戦略映す推薦人 各陣営を分析 決選投票にらみ各派分散

自民党総裁選の9候補が12日、20人の推薦人名簿を提出した。

高市早苗経済安全保障担当相の推薦人は安倍派(清和政策研究会)が14人。保守・積極財政派がそろい、安倍晋三元首相の後継色が前面に出ている。

小林鷹之前経済安保担当相の推薦人は1人を除き衆院当選5回以下、参院当選2回以下だ。5派の中堅・若手が並び、刷新感がある。

林芳正官房長官の推薦人は旧岸田派(宏池会)が15人。林氏が参院議員経験者のためか参院議員が推薦人の半数の10人を占めた。

小泉進次郎元環境相の推薦人は無派閥が14人だが、三原じゅん子氏ら参院議員全4人を含め、菅義偉前首相に近い議員が目立つ。

上川陽子外相の推薦人は女性が7人と9候補で最多だ。上川氏は旧岸田派だが、推薦人は麻生派(志公会)が9人で最も多い。

加藤勝信元官房長官の推薦人は、加藤氏と同じ岡山県が選挙区の議員と所属する茂木派(平成研究会)の一部、医療・看護系議員が中心だ。

河野太郎デジタル相の推薦人は、所属する麻生派が9割の18人に上る。前回総裁選と異なり、同派の候補との色彩が濃い。

石破茂元幹事長の推薦人は谷公一前防災相ら過去の総裁選で石破氏を支持してきた議員が中心となった。安倍派や女性はいない。

茂木敏充幹事長の推薦人は茂木派が14人を占めた。他派の推薦人5人のうち3人は茂木氏と同じ栃木県選出議員だ。

各派の議員は複数の陣営に分散した。だが、決選投票ではまとまって行動する可能性もある。

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