聞くに堪えない… 未熟なキャディーを「使えねー」と罵る男性ゴルファー ベスト81・銀座のママが考える“大人”の接し方とは?

セルフプレーが主流の現在。たまにキャディー付きのゴルフをするときは、どうしてもスキルが高いプロフェッショナルを期待してしまいますが、なかには未熟なキャディーもいます。そんなときにどう振る舞えるかが、ゴルファーとして、大人として問われるのではないでしょうか。

すべてのキャディーが完璧でないことくらい分かっているはず

 ゴルフの腕前を磨くスクールはありますが、ここはさまざまな人とハッピーなゴルフをするためのコミュニケーション術を磨くところ。夜の人間交差点「銀座」で生き抜いたわたくし、かずこが伝授いたします。

せっかくのキャディー付きゴルフ、楽しく回りたいものです 写真:PIXTA

せっかくのキャディー付きゴルフ、楽しく回りたいものです 写真:PIXTA

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 つい先日のホームコースでの出来事です。

 楽しい仲間とホールアウトして、カートでクラブハウスに戻ってきたときに聞こえてきた、一人の殿方の若手キャディーさんへの吐き捨てるような言葉。

「あのライン、スライスだったよね。使えねーなー」

 まだまだこういう殿方、少なからずいらっしゃるんですよね。

 もちろんプレーヤーをサポートするのはキャディーの仕事ですから、明らかな読み違いには非があるし、プロとして実力不足かもしれない。1打がかかるゴルフ。悔しい気持ちも分かります。

 けれど、すべてのキャディーが完璧なプロフェッショナルとは限らないことも分かっているはず。経験の浅いキャディーがつくこともよくあることです。

 そんな相手に、面と向かって罵るなんていかがなものかしら。ミスした本人も自覚しているはず。同伴者もいるわけだし、その場の空気が悪くなりますよね。

 もしもあなたが、キャディーに対して思わずキツイ言葉を吐いてしまったとしたら、すぐに「ついカッとなっちゃった。ごめんなさい」などと謝罪しましょう。

 キャディーが深く落ち込む前に、謝ることが肝要です。“次は頑張ろう”と、気を取り直すきっかけを作ってあげるのです。

命令口調だったり感謝の言葉も言えなかったり

 ちなみに、クラブを持ってきてほしい場面で「〇番と〇番!」と命令口調、渡されて「ありがとう」のひと言も言えない人も、残念レベルは同じ。

 お金を払って雇っているから当たり前、とでも思っているのでしょう。

 その価値観、ゴルファーとしても、殿方としてもモテないことに気付いてほしいわ(経験上、本当にうまくてモテる殿方って、ラインは自分で読むし、クラブは自分で持っていくのよね)。

 今後、未熟なキャディーが付いた日は、心を広くして“育てる”気持ちで接してみては?

 細かいことでも“ありがとう”を忘れずに。キャディーは唯一の味方なのですから、コミュニケーションを大切にした方が得だと思うんですよね。

 そもそも、古い世代の日本人の男性は、奥様にさえ「ありがとう」「ごめんね」を言えない人が多いと感じます。でも、億劫がらずにきちんと言葉を発しないと、今の世代はついてきてくれないし、若いキャディーさんは辞めてしまうかも。

 さらに、ホールアウト時には「大丈夫、コースはすぐに覚えられるよ。頑張ってね」「次に一緒になったとき、期待してるよ」などと、ねぎらいや励ましの言葉をかけてあげられればさらにベター。

 これをきっかけに、心から「いいキャディーになりたい」と、前向きになってくれれば、育てがいもあるというものです。

 キャディーに限らず、相手のミスを罵る前に、ねぎらいや励ましの言葉をかける。そして感謝を忘れない。他ならぬゴルファーだからこそ、そういう紳士・淑女であってほしいと願っています。

かずこママ(Kazuquo)プロフィール

東京・銀座で10年。ゴルフ歴も10年目に突入! 老若男女、プロアマ問わずゴルファーも多く通う会員制バー「銀座Room」のママとして、カウンター越しに日本社会で頑張る皆様のお側に寄り添っております。企業の社内コミュニケーション研修などもしております。ベストスコアは81。著書『僕と母さんの餃子狂詩曲』(集英社クリエイティブ)発売中。インスタグラム「かずこママの愛の翻訳」@kazuquomama

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