山下美夢有や岩井姉妹など若手が次々に米国挑戦を表明! 元・世界1位のレジェンドはこの状況をどう見ている?

元・世界ランキング1位で米女子ツアー賞金女王にもなった36歳の申ジエは、近年の日本選手の米ツアーでの活躍や今年、山下美夢有、竹田麗央、岩井明愛・千怜の米女子ツアー参戦表明をどのように見ているのか、直接聞いてみた。

申ジエに日本選手の米国挑戦について聞いた

◆米国女子プロゴルフ

BMW女子選手権 10月16~19日 ソウォンバレーCC(韓国) 6666ヤード・パー72

 日本女子ツアーを主戦場にする申ジエは今週、韓国開催の米女子ツアー「BMW女子選手権」に推薦で出場している。今季は海外ツアーに積極的に参戦したこともあり、日本ツアー出場は13試合と少ないが、それでもメルセデス・ランキング(年間ポイントランキング)では17位でシードを確定させた状態だ。

 元・世界ランキング1位で米女子ツアー賞金女王にもなった36歳は、今も若手と競いあっているが、近年の日本選手の米ツアーでの活躍や今年、山下美夢有、竹田麗央、岩井明愛・千怜の米女子ツアー参戦表明をどのように見ているのかについて、聞くことができた。

挑戦心を持った日本選手のたくましさ

 今年だけでも日本の選手が海外メジャーを2勝(笹生優花の「全米女子オープン」、古江彩佳の「アムンディ・エビアン選手権」)もしました。そして、西郷真央選手も新人賞レースのトップを走っていて、素晴らしい結果が日本選手の実力を証明しています。

 それは日本の選手たちが米国で挑戦して、壁にぶつかってもそれを乗り越えていけるからです。

日本選手の米国挑戦について元・世界1位の申ジエが答えてくれた 写真:Getty Images

日本選手の米国挑戦について元・世界1位の申ジエが答えてくれた 写真:Getty Images

 米国で活躍する姿を見た他の選手が後に続いていくのを見ると、すごくたくましいと感じます。米ツアーに出ることが“たくましい”のではなく、元々日本ツアーは確かな実力を持った選手たちがいる場所だったことに加えて、そこから新たに挑戦する気持ちを持った選手が増えていることが「たくましく、すごいこと」なのです。

 みんながもっと成長したいのだと思います。もっと高い場所に向かいたい気持ちがあるのでしょう。なので、日本ツアー自体がこれから大きな影響力を持つのではないかと感じています。

日本の選手はどんどん勝つと思う

 私から伝えたいことは「まずはチャレンジしてみるのがいい」ということです。なぜならば日本に戻れるツアーがあって、たくさんの方が応援してくれるからです。

 怖さを越えるためには、自分が選択するほかありません。若い選手が米ツアーに挑戦する姿を見ると、私もまた強い心構えになります。

 一つ私からアドバイスするなら、米ツアーではゴルフだけに専念するのではなく、米国での生活を楽しんでほしいです。米国は“職場”ではなく、しっかり拠点を構えて「自分の住む場所」になれば生活はすごく楽になると思います。

 これから米ツアーで日本の選手が優勝するシーンを見る日がたくさん来ると感じています。これからどんどん勝つと思いますし、期待しています。

申 ジエ(しん・じえ)

1988年4月28日生まれ。韓国出身の女子プロゴルファー。11歳からゴルフを始め、2007年に韓国ツアー19戦10勝。翌年「ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ」で日本ツアー初優勝を飾り、同年の「全英リコー女子」を含む米ツアー4勝。09年に米ツアーの賞金女王となり、10年には世界ランキング1位に。14年から主戦場を日本に移し、18年はツアー史上初となる公式戦(メジャー)年間3勝を達成し7年シードを獲得。JLPGAツアー通算28勝。スリーボンド所属。

ジャンルで探す