だらしないと思われるから暑くてもガマン!? シャツって必ず“イン”しないとドレスコード的にまずいの?

近年の酷暑でラウンド中に「シャツの裾を出してプレーしたい」と考える人も多いでしょう。では、夏の時期にゴルフ場でシャツの裾を出すことは、ドレスコード的には問題ないのでしょうか。

プレー中の裾出しはJGAも勧めている

 多くのゴルフ場にはドレスコードが定められています。クラブハウスで過ごす際はジャケットを着たり、ラウンドをする際はシャツの裾を入れてスタートするのが一般的です。

暑すぎてできれば“裾出し”したい… 写真:PIXTA

暑すぎてできれば“裾出し”したい… 写真:PIXTA

 しかし、夏の間はドレスコードの規制が緩くなって、ある程度カジュアルな格好も認められています。とくに暑さが厳しくなっている昨今は、「シャツの裾を出したい」と考える人も多いかもしれません。

 では、夏の時期にシャツの裾を出すことは、ドレスコード的にはOKなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「ドレスコードを定めているゴルフ場では、クラブハウス内でもコース内でも、シャツをインしてもらうよう求めています。しかし、酷暑が続いている近年の夏は、シャツインのままでは中に熱がこもりやすく、熱中症のリスクが高まります」

「そこで、JGA(日本ゴルフ協会)でもゴルファーの熱中症予防の一環として、従来のドレスコードを厳守する必要はないと呼び掛けています。シャツの裾を出すと内部にこもっていた熱が外へ出やすくなり、体感温度が4度ほど下がるといわれています」

「ゴルフ場によってドレスコードの厳しさは異なりますが、ラウンド中に暑さで倒れてしまっては、同伴者やゴルフ場のスタッフに迷惑をかけてしまいます。協会も『シャツインにこだわらなくていい』と言っていますし、無理をせず各自の判断でシャツの裾を出してもいいと思います」

 JGAではプレー中における裾出し以外にも、「極力カートを使って移動し、徒歩移動の際にはできるだけ木陰を選ぶようにする」「3ホールでおよそ250ミリリットル、ハーフでおよそ750ミリリットルを目安に、こまめに水分補給をする」といった熱中症対策を呼び掛けています。

 また、コース売店での休憩が長引きそうなら後続組に先を譲ったり、少しでも体調に違和感を覚えたらプレーを中止する勇気を持つことも推奨されています。

 飯島氏によると、裾出しを積極的に行うようドレスコードを変更したゴルフ場は、今年に入って一気に増加したそうです。

クラブハウス内では裾出しはNG?

 では、ラウンド時ではなく、クラブハウスの中にいる際にシャツの裾を出すのはどうなのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。

「オフィスなどで『クールビズ』が一般化しているように、ゴルフ場でも夏の期間はクラブハウス内でジャケットを羽織らず、よりカジュアルな服装で過ごしてもいいとしているところは多いです。一方で、クラブハウス内での裾出しに関しては、ドレスコードが厳しめのゴルフ場ではまだ認めていないこともあります」

「ただ、最近はポロシャツやボタンダウンシャツなどの中でも、裾出しを前提としたデザインのものなら可とする風潮も高まっています。今後はクラブハウスでも、シャツインしなくていいゴルフ場は増えていくでしょう」

「ドレスコードを緩和する期間は7〜9月としているゴルフ場が多いです。しかし近年は、真夏日レベルの暑い日が秋になっても続いています。この状況を鑑みて、さらに1カ月ほど延長される可能性も考えられます」

 ドレスコードは元々、社交の場としてゴルフ場のメンバー同士が不快な思いをしないために作られたものです。しかしここまで暑い日が続いていると、そんなことも言っていられません。メンバー間で話し合い、ドレスコードが緩和されるコースは、今後さらに増加するかもしれません。

 酷暑のラウンドは危険と隣り合わせということは決して忘れてはいけません。裾出しがOKのゴルフ場ではシャツの裾を出してプレーし、積極的に涼しい格好を心掛けるようにしましょう。

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