河本結は4時間半の“待ち”でツアー6勝の大先輩とゴルフ談義「36歳?それでも勝つために努力をしている」
初日は17時8分に日没サスペンデッドとなった。12ホールを消化した河本結(かわもと・ゆい)が5アンダーで暫定首位に立っている。
8月の「NEC軽井沢72」で5年ぶりのツアー2勝目を挙げた河本結
◆国内女子プロゴルフ 第30戦
スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 10月4~6日 東名カントリークラブ(静岡県) 6610ヤード・パー72
4時間半の“待ち”を濃密な時間にして、河本結が12ホールを終えて5アンダーと暫定首位発進した。朝から雨と霧という悪天候によるコースコンディション不良により、スタート時間がズルズルと遅れた。1時間。1時間。そして2時間半。結局、4時間半のディレイで幕を開けた。
天候が相手ではどうにもならない。トーナメントにはつきものの時間を、選手たちは思い思いに過ごした。練習する者、ロッカーでストレッチをする者、しっかりと朝食をとる者、談笑する者…。クラブハウス1階の通路で、ひときわ楽しそうに話し続ける3人の姿があった。その中の1人が河本だった。一緒にいたのは菊地絵理香と柏原明日架。先輩2人との会話は、菊地が最近新しいパターを手に入れたことから、ゴルフのディープな話へと広がっていった。
「優勝争いの時の心持ちだったり、キャディーさんとのコミュニケーションだったり。本当に学ぶ部分が多くて勉強になりました。ずっとゴルフの話していて楽しくて。絵理香さんはもう36歳?それでも勝つために努力をしている。職場にそういう先輩がいて、めちゃくちゃ幸せ」と、眼を輝かせる。
待機時間もこうなると長くは感じない。「いい緊張感で試合に入れました」と、スタートすると、2番で7メートルを沈めて波に乗る。3番、6番、8番とバーディーを重ねていった。
今季はQTランキング4位からの出場だったが、8月の「NEC軽井沢72」で、5年ぶりのツアー2勝目を飾り、安定したプレーを続けている。前週の「日本女子オープン」でも、首位に3打差の5位タイで3日目を終えながら、最終日にはスコアを落として11位タイ。悔しい思いをした。
それをさっそく糧にした。「今日は一打一打集中して打っていた。私のゴルフをデータで見ると、ティーショットが下手すぎる。でも先週は、難しいセッティングの中で集中したらフェアウェイキープ率がよかったので、今週も同じ気持ちで(ショットを)置く場所をイメージして打ったらよかった。(12ホールで)フェアウェーを外したのはファーストカットが1回だけ。先週の悔しさがあったからです。そういう思いをしないと」と、生かした。
今大会を勝ちたい理由はほかにもある。メジャー勝者の笹生優花、古江彩佳の2人が参戦していること。そして、今季絶好調の竹田麗央、山下美夢有らが、米ツアーの予選会(QT)を受けることを宣言していることだ。「今週はメンバーが揃っている。とにかくみんなに勝ちたい」。厚いフィールドの中で勝利へと突き進む。
河本 結(かわもと・ゆい)
1998年8月29日生まれ、愛媛県出身。ツアーを席巻している「黄金世代」の一人。両親の影響で5歳からゴルフを始め、2018年にプロテスト合格。2019年の「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」でツアー初優勝を挙げる。24年「NEC軽井沢」で約5年ぶりとなる2勝目を手にした。弟はプロゴルファーの河本力。リコー所属。
10/04 19:10
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