“二軍の帝王”リチャード 契約更改でソフトバンクと大揉め…それでも「放出できない理由」

ソフトバンクのプロ7年目、リチャード内野手(25)が球団と真っ向から衝突、大モメしている。

リチャードは11月22日に行われた契約更改で推定年俸1000万円の現状維持をよしとせず保留した。

「交渉後は会見場を素通りして帰ろうとしたため、報道陣が慌てて駐車場に本人を捕まえに行く事態に発展しました」(球団関係者)

今シーズン、1軍での打率は2割2分6厘、1打点。長距離砲らしからぬ、2年連続ノーアーチに終わった。それもあってか、年俸がアップしなかったことに不服なわけではない。

「2軍では18本塁打で、通算5度目のウエスタン・リーグ本塁打王となりました。ホームランバッターとしての片鱗は見せ続けているのですが、1軍出場はわずか15試合で、首脳陣が一向に起用しないことを腹立たしく思っています。そのため取材対応でも『誰かのケガ待ちですか?』と球団への嫌味をぶちまけたのです。ここ数年、リチャードは球団幹部に対して毎年12月上旬に開催される現役ドラフトで『俺を放出してくれないか』と訴えているのです」(球団OB)

今シーズンから1軍監督に就任した小久保裕紀監督(53)は昨年までの2年間、2軍監督を務めておりリチャードの実力は熟知している。

「一方で、寝坊や怠慢プレーを繰り返していることに『アイツはいつまでたっても成長しない』と評価はかなり低い。もともと、挨拶や礼儀作法に厳しい監督だけに、かみ合わなくなった歯車を元に戻すのは至難の業です」(前出・球団関係者)

リチャードは沖縄尚学高から2017年育成ドラフト3位で入団。ここまで関係がこじれたのなら本人、球団双方のためにもトレードで放出するのが一番話がまとまりそうなものだが……。

「このままでは年俸調停に突入して、さらに双方の心証が悪くなるのは時間の問題。ソフトバンクは今年も10人以上の育成選手に戦力外通告しているのですが、頑なにリチャードだけは決断できない。球団側がリチャードの申し出を拒否し続けているのは、“未完の大器”ゆえ、他球団に行かれて活躍されると、即フロントの責任問題にも発展する危険性があるからなんです」(前出・球団OB)

前出の球界関係者によれば、球団側から現役ドラフトやトレードの申し出があった場合「リチャードなら喜んで話を聞くという球団は多い」という。今年の現役ドラフトの開催日は12月9日。リチャードの命運はいかに。

ジャンルで探す