首位と1打差から偉業達成を目指す馬場咲希! 12個のバーディーを量産できたのは新しいパターのおかげ!?

国内女子ツアー第31戦富士通レディース第2日、通算10アンダーの首位タイに古江彩佳高橋彩華、櫻井心那の3人が並ぶ。1打差の通算9アンダー、4位タイに宮田成華、馬場咲希がつけている。

見せた繊細なパッティングのストローク

◆国内女子プロゴルフ

富士通レディース 10月11~13日 東急セブンハンドレッドクラブ西コース(千葉県) 6697ヤード・パー72

 まさか最終日を首位と1打差で迎えるとは、馬場咲希自身も予想していなかった。単純に、米下部ツアーのエプソンツアーでは味わえない、「ギャラリーの前でプレーすることを楽しみたい」と思っていただけだった。

 しかし、状況がこうなれば話は違う。「優勝争いをちゃんと楽しんで、今後につなげられるような経験ができたらと思います」と、しびれる試合展開を期待する。

2日間で12個のバーディーを量産、絶好の位置で最終日を迎えた馬場咲希 写真:Getty Images

2日間で12個のバーディーを量産、絶好の位置で最終日を迎えた馬場咲希 写真:Getty Images

 ある意味、馬場のゴルフはベールに包まれていた。以前のようにビッグドライブを活かしてバーディーを奪うゴルフスタイルなのか、それともステディなゴルフスタイルに変わったのか。初日は手探り状態だったこともあり、どちらかといえばステディさを見せていたが、この日は明らかにスイングスピードが上がっていた。

 圧巻だったのは522ヤードのパー5で2オンに成功したことだ。ピンまで残り250ヤード地点から3番ウッドでグリーンに乗せた瞬間、ギャラリーから歓声が沸いた。

 ただ、豪快なショットよりも、この2日間で目立ったのはパッティングだろう。この日も2番パー4では約2メートルながらも難しい下りのラインを沈め、4番パー3では約10メートルのスネークラインをねじ込んだ。

 明らかにアマチュア時代には見せなかった繊細なタッチでストロークしていた。聞けば、今回のグリーンに合わせてパターをピンタイプからマレットタイプに変更したという。

「自宅にあったパターを試してみたら、自分に合っていると思い使ってみました」

 極太グリップが装着されていたが、それも替えることなく使用。手首の角度を変えず、肩の動きだけでストロークを行っていた。初日、2日目ともにパット数は29パットだが、2日間で12個のバーディーを奪う原動力となっていたのは間違いない。

 奇しくも、前週に出場したエプソンツアーの最終戦と同じ1打差で、明日の最終日を迎える馬場。エプソンツアーでは「自分がシビれたときにどのような特徴を見せるのかが分かりました」と語っていたが、それを早くも生かす場面が訪れた。

 今季は馬場と同じ96期生のルーキーが何度も優勝争いに絡みながら、その都度跳ね返されて涙を呑んできた。その厚い壁を国内女子ツアーにデビューした馬場がどのように乗り越えるのか、要注目だ。

馬場 咲希(ばば・さき)

2005年4月25日生まれ、東京都出身。父親の影響で5歳からゴルフを始める。東京都ジュニアゴルフ選手権(18年)、関東ジュニアゴルフ選手権(19年)、東京都女子アマチュアゴルフ選手権(21年)などで優勝。昨年は全米女子オープンに予選会を経て出場し、決勝ラウンドに進んで49位。8月の全米女子アマでは、日本勢として85年の服部道子以来、37年ぶりとなる優勝を手にした。2023年プロテスト合格。

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