お風呂入らないし着替えるの面倒だし… ラウンド後“ゴルフウエアのまま”しれっと帰宅するのはマナー違反なの?

基本的にはラウンドを終えたら着ていた服に着替えますが、ゴルフウエアのまま帰宅するのはマナー違反に該当するのでしょうか。

ゴルフウエアのまま帰るゴルファーは多い

 ラウンド終了後には汗を流すためにお風呂やシャワーを浴び、ロッカールームでゴルフ場に来たときの服にもう一度着替えたうえで帰るのが、基本的な流れです。

ロッカーで着替えてから帰るのが普通のイメージがあるが… 写真:PIXTA

ロッカーで着替えてから帰るのが普通のイメージがあるが… 写真:PIXTA

 ところが、なかには「家が近いからお風呂に入らないで帰る」「2回も着替えるのが面倒」などの理由で、ゴルフウエアを着たまま帰りたいと考えている人もいるかもしれません。

 一般的に、ゴルフ場ではドレスコードに沿った着こなしをするべきですが、実際のところどうなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「以前は『クラブハウスの中はドレスコードが必須なので、帰宅する際は着替えてからがマナー』という風潮もありました。しかし、実際にクラブハウスの中を見渡してみると、ゴルフウエアのままフロントで精算を済ませ、そのまま帰宅する人も多く見かけます」

「ドレスコードはあっても『ゴルフをプレーするための服装でいるのは不自然ではない』という考え方は一般化しているので、大抵のゴルフ場の場合は着替えずにゴルフウエアで帰宅しても特に問題はないでしょう。ただ、着替えを入れておくボストンバッグなどにジャケットを突っ込むとしわだらけになってしまうので、腕にかけるか肩に軽くはおるのが無難だと思います」

「来場する際にドレスコードが定められている場合はそれに従った方が無難ですが、最近では夏季限定でジャケットの着用義務を免除にしているところや、コロナがきっかけでロッカールームが混雑しないよう、行きでもゴルフウエアのままでいいとしているところも増えています」

 実際、SNS上では「帰りはゴルフウエアのまま派」「行きも帰りもゴルフウエア派」「必ずクラブハウスで着替える派」と、さまざまな意見が見受けられます。なかには「カジュアルなコースはゴルフウエアのままだけど、名門コースに行くときは着替えてから帰る」というように、状況に応じて切り替えている人もいるようです。

 ゴルフ場によって服装に関する規定はさまざまなので、ホームページを見たり問い合わせたりすれば迷わなくて済むでしょう。

 一方で、靴に関しては帰る前にゴルフシューズから革靴などに履き替えるのがベストです。硬いアスファルトやコンクリートの上では、ゴムとはいえスパイクの付いたシューズは歩きづらいですし、何より外部から病原体が持ち込まれることによって、コースの芝に病気がうつってしまう恐れがあるからです。

海外ではクラブハウス内でもドレスコードが異なる

 また、飯島氏は「海外と日本とでは、ドレスコードの考え方は似て非なるもの」と話します。

「ゴルフ場も『社交場』の一つなので、ジャージや作業着のようなあまりにもラフな服を着てくるのは適切ではありません。そのような観点から『ジャケットおよび襟付きシャツ着用」のようなドレスコードが定められているのです。しかし日本の場合は分かりやすさを追求した結果、クラブハウス内における全てのエリアで同じレベルのドレスコードを求めてきた過去があります」

「そのため、かえってビギナーを中心に『ここはゴルフウエア禁止なの? そうでないの?』と混乱してしまう人が続出しているのかもしれません。海外のクラブハウスの場合は『ここはゴルフウエアOK』『ジャケット・ネクタイ省略可』『ジャケット・ネクタイ必須』など、明確にゾーニングを行っているのが普通です。日本ももう少しドレスコードに対する説明を詳しくしてほしいと思います」

 ドレスコードが緩和されつつある一方、それぞれの場所での正しい服装についてゴルフ場から指摘される機会はあまりないため、「帰りも着替えなければならないのか」と考える人もいるかもしれません。しかし、名門コース以外ではウエアのまま帰宅している人も多いようなので、ゴルフウエアのまま帰ることはマナー違反ではないというのが答えといえるでしょう。

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