ゴルフ王国「熊本」出身の竹田麗央が県勢7人目のメジャー王者! そんな熊本県でもメジャー勝利数は追いつけない最強県とは?

国内メジャー今季第2戦「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権」は初日から首位を守った熊本県出身の竹田麗央が公式競技初優勝を飾った。今回の勝利で熊本県勢のメジャーチャンピオンは7人となった。

7人の熊本県に次ぐ2位は千葉県の4人

 女子ツアー公式競技(国内メジャー)今季第2戦の「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権」はメルセデス・ランキング1位に立つ竹田麗央が初日から首位を守り切って優勝した。竹田は今季6勝目で公式競技は初優勝。熊本県出身者では7人目の国内メジャー覇者となった。

 ゴルフ王国とも呼ばれる熊本県に現れた超新星・竹田がついにメジャーチャンピオンとなった。3打差首位で迎えた最終日も堂々たるプレーでリードを守り、最後は山下美夢有に1打差に迫られはしたが、きっちりと逃げ切った。

熊本県勢として7人目のメジャーチャンピオンとなった竹田麗央 写真:Getty Images

熊本県勢として7人目のメジャーチャンピオンとなった竹田麗央 写真:Getty Images

 決勝ラウンドをプレーした69人中2位タイとなる271.5ヤードの飛距離に加えてフェアウェイキープ率が75.0%というハイアベレージをマーク。このティショットのアドバンテージを全体1位、87.5%のパーオン率につなげ、圧倒的なショット力で大会タイ記録の19アンダーを叩き出しての優勝だった。

 竹田は熊本県合志市出身。叔母に同じく熊本県出身で賞金女王2度の実績を誇る平瀬真由美がいる。その平瀬をはじめ不動裕理、古閑美保上田桃子と4人の賞金女王を輩出している熊本県勢はこれまで通算150を超える勝ち星を挙げ、都道府県別優勝数で1位を独走している。

 国内メジャー優勝者も数多く、これまで清元登子(日本女子オープン1勝)、平瀬(JLPGA明治乳業カップ2勝)、高村亜紀(日本女子プロ2勝、日本女子オープン1勝)、不動(日本女子プロ2勝、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ2勝、日本女子オープン1勝)、古閑(JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ2勝)、有村智恵(日本女子プロ1勝)の6人がメジャーチャンピオンに輝いていた。竹田が熊本県勢7人目となったわけだ。

 都道府県別のメジャー優勝経験者数7人は4人の千葉県(小林法子、飯島茜、成田美寿々、吉田優利)と沖縄県(島袋美幸、宮里藍諸見里しのぶ宮里美香)を抑えて最多。やはりゴルフ王国はメジャーにも強いのだ。

 7人のメジャー合計勝利数は15。天晴な成績である。

メジャー勝利数最多の18勝を誇るのは埼玉県

 だがしかし、この15勝は都道府県別のメジャー優勝数1位ではなく2位なのだ。

 メジャー優勝数1位は埼玉県の18勝である。これは、樋口久子がほぼ1人で稼ぎ出したもの。初期に無双状態だった樋口は日本女子プロで第1回大会(1968年)からの7連覇を含む9勝を挙げ、日本女子オープンでは第1回大会(1968年)からの4連覇を含む8勝。合わせて17勝をマークしているのだ。残る1勝は1986年の日本女子プロを制した生駒佳与子である。

 埼玉県勢はこの生駒以来、メジャー制覇から遠ざかっている。だが、今の埼玉県勢には久しぶりのメジャータイトルを大いに期待できる心強い存在がいる。明愛、千怜の岩井ツインズだ。

 今のところツアー通算6勝の千怜、同5勝の明愛ともにメジャーでの優勝はない。それでも、2人ともにメジャータイトルを取るにふさわしい実力を有していることは明らかだろう。特に明愛は「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」で3日目まで2位にいながら最終日に75と苦戦して9位タイに終わっただけに、リベンジにかける思いは強いはずだ。

 ちなみに都道府県別メジャー優勝数3位は11勝の宮崎県。個人で樋口に次ぐ歴代2位の8勝を挙げている大迫たつ子に2勝の大山志保、1勝の永峰咲希という顔ぶれだ。

 まだメジャー優勝者がいない都道府県は計21。意外なところではツアー優勝経験者が5人いて計28勝をマークしている兵庫県がこの中に入っていること。古江彩佳という海外メジャーチャンピオンはいるが、国内メジャーでは優勝ゼロなのである。

 今季の国内メジャーは今月26日開幕の「日本女子オープン」、シーズン最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」のあと2試合。選手の出身地に注目して観戦するのも一興だ。

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