賛否両論を巻き起こす“サブバッグ” プレーヤーにとってはメリットが多い一方… ゴルフ場側には不都合な面も?

近年、サブバッグの持ち込みを禁止しているゴルフ場が増えています。セルフプレーが主流になり、プレーヤー自身がクラブを管理する中で、その便利さゆえに一定の支持を集めているサブバッグ。一体なぜ、使用が制限されているのでしょうか。

サブバッグは適切な使い方さえすればプレー時間の短縮につながる

 サブバッグはウェッジやパターなど、主にショートゲームで使用するクラブを5本前後入れて持ち運びができる便利なアイテム。セルフプレーが主流の昨今においては、ゴルファーにとって大きなメリットがあるように感じるアイテムですが、中には持ち込みを禁止しているゴルフ場もあるといいます。

 その原因は一体どこにあるのでしょうか。「プロだけが知っているゴルフ上達への道」でゴルフ知識を紹介している川端いっせいプロに話を聞きました。

あると便利なサブバッグですが扱い方には注意が必要です

あると便利なサブバッグですが扱い方には注意が必要です

 まず、サブバッグを使用するメリットについて「時短につながる点」を挙げる川端プロ。

「セカンドショット以降で、想定外のライや距離が残ってもクラブを換えにわざわざカートへ戻る必要がありません。思い通りの飛距離がうまく出せない人にとっては、その場で必要なクラブを取り出せるためスムーズなプレーが期待できます」と言い、さらに以下のように続けます。

「サブバッグの時短効果は他にもあります。例えば、雨の日に使用しないクラブを地面に置く必要がなく、汚れを取り除いたりと手入れをする手間が減ります。クラブの置き忘れも減るため、クラブを探したり取りに行ったりする時間も削減できるでしょう」

「また、カートに乗って移動する際はクラブを持ったまま乗り込み、次の地点でクラブ交換をしたほうが時短になります。サブバッグを利用している際も同様に、持ったままカートに乗り込んで次点への移動を最優先にするなどの意識づけが、プレー時間の短縮につながるはずです」

禁止の原因はプレーヤー側の配慮不足?

サブバッグの使用を「禁止」するゴルフ場も増えている

サブバッグの使用を「禁止」するゴルフ場も増えている

 サブバッグの利用は一見するとメリットも多く、禁止にしてしまう理由が見当たらない気も。ではなぜ、サブバッグの禁止に踏み切ったゴルフ場が増えているのでしょうか。

「ゴルフ場がサブバッグの使用を禁止した理由は、サブバッグそのものにあるのではなく、扱う人たちに原因があると考えます。グリーン保護の観点、紛失破損、カート事故の防止など、プレーヤー側の配慮不足が挙げられるでしょう」

「特に多く聞くのは、グリーンにサブバッグのスタンドを立てて芝を傷つけてしまう事例。ゴルフマナーをある程度理解している人なら、グリーン周りはより丁寧に扱うべきだと知っているはずですが、中には傷つけてしまう人も一定数いて、グリーン保護の観点から禁止せざるを得ないゴルフ場も多いようです」

「その他にも、カートの後方に設置している物置カゴにサブバッグをかけてしまったが故に、カゴが破損した事例も耳にします。カートのカゴはクラブが5本前後入るサブバッグの重さに耐えられるほどの強度はなく、そもそもカゴに重いものをかける想定もされていません」

「さらに、走行中の揺れや衝撃でカゴにかけていたサブバッグが落下し、誤ってカートで轢いてしまうなど、大きな事故につながりかけた事例もあります」

 ゴルファーにとってサブバッグは使い勝手のいいアイテムですが、ゴルフ場が禁止する理由にも正当性があり、賛否両論があるのも頷けます。ゴルフ場のコンディションを良好に保つためにも一定の理解を示しつつ、新たな使用方法の模索も必要になるでしょう。

ジャンルで探す