待たされるより後続組に見られてるのがストレス! “ギャラリー”がいるとミスする人が守るべき鉄則とは?

ゴルフ場が混んでいると、毎ホールのティーショットで待たされるのがストレスという人が多いと思います。一方で、待たされることより後続組が追い付いてきて“ギャラリー”が見守るなかで打たなければいけないのがストレスという人も少なくないでしょう。どうしたら知らない人に見られていてもミスせずに済むのでしょうか。

緊張だけでなく焦って適当に打ってしまうことも原因

 ゴルフ場が混んでいる時は、朝一番のティーショットだけでなく、毎ホール大勢の“ギャラリー”の前でティーショットを打たないといけないことがあります。そういう場面では、緊張してミスをしやすいですよね。

女子4人組に見られていると、ついつい力が入ってしまったり… 写真:PIXTA

女子4人組に見られていると、ついつい力が入ってしまったり… 写真:PIXTA

 後ろの人に見られても、いつも通りのショットを打つにはどうしたらいいのでしょうか。ジュニアから競技ゴルファーまで幅広い層への指導を行うPGAティーチングプロの堀田和宏さん(埼玉県・越谷ゴルフリンクス所属)に聞いてみました。

「アマチュアゴルファーが後ろの人たちに見られるとミスをしてしまうのは、緊張してスイングリズムが崩れるせいも確かにあります。でもそれ以前に、自分のプレーに集中できていないことでミスを招いているケースが多いのです。さまざまな雑念に惑わされ、どこへどう打っていくかも決まらないまま適当に打ってしまっているのが原因ではないでしょうか」

 例えば、こんな経験はありませんか?

 自分がティーショットを打つ番が近づいたところで後続組のカートがやって来た場合です。後ろの人に見られるのが嫌だと思うと、前の人の打球を最後まで見届けもせず、早く打ってしまおうとしがちです。意外とこういう時に限って後ろの組が追いついてきて、カートを止めてショットを見守ってくれたりします。打つ側としては、シーンと静まりかえったなかで「うまく打たなきゃ。でも、ちゃんと当たるかな。失敗したらカッコ悪いな」と焦るパターンです。

「こうなると焦りや不安で頭がいっぱいになります。目の前のボールをどこへどう打つか。そのために自分がいま何をすべきかなど、何も考えられなくなっています。それどころかいつものルーティンすら忘れているのです。これだけ集中できていない状態では、自分のスイングを実行することなどできず、ミスショットは既定路線といえるでしょう」

 では、どうしたら集中できるのでしょうか。

「ターゲットや球筋をはっきり思い描くことと、自分なりのルーティンやスイングを確実に実践することが大切です。それにはまず、ボールの後方からターゲットを決めると同時に、これから打っていくボールの球筋を思い描きます。イメージが定まれば素振りをしてセットアップを行います。グリップ、フェース、スタンス、腰、肩の向きなど、自分のやり方を守ってアドレスを整えましょう。一連の動作を一つずつ丁寧に行うことによって、『見られている』意識を消すことができるからです。アドレスが整ったら、あとはボールを打つだけです。自分のスイングで、スイングリズムに集中してクラブを振っていきましょう」

 こう堀田さんは言います。

 ルーティンを丁寧に行うことによって、見られている意識を消す。いつものスイングをすることに集中できれば、ミスが少なくなるといいます。

 また、1回のショットの持ち時間は最大40秒ですが、実際にかかる時間はアマチュアでも20~30秒ほど。ティーアップをしてから、アットアップを完成させて打つまでを20~30秒で行うとなると、やることがたくさんあって焦りや不安を感じている時間もありません。

人目に慣れて緊張しなくなる練習方法とは?

 ところで、常に大勢のギャラリーに囲まれてプレーをするプロは、ギャラリーに見られてミスをすることはないにしても、人の視線を感じながらのプレーについてはどう受け止めているのでしょうか。

「まれに試合の大きさがプレッシャーとなって、雑念から失敗をすることはありますが、ギャラリーや他の選手に見られてミスをすることはまずありません。むしろトーナメントで自分のゴルフを多くの人に見られるのは当たり前ですし、その方が張り合いにもなります。いずれにせよ、プロの仕事は自分のゴルフをすること。だからこそ人に見られていてもいなくても、常に自分のスイングに集中できているのだと思います」

 それでも人に見られるとどうしてもミスをするという人に、堀田さんは人目に慣れるための練習方法を教えてくれました。

「練習場で常に一番目立つ打席に入ってボールを打つようにしましょう。例えば、自動ドアの前、階段を上がってすぐの打席など、人の通り道になっているところがいいですね。フロントから打席へ移動するのに自動ドアが開いた瞬間、必ずパッと目に入るような打席です。目立つ打席に入って50球、100球と練習するうち、その場所に慣れて、人が通るたびいちいち『見られて嫌だなあ。うまく打てなかったらどうしよう』などと気にしたり、反応したりすることがなくなっていきます。打席を指定できない練習場でも、空きしだい希望の打席に入れてもらえる場合がありますので、フロントで『何番打席か、それに近いところをお願いします』と伝えておくといいですよ」

 自分のゴルフに集中し、見られている意識を消す。または、あえて人の通るところで練習して慣れる。最後は「そもそも人は、自分が意識するほど他の人のスイングを見ていないもの」と開き直ることも大切なようです。

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