1本800円もするティーや高級ツアーボールを使う必要はあるの!? ゴルフにおける「消耗品とコスト」について考察した
ゴルフギアには次々と新製品が登場していますが、消耗品であるティーやボールは高額と安価のどちらを選べばいいのでしょうか? ゴルファーにとってメリットデメリット、一般ゴルファーが消耗品にかけるべきコストなどについて考えてみました。
丈夫でなくならない1本800円の高額ティーがジワリ人気に!
世界屈指のドラコン王カイル・バークシャー選手をはじめ、世界中のドラコン選手がこぞって使用している「トルネードティー」は、何と1本約800円もする超高額ティー。ラウンドでなくなってしまう消耗品なのに、ナゼこんなに高額なグッズが話題になっているのでしょうか。
百聞は一見にしかず、ということで実際にラウンドで使ってみましたが、たしかに高額のことだけはある納得の性能を実感できました。
ラウンドで1ヤードの飛距離にこだわっているわけではない私でも、インパクトの抵抗が非常に少なく、何となく振り抜きがいい気がしました。秘密は、先端部の約3分の1がモノフィラメント構造になっていて、柔らくて軽いこと。
ドライバーヘッドがその部分に当たるので摩擦抵抗を軽減してくれて、ボールにすべてのエネルギーが伝わるということのようです。また、ショット後も地面にティーが刺さったままで、とにかく壊れないうえに、飛んでなくならないことにも大きなメリットを感じました。
とはいえ、一般レベルの飛距離である私には大きな違いは分からなかったというのが正直な感想でした。
高価なプレミアムパフォーマンスボールは使ってこそ分かるメリットがある
ゴルファーのコスト感覚が大きく異なるボールは、1個約600円以上のプレミアムパフォーマンスボールから、1個100円前後のロストボールまで価格帯もカテゴリーも多種多様。
「どうせなくなるもの」「何を使ってもスコアは変わらない」というの考え方もあり、廉価なボールを使っているアベレージゴルファーも多いようです。
その考えを否定するつもりはまったくありませんが、事実をいってしまうとプレミアムパフォーマンスボールは、価格差以上のメリットがあります。
クラブの性能を引き出す弾道が出やすいだけでなく、プレーの質を高めてくれるショット内容の向上も期待できます。さらに、非常に丈夫で劣化しにくいため、2ラウンドぐらいは余裕で使えるほど耐久性も進化しています。
現代の主流であるウレタンカバーボールが登場する数十年前までは、バラタというカバー素材を使った糸巻きボールがプロ・上級者のメイン球となっていました。
その価格は何と1個700円以上。それでも少しでもトップするとカバーが切れ、ナイスショットを続けていても中の糸ゴムが切れて球体がいびつになってしまうほどぜい弱でした。好フィーリング&高いスピン性能ではありましたが、バラタカバーの糸巻きボールはコストが非常にかかる消耗品だったわけです。
それと比較すると現代のウレタンカバーのプレミアムパフォーマンスボールは本当に飛んで止まりますし、曲がりにくくもなっています。
一方、数十年前から廉価なボールとして一定の支持を受けているツーピースボールは基本構造が今も変わらず、消耗品としての存在価値が高いのも事実。ただ、「安いからなくなってもいい」というプレー思考になってしまっている停滞期のゴルファーは、「高いから簡単になくせない」と思えるプレミアムパフォーマンスボールを使ってみる価値は、想像以上にあると思います。
スコアアップを目指すなら消耗品にも自分のニーズに合わせたものを選ぶべき
木製ティーよりもインパクト時の抵抗が少なく、ムダなスピンを減らしてボール初速や打出角が高くなる「高性能ティー」は、その多くが自然に還らず芝刈り機の刃を痛めてしまうプラスチック製です。しかし最近は、土壌や海でも生分解する新素材を使った「リバイブティー」など、中価格ながら多機能な消耗品グッズも増えつつあります。
「どうせなくなるから」と考えるのか、プレーの質を高めたいと考えるのか、消耗品はゴルファー個々の志向と価値観で選べばいいと思います。
しかし、クラブを新調したり練習やレッスンでナイスショットできるようにしてスコアメイクを図るなら、ボールやティー、グローブなども志向に合わせて選ぶことが必要になります。
生活必需品ではないゴルフ用品は、ただプレーするだけならコストを抑えることも十分に可能です。しかし少しでも「もっと飛ばしたい」「スコアアップしたい」と思うのなら、スイングやクラブだけでなく消耗品にもこだわるべきです。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
11/11 09:10
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