アマチュアの約3割といわれる「100切り」は通過点!? その先にある「90切り」をかなえる練習法と考え方
アマチュアで「100切り」達成者は3割強というデータもあります。ビギナーには登竜門といえるスコアですが、「とりあえず100切り」といえるほど簡単なハードルではなさそうです。では、どうすれば「100切り」達成者の仲間入りができるのでしょうか。
100切りで満足なら優先すべきは「ボールに当てる&前に進む」
アマチュアにとっては登竜門といえるスコア「100切り」。実はすべてのアマチュアの3割強しか達成できていないというデータもあります。「とりあえず」や「誰でも簡単」といった言葉で片づけられるものではないということです。
数多くのアマチュアをクラブチャンピオンやベストスコアに導いている東京・亀戸のインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに、100切りを目指す場合の練習やコースでの考え方を聞いてみました。
数字的にはボギー9個&ダブルボギー9個なら合計スコア99で達成できることは誰でも分かっています。しかし100切り未達成ゴルファーの実際のプレーは、OB、池、バンカーなどのハザードでのトラブル、そして3、4パットなどが立て続けに出てしまい、トリプルボギー以上の大叩きが何ホールか起こっています。
逆にいえば、OBなどのペナルティーやトラブルを避け続けていれば、100切りのプレーができるともいえます。
「ドライバーはいらない」「とにかく刻む」「軽くスイングして真っすぐ打て」などといった意見があるのも、100を切るために必要なプレーの具体的方法論だからです。「ボールに当てる&前に進むを優先すべき」ということですね。
しかし多くのアマチュアを見た私の経験則からすれば、100切りを達成したゴルファーで「100切りは一度で満足」という人に会ったことはほとんどありません。
その日のうちに「次は90切りしたい!」と考える人の方がはるかに多く、今話した「100しか切れない対処法」は必要ないのかもしれないと、私は考えています。
90切りを目指せる練習をしておけば失敗しても「100は切れる」
誰もが「90切り」へと目標を上げていくことを踏まえて、私は「100切り」達成前から「90切り」達成のためのレッスンをしています。つまり、ほぼボギーペースでラウンドする「90切り」のプレーを失敗した時に、結果として「100は切っていた」ことを狙う考え方です。
実際に100切り達成者は、「ギリギリ奇跡で100切り」よりも、「90切りが目指せる」状態の人が大半で、スムーズな準備を進めることができます。
まず、パー4やパー5のティーショットで使うドライバーと、セカンドショットで距離を稼ぐフェアウェイウッドまたはユーティリティーを普段から精力的に練習。少しでも自信が持てる番手にしてもらいます。
特に飛距離がスコアメイクに重要なシニアや女性の場合、レッスンの定番である7番アイアンのハーフスイングばかりではなく、ウッドがうまく打てるスイングも同時も身につけてもらうことが不可欠なのです。
そもそも物理的にパーオンできない(届かない)プレースタイルでは、状況によって安全策や刻みの選択をするというマネジメントができません。また、将来訪れる飛距離アップの課題から逃げてしまうことにもなりかねません。
長い番手であるウッドが「練習では打てる」ようにミート率や方向性の向上を目指しながら、ラウンド時にはその日の調子やコース状況によって短い番手も使える選択肢を残しておく。この「大は小を兼ねる」スイング作り&マネジメントを基本にしています。
練習は地味でつまらなくなりがちですから、シミュレーションゴルフのコースモードを使うこともあります。それを通じて、そのショットの必要性や重要性が認識できるようにするのです。もちろんスコアに直結するアプローチやパターももちろん練習します。
80切りはアマチュアラウンドの5%未満! 悪くてもボギーが取れる思考術とは?
「100切り」や「90切り」は、ボギーペースでのプレーにいくつかナイスショットやラッキーがあれば達成可能です。でも「80切り」になるとハードルは一気に上がります。アマチュアのスコア統計では5%未満といわれています。
「80切り」には少なくとも11個のパーが求められますから、どんなホールでもパーオンするだけのショット力が必要になってきます。ティーショットでは飛ぶに越したことはないですが、それ以上にセカンドショットでグリーンに乗せられそうなエリアに打つだけの精度が求められます。
自己流で何とか上達して「90切り」したゴルファーでも、目標が「80切り」になると習得する技術レベルが上がり、非常に高い壁となって立ちはだかります。
ボギーペースの「90切り」のマネジメントでは「とりあえず乗せればOK」というアプローチや「ここは2パットでOK」だったパターも、「80切り」だと「寄せなければ」「入れなければ」で臨まなければならないのが現実です。
大半の「80切り」達成者は長年努力を重ね、数多くのラウンドでの失敗を糧に、自分なりに頑張ってスコアメイクすることを実践してきたゴルファーたちです。ひとホールなら取れる「パー」や「悪くてもボギー」を18ホールでそろえられる実力が「80切り」には必要になります。
スポーツ歴がなくても、年齢や体格に恵まれなくても、マイペースでじっくり上達に取り組んでいる方々は「80切り」思考になりかけているといえるでしょう。実際に私のスタジオでも、80歳でシングルハンディの人もいますし、スポーツ音痴を自称しながらも70代になってからベストスコアを更新する人もいます。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
10/29 10:10
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