普段は怒りっぽいのにゴルフでは超繊細な人もいる気が… 「ゴルフは性格が出る」って本当なの?

ゴルフは性格が出るスポーツ、とよく言われます。しかし実際には普段の性格と同じプレースタイルの人もいれば、全く違う人もいます。

プレーに普段の性格がそのまま出る人と出ない人がいる

 ゴルフ好きな著名人や経営者の方をインタビュー取材していると「ゴルフは性格が出ますよね」という話題になることがあります。その場では「確かに性格が出ますよね」と同意しますが、筆者は本心では「ゴルフは普段の性格がそのまま出る人もいれば、出ない人もいる」と思っています。

 どうしてそのように思うかというと、筆者自身が自分のゴルフに普段の性格がそのまま出ているとは感じていないからです。筆者は自分自身では怒りっぽい性格だと認識しており、その性格を直すためアンガーマネジメント(怒りの感情と上手につき合う心理トレーニング)を学んだ時期もありましたが、怒りっぽさはなかなか直りません。

普段温厚でもゴルフ場では怒りっぽくなる人も多い 写真:PIXTA

普段温厚でもゴルフ場では怒りっぽくなる人も多い 写真:PIXTA

 しかしゴルフのプレー中は怒ることがほとんどありません。理由は単純明快で、自分が怒ると同伴者を不快な気持ちにさせてしまうからです。

 実際に怒りっぽい人と一緒にラウンドした経験が何度もありますが、ミスショットのたびに「なんでだよ!」といら立ったり、クラブを地面にたたきつけたりする人と回っていると、あまりいい気分はしません。「アマチュアゴルファーにとってゴルフは遊びなんですから、もう少し気楽にやりましょうよ」といいたくなります。

 また、筆者は冒険心が強いタイプの人間ですが、ゴルフでは冒険をしません。パー5のティーショットがそこそこ飛んで、2打目でスプーン(3番ウッド)が当たれば2オンするかもしれないという場面でも、前の組がまだグリーン上でプレーしていたらアイアンでレイアップします。その理由は同伴者を待たせたくないからです。

 2オンするかどうか分からないギャンブルショットのためにグリーンが空くまで同伴者に待ってもらうよりも、アイアンで刻んで3打目地点に移動したほうが、スムーズにラウンドできます。

 筆者がゴルフを始めたきっかけは「ゴルフ雑誌の編集部で働くことになったから」という理由でしたから、「ゴルフ=遊び」というよりも「ゴルフ=仕事」というイメージが強いのかもしれません。

ゴルフを仕事にしている人は普段の性格がプレーでは出ない

 ゴルフ雑誌の編集部で働いている時期は、まさにゴルフが仕事のプロゴルファーという職種の人と一緒に仕事をする機会がたくさんありました。プロゴルファーの口から「ゴルフは性格が出る」という話はあまり聞いたことがありません。その質問をプロゴルファーにぶつけたことがあるのですが、次のような答えが返ってきました。

「プロゴルファーは普段の性格のままだと賞金が稼げないんですよ。普段はいい加減な性格でも、ゴルフのアドレスがいい加減だといいショットは打てませんからね。そこはキッチリやらないと一流の選手にはなれません」

「それってたぶん、どの職業でも一緒ですよ。たとえば車の運転が好きで、スピードを出すのが好きだった人でも、タクシーの運転手になったらスピードを出すのを抑えて安全運転するようになりますよね。プロゴルファーも同じで、アマチュア時代は好き勝手にプレーしていた選手がプロの試合に出てコースマネジメントの重要性を学び、丁寧なプレーを心がけるようになります」

 確かに筆者自身も自分一人で車の運転をしているときと人を乗せているときでスピードの出し方や加速の仕方が変わります。それは乗用カートを運転するときも一緒で、人を乗せているときは急発進、急ハンドル、急ブレーキは極力控えるように丁寧な運転を心がけています。逆に、それができない人が同伴者の中にいると、「ボクが運転します」とその人にハンドルを握らせないようにします。

 でも、人の性格は自分で見えている部分は半分だけであり、残りの半分は他人から見えている部分だという話を聞くこともあります。そういう意味では、ゴルフは他人からどのように見られているか確かめるのに適したスポーツかもしれません。

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