ゴルフ練習場が頭を抱える“おしぼり”問題… クラブやシューズを当然のように拭く不届き者が後を絶たないってホント?

練習後に顔や手を拭く用として、多くのゴルフ練習場ではおしぼりが用意されています。ところが、中にはクラブやシューズの汚れを落とすために使用するなど、マナーを守らない人も一定数いるといいます。

おしぼりは洗浄して再利用しているケースがほとんど

 通称“打ちっぱなし”と呼ばれる屋外のゴルフ練習場に行くと、「おしぼりでクラブを拭かないでください」といった注意書きの掲示を見かけることがあります。

 本来、おしぼりは練習を終えたゴルファーの顔や手を拭く用として設置されているサービスの一つですが、なかには度を超える使い方をするマナー知らずの人も。その実態について、光が丘ユー・プラザゴルフレンジの村田智基氏に話を聞きました。

おしぼりは練習を終えたゴルファーに欠かせないものです 写真:PIXTA

おしぼりは練習を終えたゴルファーに欠かせないものです 写真:PIXTA

「おしぼりは本来、顔や手の汗を拭くために用意しているのであって、決してクラブを拭くために置いてあるわけではありません。使用されたおしぼりは毎日洗濯し、清潔な状態にして戻すようにしています」

「練習を終えたゴルファーの皆さんがさっぱりとした気持ちでお帰りになれるよう設置してますが、後で確認するとクラブを拭いたと思われる跡もたまに見られるのです」

 当然、おしぼりに一度ついたクラブの汚れはなかなか簡単には落とせないですし、汚れがひどければ再利用も難しくなります。

「もちろん洗濯後に汚れが残った状態ではそのまま使用するわけにはいきません。手や顔を拭いた程度なら問題なく再利用できますが、クラブの汚れについては落とせないことも多く廃棄するしかないのです。マナーを守ってキレイに使ってもらえると助かります」

 使用不可能になったおしぼりは、その後廃棄物として処理されます。廃棄する量が多いとコストもかさんでしまうため、練習場にとっては頭を悩ませる問題といえるのです。

近年は使い捨てのおしぼりに変更する練習場も

 また、練習場では衛生面にも十分注意しながら、おしぼりを取り扱っていると村田氏は話します。

「梅雨が明けたぐらいのタイミングで、おしぼりは温かいものから冷たいものへと変更します。使用するのは夏の終わり頃までですね」

「冷たいおしぼりの使用期間は、衛生面の問題からそれほど長くは設置しません。9月中には温かいおしぼりへと変更しています」

 屋外の練習場はインドアレンジとは異なり、気温や湿度の影響を受けやすい施設といえます。環境によっては細菌も繁殖しやすくなるので、入れ替え時期に気をつけたりと、練習場側としても衛生管理には十分注意を払っているようです。

 さらに、村田氏が勤める練習場では「実は今治のおしぼりを使っているんですよ」と、こだわりのある布製のおしぼりを採用していることを明かしてくれましたが、最近は使い捨てのおしぼりに変更する練習場も増えてきました。

 前述のように「クラブやシューズを使う人が後を絶たない」だけでなく、手間やコスト面の問題が理由として考えられますが、それ以前に練習場を訪れるゴルファーは、施設のルールやマナーを守った利用をしなければなりません。

 練習後にクラブやシューズの汚れをすぐ落としたい気持ちも分からなくはありませんが、だからといってルールやマナーに反する行為はご法度。自分勝手な行動を慎み、他のゴルファーや練習場へも配慮した利用が求められるのです。

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