第6世代の青マナ「ディアマナBB」が9月6日に登場! 全スペック試打&計測で性能を丸裸にしてみた

「ディアマナ」ブランド生誕20周年を飾る第6世代の「ディアマナBB」(価格は1本4万4000円、税込み)が、三菱ケミカルより9月6日に発売されました。初代モデルから試打を行っている筒康博コーチがその全てのスペックを試打。さらに計測も行って、進化の秘密を探りました。

クセのない特性でしなり&しなり戻りのタイミングが抜群に安定

「ディアマナ」ブランド20周年を迎えた今年、満を持して三菱ケミカルから発表されたのが「青マナ」こと第6世代の「ディアマナBB」。マットブラックのベースにブランドマークである白いハイビスカスという「青マナ」ロゴがデザインされたシャフトは、人気メーカーのドライバーヘッドと組み合わせても主張し過ぎない抑え目なビジュアルです。

青マナの「スムースEI」設計を踏襲した三菱ケミカル「ディアマナBB」全21スペックを試打したところ、圧倒的な「振りやすさ」を実感した

青マナの「スムースEI」設計を踏襲した三菱ケミカル「ディアマナBB」全21スペックを試打したところ、圧倒的な「振りやすさ」を実感した

 発売に先駆けて都内で行われた新製品発表試打会にお邪魔してきましたが、同社によけばスイングタイプを選ばない「スムースEI」設計で現代の高MOIドライバーヘッドに対応したシャフトになっているそうです。

 また重量帯&フレックスのラインアップが非常に幅広く、40グラム台の「BB43 R2」から80グラム台の「BB83 TX」まで21スペックもあります。そこで全スペックを試打させてもらい、何が変わったのか、他モデルや競合シャフトとの違いは何か探ってみました。

 まず「BB43 R2」から打ち始めてビックリしたのが、ヘッドスピードの速い遅いに関わらず「しなり」と「しなり戻り」のタイミングが非常に安定していることでした。また重量帯&フレックスを上げて打ってみても「振り心地」が変わらないまま、あっという間に「BB83 TX」まで打ててしまいました。

 シャフトの変曲点(特段に大きくしなる部分)がない「スムースEI」設計はネーミングだけ聞くとピンと来ませんでしたが、実際に打ってみるとゴルファーのスイングのクセやタイミングに関わらずシャフト性能をしっかり出しやすくなっているストライクゾーンの広いカスタムシャフトに感じました。

振りやすいので最新&人気ドライバーが打ちやすくなる

 世の中に数えきれないほど多くのシャフトがある中で、「自分にピッタリ」や「飛ぶシャフト」を見つけ出すことは至難の業といえます。大手メーカードライバーの多くが純正シャフトで購入されているのは、その裏返しといえるでしょう。

 一発屋的な強い個性のシャフトより、満点ではないけれども合格点の「再現性」や「安定感」が得られる純正シャフトがいいというわけです。

高MOIドライバーの長所である直進性を生かしながら、スイングテンポ&スピードを「整える」振り心地

高MOIドライバーの長所である直進性を生かしながら、スイングテンポ&スピードを「整える」振り心地

 その一方で、もっと振りやすくて最大限の飛びが得られる可能性のあるカスタムシャフトを求める人たちが、プロや上級者に人気のモデルに興味を持って試しています。フジクラ「ベンタス」「スピーダーNX」やUSTマミヤ「アッタス」、三菱ケミカル「テンセイ」、グラファイトデザイン「ツアーAD」などです。

 今回登場した「ディアマナBB」は、すでにJLPGAツアーで使用者が優勝するなど「結果」が出ているモデル。コースで思い切りドライバーショットが打てる安心感や安定感のある振りやすいシャフトだと思いました。

EI(剛性分布)計測で分かった「タメ」と「走り」を実感しやすい特性

「振りやすい」とはいえ、アマチュアの多くは「ベンタスと比べてどうなの?」「テンセイより飛ぶの?」といった他社モデル比較にも興味があるはず。そこで、シャフトのしなり剛性を計測する「シャフトアナライザー」で詳細な計測をし、現在人気のシャフトと「EI(剛性分布)グラフ」をデータ比較をしてみました。

「EI(剛性分布)」とは、グリップ寄りからヘッド寄りまでの各部分ごとのしなりやすさを示したもので、それがシャフトの性能・個性として表れてきます。

「シャフトアナライザー」で詳細に計測し「EI(剛性分布)グラフ」を作成。人気シャフトの長所を持ちながら「振りやすさ」を体感できることがデータから分かった

「シャフトアナライザー」で詳細に計測し「EI(剛性分布)グラフ」を作成。人気シャフトの長所を持ちながら「振りやすさ」を体感できることがデータから分かった

「ディアマナBB」が圧倒的に「振りやすい」と感じるのは、カタログ表記上の「中元調子」よりも中間部分のしなり&しなり戻りがしっかりあることでした。適度な「タメ」と「走り」を実感しやすくなっているといえます。

 細かい計測数字はシャフトメーカーの企業秘密になってしまうのでここでは出せませんが、データ的には「ベンタスTRレッド」や「スピーダーNXブラック」「テンセイ1Kレッド」に似た部分が見られました。

 ですが、わずかにでも素材・製法や重量・トルクが変われば「別物」になってしまうのがシャフト選びです。今後のプロの動向も気になるところですが、興味がある方は一度試打してみて下さい。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

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