「結ちゃんが言ってたのはこれだな」 8位タイ・柏原明日架が痛恨3パット後に思い出した河本の言葉とは?

国内女子ツアー「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」は5日、サスペンデッドとなった第1ラウンドの残りと第2ラウンドを行った。

「99%パーをとれたはずなのに、入れに行ってしまった」

◆国内女子プロゴルフ

スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 10月4~6日 東名カントリークラブ(静岡県) 6610ヤード・パー72

 5年ぶりのツアー3勝目を狙う柏原明日架が、自分に対する“手綱”をうまく使って逆転優勝を狙う。

 5日、サスペンデッドとなった第1ラウンドの残りと第2ラウンドを行った国内女子ツアー「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」。通算11アンダーで河本結、佐藤心結が首位に立ち、2打差で尾関彩美悠、高木優奈が追している。首位から4打以内に13人がひしめく混戦模様の中、柏原は通算7アンダー8位タイ。十分な逆転優勝圏内にいる。

2日目を終えて8位タイにつける柏原明日架 写真:Getty Images

2日目を終えて8位タイにつける柏原明日架 写真:Getty Images

 第2ラウンドは、1番でいきなり15メートルを決めるバーディー発進。だが、2番で「1番よりやさしいラインだったし、気持ちよくなっちゃって。99%パーをとれたはずなのに、入れに行ってしまった」と、まさかの3パット。ボギーを喫してしまう。

 だが、負のスパイラルに陥ることはなかった。「今までなら自分を許せないスイッチが入るところですけど『1打くらい(そういうことも)あるよな』と思うことができました」と、しっかり切り替えてプレーを続けた。

「心のバッテリーがもつ(維持する)ことも大事だと思うんです。プレー中のいろいろな自分の気付きは必要だけど、それが足を引っ張ることもある。時には(自分自身の)手綱を離す瞬間があってもいい。上位で戦っている人たちはそれができているんだと思います」と、柏原らしい言葉で分析。セルフコントロールに重きを置いている。

 前日、4時間半スタートが遅れた時に河本結菊地絵理香とずっとゴルフ談義に興じたことも、好プレーを後押しした。「結ちゃん(河本)がPGAツアーの選手でも、スタッツを見るとそういう(短い)のを外すことがあるって言ってたのを思い出して。(2番で)『あ、これだな』って」。あらゆることを吸収し、セルフコントロールに生かしている。

 2014年のプロテストに合格し、今年がプロ10年目。アマチュア時代には、高校2年だった12年、イングランドを舞台に男女混合で行われるジュニアオープン選手権に優勝するなどの実績があったため、自他ともに早い活躍に期待が集まった。しかし、意外にも初優勝まで5年かかった。19年に2勝したものの、その後も苦闘が続き、今年は前年度メルセデス・ランキング54位で、前半出場権のみという状況でシーズンに入った。その中で結果を出し続け、第2回リランキングは7位。今はツアー3勝目に向けて自らと向き合い、静かな闘志を燃やしている。

 プロ入り当初は強かった海外志向も、少し違うスタンスに変わっている。「この10年で日本とアメリカの差がグッとなくなった。だからすぐにアメリカ、ということは考えていません」。そう言いながらも、日本の結果でロレックス(女子世界)ランキングを上げてのメジャー出場は考えている。もちろん、そこから羽ばたきたい気持ちもある。

 最終日、自分の手綱を締めたりゆるめたりしながら、柏原は戦い続ける。

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