ランチ休憩挟むのは日本だけ!? わが国のゴルフ文化で特殊なのはどこ?

海外でのプレー経験がないと気付かないことですが、日本のゴルフ場には独特な文化もあるようです。海外と比べてどのような違いがあるのでしょうか?

海外はスループレーが基本

 日本のゴルフ場では、前半9ホール終了後のハーフターンでレストランを利用して休憩をとり、後半9ホールをプレーするのが一般的です。ラウンド終了後は浴室で汗を流して湯船につかり、疲れを癒して帰宅するゴルファーが多いですが、海外のゴルフ場にはこのような文化がないようです。中国に10年間住み、海外のゴルフ場でも多くのプレー経験があるレッスンプロのハリー石川(ハリーゴルフスクール/東京都目黒区)氏は、次のように話します。

海外の安いパブリックコースは手引きカートが基本

「中国の場合は大金をつぎ込んで海外の設計家にゴルフ場を造らせているので、日本より豪華で良いコースはたくさんありますが、ハーフターンで昼食を食べさせる文化はありません。イギリスやアメリカ、タイなどでもスループレーが一般的です。日本の文化を踏襲しているような一部のゴルフ場では、レストランがあるところもありますが、基本的には持ち込んだ軽食を食べたり、売店を利用したりします。またクラブハウスに浴室もないので、ゴルフウエアのまま帰宅して自宅でシャワーを浴びます」

「日本のゴルフ場に独特な文化が根付いた背景には、接待ゴルフという慣習がある、昼食を挟むことで多くのお客さんを詰め込むことができる、レストラン代もゴルフ場の収益源になる、などがあると思います」

 日本では1日かけてラウンドするのが一般的ですが、海外では4時間ほどで18ホールをラウンドすることができます。また海外では厳しいドレスコードがなくTシャツや短パンでプレーできるゴルフ場がほとんどなので、カジュアルな格好で気軽に楽しむことができます。

米国では手引きカートで回る人が多い

 さらにラウンド方法にも大きな違いがあるようです。ハリー石川氏は以下のように続けます。

「基本的に日本ではゴルフカートに乗ってプレーしますが、海外では手動や電動の手引きカートでプレーする人も多いです。もちろんゴルフカートもありますが、手引きカートのほうが料金が安いからです。例えば米国では、ゴルフ場に着いたら自分で手引きカートにキャディーバッグを積んで18ホールをプレーして、回り終わったら片付けて帰ります」

 米国はセルフプレーが主流ですが、人件費の安い東南アジア等ではキャディー付き、しかもプレーヤー1人にキャディー1人のマンツーマンであるケースも少なくありません。

「昨今は日本もセルフプレーが主流ですが、キャディー付きの場合ははきちんと教育を受けたキャディーさんが付いてくれます。しかし、発展途上国では地元の子供たちがキャディーとして付く場合もあります。給料自体は安くても、外国人ゴルファーからそれを補えるだけのキャディーチップをもらうことができるので、生活資金を稼ぐことができます」

 日本のゴルフ場は、クラブハウスで出迎えてくれたりスタッフが車からキャディーバッグを下ろしてくれたりするので敷居が高いイメージもありますが、海外のゴルフ場は「ジムにトレーニングしにいく」ぐらいの感覚で、プレーできる場所もあるようです。

 日本ではゴルフはお金持ちのスポーツと考えている人も少なくないですが、海外のように気軽に楽しむことができる仕組みや雰囲気になると、若年層を筆頭にプレーしてみたいと感じる人が増えるかもしれません。

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