コースボールを打ちっ放しで使用… 練習場に損害を与える非常識ゴルファー 同じくらい迷惑なセコすぎ行為とは?

練習場では、奥行きがあまりなくてもドライバーなどを使用できるように、「レンジボール」と呼ばれる特殊なボールが使われています。しかし、練習場で使用が禁止とされているラウンド用のコースボールを持ち込んで打っている人がなかにはいるそうです。

レンジボールと性質が異なるコースボールは練習場の大敵

「打ちっ放し」とも一般的に呼ばれる屋外のゴルフ練習場は、施設によっては250ヤード近くまで奥行きが確保されているものもありますが、100ヤード未満の中・小規模なものも多く存在します。

コースボールでネットに打ち続けると穴が開いてしまう 写真:PIXTA

コースボールでネットに打ち続けると穴が開いてしまう 写真:PIXTA

 そこで、距離の短い練習場でもドライバーなどを思いっきり打てるように、「レンジボール」という特殊なボールが使われており、それ以外のボールを使用することを禁止としているところがほとんどでしょう。

 ですが、本来使ってはならないラウンド用のコースボールを練習場に持ち込み、打っている人がいるようです。東京都世田谷区の練習場「千歳ゴルフセンター」を運営する横山雅也氏は以下のように話します。

「コースボールを練習場に持ち込んで打つことは再三にわたって禁止と注意喚起してきましたが、現在でもそのような行為をする人がわずかながらいるので、私たち練習場側は非常に困っています」

「コースボールは長い間同じものを使っていると、段々と性能が落ちてきたり、汚れが目立ってきたりします。本来であれば、ゴルフボールは『燃えるゴミ』として処分しなければなりませんが、『そのまま捨ててしまうのはもったいないから練習場で使おう』と不要なコースボールを何個か持ち込み、レンジボールと同様にネットに向かって打つのです」

 コースボールが何度もネットに当たり続けると、ネットが破れて穴が開いてしまうこともあるといいます。

「レンジボールはネットに傷がつくのを抑えるために、表面が柔らかく、飛距離の出にくい構造をしています。それに対してコースボールは初速が速く飛距離が稼げるつくりをしています。ネットが弱ってしまって穴が開き、最悪の場合はボールが外に飛び出して非常に危険になります」

 各練習場では、コースボールの持ち込みに対してさまざまな策が練られており、スタッフが回収ラインで流れてきたコースボールを手作業で除去したり、なかには自動でコースボールだけを選別して取り除く機械を導入したりしているところもあるといいます。

レンジボールを持ち出してしまう人もいる

 横山氏は「コースボールを持ち込まれるのと同じくらい、迷惑に感じている行為がある」と話します。

「練習場にコースボールを持ち込んで打つ人もいれば、レンジボールを外部に持ち出してしまう人もいます。例えば、時間貸しの打ち放題で練習をしていた人が、時間切れで打ちそびれそうになったボールを20~30個ほど袋に集めて持ち帰り、次回来た時に残った分を消費するという事例がありました」

「出費を浮かせようと1球当たりの料金が安い時間帯にボールを集めて高い時間帯に打ち直す人もいれば、料金が高めの別の練習場に行って打つという人も過去には見受けられました。しかしコースボールの持ち込みにせよ、レンジボールの持ち出しにせよ、常に打席の周りをスタッフが監視している訳ではないので、現行犯で注意するのは非常に難しいことです」

 練習場にとってレンジボールやネット重要な資産であるため、コースボールを打たれたり、レンジボールを外へ持ち出されたりするのは損害が大きいです。監視の目が増えるのは、利用者にとっても気持ちの良いものではないので、ルールを守った利用を心がけましょう。 

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