馬場咲希は最終ホールで痛恨のダブルパー「8」 悔しさ糧に米女子ツアー最終予選会へ

国内女子ツアー第31戦富士通レディース最終日、国内女子ツアーでのデビュー戦優勝を期待された馬場咲希(ばば・さき)は、「73」とスコアを崩し、通算8アンダーの14位タイに終わった。

優勝争いできたことは勉強になった

◆国内女子プロゴルフ

富士通レディース 10月11~13日 東急セブンハンドレッドクラブ西コース(千葉県) 6697ヤード・パー72

 馬場咲希にとって、まさかの落とし穴が最終18番パー4で待ち受けていた。ピンまで残り165ヤード、ラフから6番アイアンで放ったボールはピンに向かって飛んで行く。「いい感じで打てたと思いました」。馬場なりに手応えがあったものの、ボールはわずかにグリーンに届かず、手前の傾斜を転がってバンカーまで落ちてきた。

14位タイで終えた馬場咲希 写真:Getty Images

14位タイで終えた馬場咲希 写真:Getty Images

 馬場の身長よりも高いアゴを持つ名物バンカーだが、2年前に出場したときは1発で脱出することができず、ダブルボギーを叩いた苦い思い出がある。今回も果敢にピンを狙ってクラブを振り抜いたが、ボールは一度バンカーを出た後、またしても傾斜を転がってバンカーへ。やむを得ず、4打目はバンカーの左サイドを狙い、グリーン左サイドのラフまでボールを運んだ。

 ラフからのアプローチとなった5打目は無常にもグリーンまで届かず、6打目はピンを約4メートルオーバー。そこから2パットでカップインさせて、ようやくホールアウトしたが、このホールをダブルパーの8とし、通算12アンダーから通算8アンダーまでスコアを落とした。

 ラウンド中は優勝ラインのスコアを考えながらプレーしていたという馬場。たとえ優勝できなくても3位以内なら翌週のトーナメントへの出場権が得られたはずだった。予想外の結果に、ホールアウト後はうっすらと悔し涙を浮かべていたようにも見えたが、囲み取材では気丈なところを見せた。「優勝争いをできると思っていなかったのに、最終日を首位と1打差の好位置でプレーできたことはすごい勉強になりました」と前を向いた。

 確かに、最終ホールさえ除けば、十分満足のいく3日間だったことは間違いない。アマチュア時代よりもショットのブレは小さくなっていたし、パッティングを中心としたショートゲームも光る部分が数多く見られた。馬場自身はプレー中に緊張していたというものの、それを感じさせない落ち着きもあった。米下部ツアーであるエプソンツアーでシーズンを通して戦い抜いた経験はしっかりと馬場の血となり、肉となっている。最終ホールの8もいつかは笑い話になる日がくるだろう。

 今後は国内で調整しながら、2か月後に控えている米女子ツアーの最終予選会に臨む予定だが、まずはそこで、今回勉強した成果を発揮して見せる。

馬場 咲希(ばば・さき)

2005年4月25日生まれ、東京都出身。父親の影響で5歳からゴルフを始める。東京都ジュニアゴルフ選手権(18年)、関東ジュニアゴルフ選手権(19年)、東京都女子アマチュアゴルフ選手権(21年)などで優勝。昨年は全米女子オープンに予選会を経て出場し、決勝ラウンドに進んで49位。8月の全米女子アマでは、日本勢として85年の服部道子以来、37年ぶりとなる優勝を手にした。2023年プロテスト合格。

ジャンルで探す