉県選出のベテラン議員は同日、党本部で行われた9候補による立会演説会の直後、取材にこう語った。同県選出の議員は衆院に11人、参院に4人いる。

このうち、小林前経済安保相の推薦人名簿には、選挙区が隣り合う松本尚防衛政務官(同13区)と、小林氏のお膝元、八千代市の市長経験がある豊田俊郎参院議員(千葉選挙区)の名前があった。

猪口邦子元少子化担当相(参院千葉選挙区)は国際政治学者で、世界情勢に明るい。こうした経緯もあり、通じ合った上川陽子外相の推薦人になった。

桜田義孝県連会長(衆院比例南関東)は加藤勝信元官房長官の保守的な思想や政策に共鳴し、同氏の推薦人になった。

河野太郎デジタル相は、同じ麻生派に所属する森英介元法相(衆院千葉11区)と英利アルフィヤ衆院議員(同5区)が推薦した。

門山宏哲法務副大臣(衆院比例南関東)は旧石破派に所属してきたことから石破茂元幹事長を推薦した。

旧茂木派を率いる茂木敏充幹事長は、同派で1回生の臼井正一参院議員(千葉選挙区)の推薦を受けた。

複数の自民関係者によると、総裁選出馬を断念した斎藤経産相は今後、平成21年衆院選での初当選同期である小泉進次郎元環境相の支援に回るとみられる。

永田町のベテラン秘書はこう語る。

「過半数を得られず上位2人で臨む決選投票を見越し、あえて最初から特定の候補を推そうとはしない議員もいるようだ。『勝ち馬に乗る』作戦なのだろう。他に、世論調査の動向を見て投票先を判断する議員もいるようだ。いずれにせよ構図は決まった。本格的な権力闘争はこれからだ」

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